はじめに:
本書は、
全世界で600万部を売り上げた
サイコロジーオブマネーの著者、
モーガン・ハウセル氏の最新作です。
本書の英題は、
SAME AS EVER(いつも同じ)
です。
これまでも、これから先も、
人間の本質は変わらず、
変わらない本質に目を向けるからこそ
不確実な世界で成功を収め、
不安定な世界で不動の軸足を
作ることができる
と著者は説明しています。
20年前の過去と現代を
見比べてみると、
世界は目を見張る変化を遂げました。
では20年後の未来には、
世界はどの様に変わっているか
と聞かれても、
テクノロジーの進む方向や
歴史がどうなるかを予測することは
ほぼ不可能です。
しかしながら、
人間の本質はどうでしょうか。
いつの世も人間は、
他人と自分を比較する事が好きだし、
期待によって突き動かされ、
変動的なものより確定的なものを好み、
大局を見るより目の前の問題に着目するなど、
本質は変わらないのだ。
と著者は説明しています。
そこにこそ、
物事の成功が眠っています。
変動的なものより、
変わらない人間の本質に
今一度着目して、それに気づく。
本質を押さえておけば、
これから先に来るであろう
変動の時代にも、
きっと耐えうる生き方
を学ぶ事ができるはずです。
今回も、
管理人である私が目から鱗だった、
人間の本質から導き出された
「人生戦略の立て方」
から学んだことをアウトプットしますので
今しばらくの間、お付き合いください。
学んだこと:
そもそも予測なんてできない
著者は
投資アドバイスメディアにも寄稿する
投資アドバイザーです。
本書にも前書にも
投資の世界に通ずる概念は
私たちの生活にも応用することができます。
それもそのはず。
私たちの生活ので
私たち人間がどう感じどう思うか
によって株価は変動し、
投資の世界は成り立っているのですから。
その投資の世界では
予測が不可欠
と言われています。
しかしながら著者は、
そもそも人間には、
この先の未来を見通す力は無い
もしくは非常に難しく困難である
と説いています。
例えば、
あなたが25歳から
投資アドバイザーの仕事を始め、
50年の経験を持つベテランだとします。
バブルが弾けたり、
ありえない会社が倒産するなど、
75歳のベテランにとって、
50年という長い月日の中で、
その予測力を測る機会は
一体何回あったでしょうか?
答えはたったの5回です。
しかも
その予測が正確なものであったのか
を調査するには
その後、長期間を有するので、
そもそも予測が正しいかどうかは
過去を分析するものでしかなく
今を生きる私たちの参考になるか
と言われると、
今起きている事の予測が正しいか
を有効に使えるのは未来の人間だけ
という結果になってしまいます。
結論、
人間は予測に頼るべきではない
というのが著者の助言です。
さらに大事なのは、
いつ起こるか予測はできないが、
「備えること自体は難しくない」
というのが本章の回答です。
地震がいつ起こるかは分からない。
説明の通り、予測は不可能です。
しかし、
地震に備えることは
そこまで難しくは無いでしょう。
避難経路を覚えておく、
非常食を準備するなどの
災害対策をすることは
予測をすることより
よほど難易度は低いです。
投資においても、
いつ何時、不況が来るかは
誰にも分かりません。
予測も不可能です。
しかしながら対策は可能です。
所有する投資商品が
「いくら以下になったら売る」
をシステム化しておいたり、
自分のルールにしておけば、
最悪の自体は免れます。
いつの世も、
まだ見ぬ未来に対しては
予測に一喜一憂するより、
想定できる問題に備える
方に力を注いだ者たちが
成功を手にしてきたのです。
期待ゲームを逆に支配せよ
あなたの幸せは
何よりあなたの期待の大きさ
にかかっている。
と聞いてどう感じるでしょうか。
世の中が、
人一人が真っ当に生きる準備
が整うと、
人はそれ以上のものを求め始めます。
モンテスキューが語る通り、
人は幸福になるのは簡単だが、
人より幸福になるのは難しい
が現実化します。
比較は
自分と他人の間にも起こりますが、
また同じく、
今と過去、そして未来の間
でも起こります。
これで十分だ。
と現在の自分に満足できる人が
どれほどの数いるでしょうか?
人は夢を叶えるたび、
目標を達成するたび、
頂上に到達するたびに、
更に上を目指して立ち上がります。
上を、更に上を目指す。
これはさも良い事のように聞こえます。
しかしながら著者は言います。
「期待値が大きくなるほど
人生は苦しくなる」と。
期待しすぎは
それが叶わなかった時、
絶望を生みます。
だからといって
未来に期待してはいけないのか?
と言われると、
もちろん期待は必要な事だし
明るい未来を想像することは
好ましいことです。
著者は幸福は2種類ある
と説明しています。
一つは
既に持っているもの
もう一つは
これから手に入れるもの
の2種類です。
今持っていないのものを
新たに手にした時、
それは幸福をもたらすかも知れません。
しかし、
それだけで終わってはいけません。
既にその手に持っているものにも
幸福を感じるようにしましょう。
真実を話せば、
期待を大きくして、
それが達成できた事を
人は喜ぶわけではない。
と著者は指摘しています。
人間は、
自分の現実と期待したものとの
ギャップが大きほど
感情を揺さぶられる。
目標を達成したいのではなく
ただ「ギャップ」に興奮しただけ。
そこに気づくことができると、
「ほどほど」でいられる事が
どれだけ幸福かを再確確認できるでしょう。
欲望は大きくなればなるほど
人の苦しみは多くなります。
大きな期待より、
ほどほどの期待を持って、
ほどほどに生きる事も
時には大事なのです。
成果を急ぐ者の末路を知れ
何かの成果を少しでも得たなら、
「もっともっと」と、
その利益を増やそうとするのが人間です。
しかしそのもっと欲しいの感情が
身を滅ぼしてしまうことも多々あるのです。
先に人間の身体の不思議を見てみましょう。
人間の身体がもし今の3倍になれば
力は3倍に、
重いものを3倍持ち上げ、
移動できる距離は3倍に長く
なるのでしょうか?
20歳で亡くなったロバート・ワドロー氏は、
脳下垂体の異常により、
成長ホルモンが異常に分泌され、
人間の限界にまで
大きく成長「してしまった」人間です。
7歳にして身長180cm
成人時、
22歳でこの世を去った時、
彼の身長は272cmでした。
ではワドローは、
他人より3倍の物を持ち上げる力を、
他人より3倍早く走れ、
他人より3倍高く飛べたのでしょうか。
現実はその反対でした。
彼は、
特別な器具が無ければ、
立ち上がる事すらできず、
歩行には杖が必要で、
そもそも動きは緩慢で、
走るなど全く持って不可能でした。
大きな身体のため、
心臓にも負担がかかり、
両足の血圧が上がった結果、
傷は重大な感染症を引き起こし、
彼は死に追いやられました。
身体の大きさが仇となり、
メリットではなく
デメリットになってしまいました。
天下のスターバックスコーヒーも
成果を急ぎすぎて、
大きな失敗を招きました。
店舗を増やしすぎた結果、
サービス力が不足し、
客足が遠のく自体が発生、
2007年当時、
4時間に1店舗が誕生する
と言わしめた店舗は
業績が振るわず、
最終的には600店舗を閉鎖、
1万2000人が解雇されました。
物事には、
せっかく成果を上げられていたのに、
上を目指し、
不相応な規模で成長した結果、
破滅を招く事も往々にして起き得ます。
今持っている物でも
十分勝負できる、
うまく入っていないが
続けることはできている、
事が分かっているなら、
大きな一手を打つことは
ひょっともすると
破滅を招く可能性があります。
自分でできるペースで
じっくりとやるべきコトに取り組む姿勢
こそが肝要です。
ことを急いては事を仕損じる
とは科学的にも認められたことなのです。
おわりに:
本書が教えてくれる
いつの世も変わらない真実
と、
その活かし方
の中には、
私たちが忘れていた何か
があるように思えてなりません。
人間は
シンプルさ
より
複雑さからの方が
知的好奇心を得やすい
というのもその一つです。
健康になりたいなら、
8時間の睡眠、
適度な運動、
健康な食事
があれば十分ですが、
人はやれ
複雑なサプリだのヨガや
リラックス方法
にご執心です。
ファイナンスの知識も同様です。
支出が収入を上回る事を避け、
余分を貯金し、
忍耐強く耐えること
これがほぼ全てです。
しかしながらシンプルさからは
前述の通り、
好奇心を誘うような魅力には乏しく
人はそれらを軽視しがちです。
私たちが学ぶべきは、
これから先何十年、
何百年経っても変わる事のない、
人間の本質やコア部分
ではないでしょうか。
大樋町
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
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