はじめに:
著者は、医学界の教授であり、
現役の医師、医学博士でもある「瀧 靖之」さんです。
16万人以上にのぼる脳のMRIを読影・研究し、
本書ではそれを通した
「脳に目覚めさせ、より良く生きよう!」
を教えてくれます。
題名にある、
脳が目覚めるためのたった1つの習慣とは
主観的幸福度を上げる選択をして、
積極的に行動する。
というもの。
要するに
「自分にとって心地いいことや
楽しいことをもっとやる」
するとより良く人生を送れる。
と説明されています。
逆の事を言えば、
自分にとって心地いいことや
楽しいことを享受している人は
少ないのではないか?
と指摘を受けているとも取れます。
集中できない。
物事が覚えられない。思い出せない。
人と会っても顔と名前が一致しない。
成果が上がらない。
などなど、
こうした悩みは、
脳がスリープ状態だからだ。
と著者は言います。
○好奇心
○コミュニケーション
○運動
の3つ。
脳の本質的な特徴を土台に、
16万人の脳画像を参考とし、
脳が目覚める最良の手段を教えてくれる本書。
学んだことをアウトプットします。
学んだこと:
好奇心の正体それは「自分を幸せにしてくれるもの探し」
生き物が進化する上で、
好奇心は欠かせないものだったようです。
人間が進化の過程で
動物に近い存在だった頃、
・もっと多くの水があるかも
・この実は食べられるかも
・この洞窟に住めばもっと安全かも
と、好奇心を満たすことはイコール、
生き易さ、安定、安全、安心
につながりました。
これらは脳の扁桃体の、
「快・好き」のスイッチを入れてくれます。
見たい、聞きたい、やってみたい、知りたい。
などワクワクする感情は、そこに
よりよく生きるヒントを見出すから。
と言われています。
好きな人との食事や、
好きな仕事や趣味などに没頭する時、
人は信じられない集中力を発揮したり、
肉体的な疲れは感じながらも、
高い充実感を得られたりします。
今の自分の趣味や仕事であるなら、
素晴らしいパフォーマンスを発揮できます。
仕事に好奇心を見出すことは
難しいかもしれませんが、
本書では、
「電話の苦情係で成績の良いOL」
が素晴らしい例として取り上げられています。
離職率の高い「苦情処理係」において、
好成績をどうやって叩き出したか?
このOLは自分で
「悪口辞書」を編綴してデビューする。
という目標を持っていました。
彼女にとっては、
苦情の電話はまさに宝の山。
次にどんな罵り言葉が出てくるか
楽しみでわくわくしながら受話器を取ります。
つらいはずの仕事を
楽しんでやっているわけですから、
もちろん相手や周りの評判も上々であるうえ、
本人自身のストレスもなくいい事だらけです。
仕事に自分なりのオリジナリティを出せるのもみそです。
クリエイティブさは欠かせませんが、
工夫ひとつで、辛い仕事が
楽しみに早変わりすることがあります。
好奇心の発揮先を、
毎日の仕事に見出してみる。
脳が一度で目覚めそうです。
コミュニケーションを通し、本質的な幸福を得る
人との交流を通して、
人は本能的な幸福感を感じます。
自分ばかりを優先していたのでは、
幸せにはなれないのです。
人間は社会的動物で、
群れをなして生き延びてきたため、
進化の過程において、
コミュニケーション能力が幸福感を左右し、
人を助けたり、
助けてもらったり、
分かち合うことなどを通して本質的な幸福感を得る。
という特徴が今でも色濃く残っているわけです。
悩みのほとんどは「人間関係」である。
とはアルフレッド・アドラーの言葉ですが、
新型うつ病と呼ばれる、
現代の若年層が陥りがちな、
すぐに仕事を休む、止める人たちは、
コミュニケーションを
放棄してしまっているからではないか。
と著者は指摘しています。
脳機能的な説明を加えると、
コミュニケーションを放棄してしまうと、
脳の総合的に活性化するチャンスを失ってしまう。
と言います。
脳は人間の司令塔ですが、
その中枢をなす「前頭前野」は、
コミュニケーション時に活性化します。
さらに前頭前野は
意志力や集中、注意の分散、行動制御、
感情の制限、想像・記憶のコントロールなど
も司っており、
前頭前野を使っていれば、
これらの優れた特徴も鍛えられることになります。
要するに、
先に述べた新型うつ病を患う人たちのように、
コミュニケーションを放棄してしまうと、
海馬を鍛える貴重なチャンスを
逃してしまうことになるのです。
それほどにコミュニケーションは
脳を目覚めさせるには良い方法なわけですが、
こと「会話」に話を移すと、
自分ばかりが口を開き「しゃべる」よりも、
相手の話を「聞く」ことに集中した方が良いようです。
なぜなら、
「自分さえ良ければいい」と考えると
脳は活性化しないからです。
会話時には
相手を尊重し、聞くことに徹すると、
自分の脳を活性化することにも繋がるので、
ぜひここで覚えていってほしいし、
私も実践していく所存です。
運動で脳をもっとパワーアップする
脳細胞は二十歳くらいをピークに、
あとは減少していくだけ。
と言われておりましたが、
脳科学の世界では既に覆っているそうです。
脳の海馬と言われる、
記憶力や空間把握など
を司る部位は、
使えば使うほどその数は増えていきます。
年齢により減少するとは限らない様です。
そこで欠かせないのが、
意外にも運動です。
運動と聞くと、
スポーツを思い浮かべますが、
1日30分程度の有酸素運動
でも事足りるそうです。
半年続ける事で、
頭の両側にある海馬は、
どちらも2%体積が増加した。
という実験結果があります。
反対に、
ストレッチだけなど、
有酸素運動をしない人は、
同期間で海馬の体積は1.4%も
減少してしまったそうです。
運動が脳に良い理由を
もう少し詳しく説明すると、
有酸素運動が海馬に有効なのは、
運動により、
BDNF(脳由来神経栄養因子)
と呼ばれる脳内物質が作られるからです。
BDNFは、
ニューロンと呼ばれる、
神経回路形成を助けてくれるものです。
本来、
加齢と共に減少するのですが、
運動により、
BDNFの血中濃度が上がることのより、
海馬の形成が即される事はもちろん、
加齢による脳の萎縮も抑えてくれます。
さらに運動は、
認知症を引き起こすと言われる、
アミロイドβを破壊する酵素を生み出し、
やる気をうながすドーパミン、
集中力をもたらすノルアドレナリン、
幸せを感じるセロトニン
などを分泌させます。
さらにさらに、
動脈硬化の原因物質や、
遺伝子を傷つける物質の排出まで即す。
と言われています。
身体の健康を維持するだけでなく、
脳力を維持して、
健やかに過ごすために
運動は非常に有効に働きます。
おわりに:
脳を目覚めさせる為のテクニック、
いかがだったでしょうか。
なんだかぼーっとしがちな時は、
運動してみたり、
相手にこちらから笑いかけてみたり、
もう一歩踏み込んだ質問を投げかけてみたりすると、
いつもと違った、
頭の冴え方を体験できかも知れません。
自分に対して、
幸せになっても良いよ。と、
優しくアプローチするために、
積極的に行動する。
その具体的な指針の様なものを
示してくれた本書。
実践がことさらに難しいこともなく、
毎日の生活に取り入れられそうなことも
とても多いです。
大樋町
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
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