第286回:社会は静かにあなたを呪うから学ぶ

読んだ本

―鈴木裕『社会は、静かにあなたを呪う』より―


🌏 はじめに

現実に基づかない絶望に打ちひしがれる必要はない。
これはサイエンスライター・鈴木裕(すずきゆう)氏の言葉です。

鈴木氏は心理学・行動科学をベースに、ストレス・ダイエット・マーケティングなどを科学的に分析してきた人物。
今回のテーマは、「社会問題や経済問題がもたらす“呪い”」についてです。


🌀 「呪い」と聞くとオカルト?

「呪い」と聞くと、子どもっぽい・非科学的な印象を持つ人も多いかもしれません。
しかし、鈴木氏が語る“呪い”とは、科学的根拠のある心理的影響のこと。

たとえば私たちは、

  • 「日本はオワコン」

  • 「人口減少で景気は悪化する」

  • 「人は幸福であるべきだ」

といった“刷り込み”を信じていませんか?

それこそが、現代社会に潜む情報という名の呪い
無意識のうちに「不安」や「焦り」を感じてしまう構造があるのです。


🧠 学んだこと①:幸福にならなければ意味がない?

🔹 「幸福追求」は実は“終わらないレース”

「幸福こそ人生の目的」という考えは自己啓発でよく聞く言葉ですが、
科学者によるとこれは脳の仕組みに反するとのこと。

脳には「幸福が続かないようにできている」機能が備わっています。
生き延びるためには、満足しすぎず、次の行動に移る必要があった――
これはサバンナ時代から続く進化の名残です。

🔹 幸福を感じる鍵は「受容傾向」✨

研究では、幸福感を高めるには「受容傾向」が大切だと判明。
つまり、変化を受け入れられる人ほど幸福を感じやすいのです。

不安や苦痛も人生の一部として受け入れる。
哲学者ニーチェの言葉を借りれば、

「苦痛の中にこそ意味を見出せ」

負の感情を敵視するのではなく、
自分の価値観を知るサイン」として活かす。
これが“呪い”を解く第一歩です。


⚖️ 学んだこと②:競争から降りた方が良い?

🔹 「競争しない」もまた呪い⁉️

「ナンバーワンを目指さなくていい」
「競争から降りよう」
――一見やさしい言葉ですが、鈴木氏はこれも“呪い”だと指摘します。

確かに競争はストレスを生みますが、同時に自己理解の場でもあるのです。
自分の得意・不得意を知るのは、実際に競争を通してこそ。

🔹 競争には“シグナル効果”もある📣

「努力をやり抜いた経験」は、周囲への**信号(シグナル)**になります。
たとえば、部活を3年間続けた人は「忍耐力がある」と評価される――
これも競争の副産物です。

さらに鈴木氏は「ブルーオーシャン戦略もいずれ血に染まる」と警告。
競争のない市場も、やがて他者が参入し競争化する。
つまり、競争から完全に逃げることは不可能なのです。

👉 結論:
競争を避けるよりも、自己理解と強みの発信に生かす方が賢明です。


🔥 学んだこと③:情熱を持てば成功できる?

🔹 「情熱」も呪いになることがある

吉田松陰の言葉にあるように、

「夢なき者に成功なし」

しかし鈴木氏は、「情熱」も方向を誤ると呪いになると説きます。

目標の立て方を誤ると、

  • 成果を水増しする

  • リスクを取りすぎる

  • 燃え尽きてしまう

といった副作用を生むのです。

🔹 解決策:「ゴール」ではなく「プロセス」に集中せよ🏃‍♂️

鈴木氏が示す答えはシンプル。

「結果ではなく、過程にフォーカスせよ」

たとえば、

  • 「試合に勝つ」→「毎日1時間ウェイトをする」

  • 「入賞する」→「毎日ピアノを弾く」

  • 「料理上手になる」→「1ヶ月毎日違うメニューに挑戦」

プロセスを楽しむことが、最終的に最も成果をもたらす――
科学的にも裏づけされた考え方です。


🪞 おわりに:社会の呪いにかからないために

人間の脳はネガティブ情報に強く反応します。
だからこそ、メディアは「悪いニュース」を流し続け、
それがまた私たちの思考を縛る“呪い”となります。

🔹 対抗策:社会を「複雑に見る」👀

「日本はダメだ」「この国は終わってる」――
そんな“簡単な答え”に飛びつかず、

「なぜそうなのか?」
「本当にそうだろうか?」

と考える癖をつけることが、
現代社会で呪いから自由になるための第一歩です。


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大樋町

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大樋町と申します。
「おおひまち」と読みます。
北陸地方住む、アラフォーの読書愛好家です。
日頃は通訳などを生業としております。
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