ビフォー:意志力はそもそも減らない?
今回は、第5回からの引き続きで
鈴木祐著 ヤバい集中力
の書評をお送りします。
意志力がないとは、
脳の意志力パワーが空っぽになったのではなく、
獣(本能)のタスクの優先順位が変わった
状態であると著者は言います。
※ 獣(本能)、調教師(理性)などの言葉の詳細は前回ブログを参照です
「何かを食べたい」
と思ったら、
テトリスをする。
との実験では、被験者の食欲は
テトリスに注意を持っていっただけで
24%も減少したそうです。
注意を何に持っていくかで
集中力はある程度あやつることができようです。
気づき:注意を引き戻す方法
ここからは、
注意を引き戻す、
分散させない、
などの方法で
静かに集中力を取り戻す方法をご紹介します。
大きなアクションは必要ないので、
面倒くさがりな方な管理人含む、取り掛かりやすいメソッド達です。
デタッチドマインドフルネス
今、目の前で起こっていることに「全集中」するマインドフルネスに対して、
デタッチドマインドフルネスは、
目の前で起きていることに対して、
「デタッチ(切り離し)」
をすることで、集中力を取り戻します。
先に述べたとおり、
集中力を欠く状態とは、
本能の注意の向きが変わってしまった
状態です。
そこで、
感情の起伏を落ち着いて見つめ直し、獣(本能)の暴走を傍観する
という方法で集中力を取り戻します。
「電車のメタファー」という方法が、
とてもわかり易く、
取り入れやすいと感じたのでご紹介します。
自分の心は、駅のようなものだと想像します。
あなたはホームで電車を待つ人です。
電車はひっきりなしでやってきて
そして去っていきます。
衝動も同じです。
もし、仕事中にスマホが気になったら
その衝動を電車に見立てて、
ほっておけばすぐに
「電車(スマホが気になる衝動)は立ち去る」
とその衝動をあくまで客観的に
ただただ、見つめてみましょう。
テトリスを始めなくても
このデタッチの概念を理解するだけでも、
衝動は去っていくものだと実感できる様になり、
集中力を保ちやすくなります。
聖域を作る
注意が分散したら元に戻すという「前に」
そもそも、注意が分散しない環境を整えましょう。
どんなに禅に慣れている僧でも
禅をする時は、禅堂で行うもの。
私達が集中力を発揮するのに、
場所を選ばずにそれができるとは思わない方が良さそうです。
「たまには私室じゃなくて、陽の入るリビングで課題をしよう」や、
「時間がないから、トイレにも本を持ち込んで読み込まなきゃ」
などは、今後は止めた方が懸命。
自分の聖域を作って、その場所で集中力を管理しましょう。
聖域の作り方
やり方は簡単です。
集中力を発揮しての作業は
「ここでしかやらない」
という
専用のスペース
を用意しましょう。
部屋まるごとを作業部屋にする
のも有効ですが、
「スペース」で区切って
空間の一部を聖域化するのでも充分です。
逆に、
ベッドは寝るために集中するべき場所、
トイレは用を足すのに集中する場所です。
聖域で取り組むと決めたはずの
集中すべき作業
をベッドの上や、トイレですることは避けましょう。
ベッドの上は、作業をする場所
と獣が間違って認識してしまうと、
睡眠不足を招いてしまうという等の弊害も出てきます。
スマホを管理する
集中を分散させない為に、
スマートフォンを管理することは必須となります。
なぜなら、SNSなどのスマホの通知だけで
集中力が切れるまでの時間は
たったの2,8秒
その時点で、脳の認知機能は急下降し、作業効率は
なんと半分
にまで下がってしまいます。
このデジタル環境のダメージを軽減する方法も紹介されているので
すぐできるものを紹介します。
これも簡単です。
スマホの魅力を下げるために
画面の表示を「白黒」にする。
というものです。
モノクロのゲームやインスタグラム
想像しただけでも、
その魅力は半減です。
アフター:実は減らない意志力
「意志力を少しでも減らすのが嫌で、
毎朝、服を選ぶ作業を止めて、
毎日、同じ服装をしていた
スティーブ・ジョブズ」
誰しも聞いたことがある
この逸話が好きでした。
今回、意志力は減らない説があると知り、
ウィルパワー信者だった管理人には
衝撃な内容でした。
今後は、注意力散漫だったからこそ
生き残れた獣の「本能」を手懐けるために、
静かな集中力を使って
獣の注意を「引き戻す」ことをやってみましょう。
今日の書籍
【名 称】 ヤバい集中力 AWESOME FOCUS
【著 者】 鈴木 祐 YU SUZUKI
【価 格】 定価 本体1400 +税
【発行発売】 SBクリエイティブ株式会社
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