はじめに:ストレス発散と「落ち込んだ時の対処」は少し違う
皆さんは、ストレスが溜まった時と落ち込んだ時、同じ方法で対処していますか?
私は、この2つは似ているようで、少し違う気がしています。
ストレスに対しては、
「発散する」
という言葉がしっくりきます。
一方、落ち込んでいる時に必要なのは、
「自分を慰める」
という感覚に近い気がするのです。
もちろん、これは私なりの考え方です。
ただ、
- ストレスが溜まった時にすること
- 落ち込んだ時にすること
この2つを少し分けて考えて、自分なりの対処法をいくつか持っておくと、いざという時に役立ちます。
「落ち込んだら、これをやってみよう」
そう思える選択肢があるだけでも、何も思いつかない状態より心強いものです。
そこで今回は、私自身が落ち込んだ時に気持ちを立て直すために意識している3つの方法をアウトプットしてみます。
テーマは、ストレス発散よりも少し手前にある、
「自分への慰め方」
です😊
読者様が落ち込んだ時、自分を立て直すためのヒントが一つでも見つかれば幸いです。
落ち込んだ時① 自分の名前で自分に話しかける
落ち込んだ時、まず私が大切だと思っているのが、
「自分を少し外側から見ること」
です。
そのために使える面白い方法があります。
「私」ではなく「自分の名前」で考えてみる
イーサン・クロス著『チャッター』などでも紹介されている考え方に、自分自身について考える際に「私」ではなく、自分の名前などを使う方法があります。
私の場合なら、
「大樋町、君なら大丈夫」
「大樋町、君は何でこんなに落ち込んでいるんだ?」
「大樋町!次こそ大丈夫だ」
といった感じです。
ちょっと変な感じがしますよね(笑)。
でも、自分の名前を使って自分に話しかけてみると、
まるで落ち込んでいる友人に話しかけているような感覚
になります。
ここがポイントです。
落ち込んでいる自分を「外側」から見てみる
落ち込んでいる最中は、自分が不幸の主人公になってしまいます。
失敗した。
嫌なことを言われた。
恥ずかしい思いをした。
自信をなくした……。
そんな出来事の真ん中に自分がいるので、どうしても視野が狭くなりがちです。
そこで、
「もし同じことで親しい友人が悩んでいたら、自分は何と言うだろう?」
と考えてみます。
自分には、
「もうダメだ……」
と言っているのに、友人になら、
「いやいや、一回失敗しただけだろ」
「そんなに自分を責めなくてもいいんじゃない?」
と言えるかもしれません。
このように、自分を少し離れた視点から捉えることは、心理学では**セルフ・ディスタンシング(self-distancing)**などと呼ばれ、感情を整理する方法として研究されています。
悩みから「逃げる」のではない
ここで大切なのは、
客観的になる=問題から逃げる
ではないということです。
心が折れている時に、いきなり問題と真正面から戦うのは難しいものです。
だからまず、
「今、自分は落ち込んでいるんだな」
「何がそんなに嫌だったんだろう?」
と、現在地を確認する。
私にとって、自分の名前で話しかけることは、そのための一つの方法です。
少し冷静さを取り戻してから、問題への対処やストレス発散へ進めばいい。
そんな順番でも良いのではないでしょうか。
落ち込んだ時② 感情を「書いて」視覚化する ✍️
もう一つ、私が知っておいて損はないと思うのが、
エクスプレッシブ・ライティング(Expressive Writing)
です。
日本語では**「筆記開示」**などと訳されます。
心理学者ジェームズ・W・ペネベーカーらの研究で広く知られるようになった方法で、自分が経験したストレスや嫌な出来事、その時の感情などを書き出していきます。
普通の日記とはちょっと違う
ポイントは、
「人に読ませるための文章を書かない」
こと。
文章がめちゃくちゃでも構いません。
漢字を間違えてもいい。
同じことを何度書いてもいい。
例えば、
「ムカつく!」
「本当に腹が立つ!」
「なんで自分ばっかり!」
「本当はめちゃくちゃ悔しかった!」
これでもOKです。
誰にも見せないのですから、格好をつける必要なんてありません。
頭の中のモヤモヤを「紙の上」に移動させる
落ち込んでいる時の頭の中には、
- 嫌だった出来事
- 相手への怒り
- 自分への後悔
- 将来への不安
- 恥ずかしさ
- 悲しさ
など、さまざまな感情や考えが混在しています。
それを文章にしてみる。
すると、
「なんとなく嫌だ」
だったものが、
「自分は○○されたことが嫌だったんだ」
と、少し具体的になっていきます。
頭の中だけにあった感情を言葉にすることで、自分が何に反応しているのか整理しやすくなるわけです。
「失敗」と「自分の価値」を切り離す
落ち込んでいる時に怖いのが、一つの失敗を自分自身の評価にまで広げてしまうことです。
例えば、
「仕事で失敗した」
という一つの出来事が、
「自分は仕事ができない」
になり、さらに、
「自分は何をやってもダメだ」
になってしまう。
でも、
「今回失敗したこと」と「自分という人間全体の価値」は別の話です。
文章にして、
「自分はダメだ」
ではなく、
「今回は○○を失敗して、それが悔しかった」
と具体化できれば、何が起きたのかを整理しやすくなります。
そして、
「では、次はどうすればいい?」
という次のステップにも進みやすくなります。
「考えない!」ではなく、一度書いてしまう
嫌なことがあった時、
「もう考えないようにしよう!」
と思った経験はないでしょうか。
ところが、考えないように意識するほど、かえって頭から離れなくなることもあります。
だったら逆に、
一度、書いてみる。
エクスプレッシブ・ライティングには、高価な道具も特別な技術も必要ありません。
紙とペン、あるいは自分だけが見られるメモなどがあればできます。
頭の中にあるモヤモヤを、
「頭の中 → 言葉」
へ変換する。
すると、
「自分はこんなことに悩んでいたんだ」
「本当は、これが悲しかったんだ」
と、自分の気持ちが見えてくることがあります。
落ち込んだ時、無理やり元気になろうとする前に、
まずは書いてみる。
エクスプレッシブ・ライティングを、自分を立て直すための**「心の道具箱」**の一つとして持っておくのも良いと思います😊
落ち込んだ時③ 美味しい食事や好きなことを自分に許す 🍨
最後は、もう少し楽しい方法です。
それは、
「落ち込んだ時くらい、自分に少しだけ許しを与える」
ということ。
普段から節制している人なら、たまには少し欲望のリミッターを緩めても良いのではないでしょうか。
日頃、我慢していることはありませんか?
少し高めの食事。
温泉。
甘いもの。
趣味の買い物。
小旅行。
落ち込んだ時くらいは、
自分にちょっと甘いアイスクリームをプレゼントする。
そんな慰め方があってもいいと思うのです。
プチ贅沢①「楽しみな予定」を作る
楽しみは、その瞬間だけに存在するわけではありません。
例えば、
「次の休みは温泉へ行こう♨️」
「金曜日はちょっと良い寿司を食べよう🍣」
と予定を立てる。
すると、実際に体験するまでの時間にも**「楽しみ」**が生まれます。
楽しい出来事を待ち望む「期待」そのものが、ポジティブな感情と関連することは心理学でも研究されています。
つまり、
予定する → 楽しみに待つ → 体験する → 思い出す
というように、一つの体験を何度も味わえるわけです。
プチ贅沢② モノより「体験」にお金を使ってみる
幸福研究では、旅行・外食・コンサート・レジャーなどの**体験への支出(experiential purchases)**が、物質的な買い物とは異なる形で幸福感につながることが研究されています。
例えば3万円のバッグなら、数年後には「持っている物」になっているかもしれません。
でも、3万円で行った一人旅なら、
「あの温泉よかったな」
「あそこで食べた料理、美味しかったな」
「初めて一人であそこまで行ったな」
という自分の人生の思い出になります。
だから私は、プチ贅沢をするなら「体験」に使うのも面白いと思っています。
プチ贅沢③ 普段とのメリハリを作る
毎日贅沢してしまうと、それが当たり前になってしまいます。
人は良い変化にも次第に慣れていく傾向があり、幸福研究では**快楽順応(hedonic adaptation)**という考え方があります。
だからこそ、
普段は普通に暮らす
↓
ときどき少し良いものを楽しむ
↓
また普通の生活に戻る
というメリハリを作る。
毎日5,000円の夕食を食べるより、普段は自炊して、
月に一度だけ5,000円の料理を楽しむ。
そんな方法なら「今日は特別!」という感覚を維持しやすいかもしれません。
プチ贅沢④ 高額である必要はない
そして、ここは重要です。
プチ贅沢=大金を使う
ではありません。
例えば、
- いつものコーヒーを少し良いものにする☕
- スーパーの刺身をワンランク上げる
- スーパー銭湯で岩盤浴まで付ける♨️
- 普段より少し良いホテルに泊まる
- 趣味の道具を一つアップグレードする
- 近場へ一人旅してみる🚃
- 好きなアイスクリームを買う🍨
これでも十分です。
むしろ金額を大きくしすぎないからこそ、家計への負担を抑えながら楽しめる。
これが**「プチ」贅沢の良いところ**ではないでしょうか。
「頻度を抑えた体験型プチ贅沢」が私のお気に入り
個人的に気に入っているのが、
「普段は普通に暮らして、ときどき楽しみな体験を入れる」
という方法です。
旅行、温泉、外食、ライブ、レジャー、趣味……。
さらに、
「いつか行こう」
ではなく、
「9月○日に○○へ行く!」
と決めてしまう。
すると、その日までがちょっと楽しくなります😊
プチ贅沢は、必ずしも節約の反対ではありません。
普段のなんとなく使っているお金を減らし、その分を、
「自分が本当に楽しめること」
に意識して使う。
そんなお金の使い方なら、節約と楽しみは両立できると思います。
落ち込んだ時のために「自分専用の回復メニュー」を作っておく
ここまで紹介した方法を、落ち込んでから思い出そうとするのではなく、
普段から「自分が落ち込んだら何をするか」を決めておく
のがおすすめです。
例えば私なら、
① 自分の名前で自分に話しかけて、少し客観視する
↓
② 感情を紙に書き出して整理する
↓
③ 美味しいものや好きな体験を自分に許す
という流れです。
そして余裕が出てきたら、
「さて、この問題をどうしよう?」
と考える。
落ち込んでいる自分を無理やり奮い立たせるのではなく、まずは自分を立て直してから問題に向き合う。
私はそんな順番でも良いと思っています。
おわりに:落ち込んだ時の「自分の取扱説明書」を持っておこう
人生を生きていれば、落ち込む日はどうしてもあります。
仕事で失敗する。
人間関係で嫌なことがある。
頑張ったのに結果が出ない。
そんな時、
「落ち込まない人間になる」
ことを目指すより、
「落ち込んだ時に、自分をどう立て直すか」
を知っている方が現実的なのかもしれません。
そのために、
「落ち込んだら、まずこれをする」
という自分なりのルールを作っておく。
そして実際に落ち込んだら、
「今日はこれを試してみよう」
とゲームのように一つずつ試してみる。
効いたものは、自分の**「心の道具箱」**に残しておけばいい。
そうやって少しずつ、
自分専用の「心の取扱説明書」
を作っていくのです。
今回紹介した、
自分を客観的に見ること。
感情を書き出すこと。
自分に小さな楽しみを許すこと。
この中から一つでも、読者様が落ち込んだ時の助けになる方法が見つかれば嬉しく思います。
無理やり元気になる必要はありません。
まずは、
「今、自分は落ち込んでいるんだな」
と気づくところから。
そして少しずつ、自分なりの方法で元の場所へ戻っていけばいいのだと思います。
皆様のご多幸をお祈りいたします。
大樋町

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