1 本の紹介文
本日、取り扱う本は、マインドセット。心のあり方に関する本です。
著者は、キャロル・S・ドゥエック教授。スタンフォード大学の心理学教授です。
才能は天から与えられたもので、生まれ持ったもの。努力どうこうで変わるものではない。
誰に聞いたわけでもないのにずっとそう思って生きてきました。
努力で何度かなることもあるはずだ。と思いながらも、心のどこかでそれを諦めていたような・・・
この本では
・ 才能は努力次第で伸ばすことができる
・ 心の在り方次第で人は変わることができる
これらの方法が、20年にわたる研究調査結果とともに、分かり易く解説されています。
2 【要約】抜粋ポイント
本の内容を抜粋しています。
① 生まれ持った才能は果たして学習や経験で伸ばせるものなのか?
学問上の論争では、伸ばせるも伸ばせないもそのいずれでもない。との意見が大多数。
しかし、学問上の論争は専門家に任せるとして、実際「私たち」がどちらの説を信じるかによって、その後の人生は大きく変わってくる。
② どうマインドセットするか
〇 マインドセットの概念は2つ
マインドセットには
硬直マインドセット 自分の能力は変わらないと信じている
しなやかマインドセット 人間の基本的資質は努力次第で伸ばすことができると信じている
の2通りの概念がある。
〇 硬直マインドセットとは
硬直マインドセットの人は、自分の能力を繰り返し証明せずにはいられません。
なぜなら、人間的資質が一生変わらないなら、自分がまともな人間であることを周りに示したいと感じるからです。自分に欠陥があるとは、自分も思いたくないし、他人にも思われたくないと考えています。
自分は勝ち組に入っているだろうか?といつもびくびくしているようにも見えます。
自分には能力があるから、他人からの教えは必要ないと傲慢でもあります。
つまずいた=失敗
努力は忌まわしいこと
勝負には勝たなければ意味がない
〇 しなやかマインドセットとは
それに対してしなやかマインドセットの人は、人間はみな才能・適正・資質などは違えど、努力と経験を重ねればどれも大きく変化させることができると考えます。
成長できなかったら=失敗
努力はそれこそが人を賢く、有能にしてくれること
勝負には勝ち負けではなく、最善を尽くすことに重きを置く
◎ 人生の試練を乗り越える力をもらえるのは、当然「しなやかマインド」からです。
③ マインドセットをしなやかにしよう
マインド変えるということは、今までの人生で培ってきたものを根底から変えるということでもあります。
本書には、小手先のテクニックでは変わらないとも書かれています。
しかし、しなやかマインドがどんなものかを知るだけでも、自分自身や人生についての考え方が変わる人もいます。
マインドセットは容易には変わらないかもしれない。それでも、マインドをしなやかにすることに意味がなかったと言う人がいないと教授は強調します。
3 【個人意見】
どれだけ良いメソッドに出会っても、実行するか否かは自分で決めなければなりません。
成功者と呼ばれる人達の読書をする時間は意外に短く、1日30分程度ともいわれていますが、その理由は、本で学んだことを実践することに時間を割くからに他なりません。
ただのノウハウコレクターにならないよう、実践あるのみ。
これを心がけることが自分を変える最高の方法なのだと確信しています。
4 【実践】学んだ事を人生に生かそう
〇 何か新しい物事に取り組もうとした時、「難しそう!」や「無理そう!」と感じたら、あくまで「今は」無理だと考え直す。
〇 人と自分を比べる人生を止める
〇 失敗した時こそ、マインドセットを鍛えるチャンスだととらえ直す
5 今日の書籍情報
題名:マインドセット 「やればできる!」の研究
著者:キャロル・S・ドゥエック
訳 :今西康子
出版:草思社
価格:定価(本体1700円+税)
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