―鈴木裕『社会は、静かにあなたを呪う』より―
🌏 はじめに
「現実に基づかない絶望に打ちひしがれる必要はない。」
これはサイエンスライター・鈴木裕(すずきゆう)氏の言葉です。
鈴木氏は心理学・行動科学をベースに、ストレス・ダイエット・マーケティングなどを科学的に分析してきた人物。
今回のテーマは、「社会問題や経済問題がもたらす“呪い”」についてです。
🌀 「呪い」と聞くとオカルト?
「呪い」と聞くと、子どもっぽい・非科学的な印象を持つ人も多いかもしれません。
しかし、鈴木氏が語る“呪い”とは、科学的根拠のある心理的影響のこと。
たとえば私たちは、
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「日本はオワコン」
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「人口減少で景気は悪化する」
-
「人は幸福であるべきだ」
といった“刷り込み”を信じていませんか?
それこそが、現代社会に潜む情報という名の呪い。
無意識のうちに「不安」や「焦り」を感じてしまう構造があるのです。
🧠 学んだこと①:幸福にならなければ意味がない?
🔹 「幸福追求」は実は“終わらないレース”
「幸福こそ人生の目的」という考えは自己啓発でよく聞く言葉ですが、
科学者によるとこれは脳の仕組みに反するとのこと。
脳には「幸福が続かないようにできている」機能が備わっています。
生き延びるためには、満足しすぎず、次の行動に移る必要があった――
これはサバンナ時代から続く進化の名残です。
🔹 幸福を感じる鍵は「受容傾向」✨
研究では、幸福感を高めるには「受容傾向」が大切だと判明。
つまり、変化を受け入れられる人ほど幸福を感じやすいのです。
不安や苦痛も人生の一部として受け入れる。
哲学者ニーチェの言葉を借りれば、
「苦痛の中にこそ意味を見出せ」
負の感情を敵視するのではなく、
「自分の価値観を知るサイン」として活かす。
これが“呪い”を解く第一歩です。
⚖️ 学んだこと②:競争から降りた方が良い?
🔹 「競争しない」もまた呪い⁉️
「ナンバーワンを目指さなくていい」
「競争から降りよう」
――一見やさしい言葉ですが、鈴木氏はこれも“呪い”だと指摘します。
確かに競争はストレスを生みますが、同時に自己理解の場でもあるのです。
自分の得意・不得意を知るのは、実際に競争を通してこそ。
🔹 競争には“シグナル効果”もある📣
「努力をやり抜いた経験」は、周囲への**信号(シグナル)**になります。
たとえば、部活を3年間続けた人は「忍耐力がある」と評価される――
これも競争の副産物です。
さらに鈴木氏は「ブルーオーシャン戦略もいずれ血に染まる」と警告。
競争のない市場も、やがて他者が参入し競争化する。
つまり、競争から完全に逃げることは不可能なのです。
👉 結論:
競争を避けるよりも、自己理解と強みの発信に生かす方が賢明です。
🔥 学んだこと③:情熱を持てば成功できる?
🔹 「情熱」も呪いになることがある
吉田松陰の言葉にあるように、
「夢なき者に成功なし」
しかし鈴木氏は、「情熱」も方向を誤ると呪いになると説きます。
目標の立て方を誤ると、
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成果を水増しする
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リスクを取りすぎる
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燃え尽きてしまう
といった副作用を生むのです。
🔹 解決策:「ゴール」ではなく「プロセス」に集中せよ🏃♂️
鈴木氏が示す答えはシンプル。
「結果ではなく、過程にフォーカスせよ」
たとえば、
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「試合に勝つ」→「毎日1時間ウェイトをする」
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「入賞する」→「毎日ピアノを弾く」
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「料理上手になる」→「1ヶ月毎日違うメニューに挑戦」
プロセスを楽しむことが、最終的に最も成果をもたらす――
科学的にも裏づけされた考え方です。
🪞 おわりに:社会の呪いにかからないために
人間の脳はネガティブ情報に強く反応します。
だからこそ、メディアは「悪いニュース」を流し続け、
それがまた私たちの思考を縛る“呪い”となります。
🔹 対抗策:社会を「複雑に見る」👀
「日本はダメだ」「この国は終わってる」――
そんな“簡単な答え”に飛びつかず、
「なぜそうなのか?」
「本当にそうだろうか?」
と考える癖をつけることが、
現代社会で呪いから自由になるための第一歩です。

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