第142回【書評】スイッチ!から学ぶ【自分を変える至高の技を伝授】

読んだ本

はじめに:

自分を変えるためには
どんな考え方が必要か?
去年の今頃と、
あまり変化が見られなかった私にとって、
「変わる」ということを
抜本的に見直す必要がありました。

人間とは感情の生き物で
少しも合理的ではなく、
今すぐダイエットや英語の勉強を
始めた方がいいのにできない。

ただ「変わりたい」と思うだけでなく、
「変わり方」を学ぶべきであり、
それを教えてくれるのが本書です。

理性、感情、環境
の3つの要素を満たせば、
人は変わり始める。

この3つの要素の特徴を把握して
順序よく再設定すると、
ヒト1人の力で、
会社全体の考え方を変えたり、
学生一人の考え方で絶滅危惧種を救ったり
できてしまいます。
国の考え方を変えるのですから
とても大きな変化と言えます。

人間の特性を知った上での
変化の方法
学んだことをアウトプットします。

学んだこと:

象と象使いと道筋

分析が好きで、
長期的な計画を立てたりするのが得意だけど、
パワー不足な「理性」。

反対に、
大きなパワーを持つ代わり、
コントロールが難しい「感情」。

そして、
理性と感情が歩くべき道筋
を示す「環境」。

変化を導くなら、
この理性と感情、環境に
働きかける必要があります。

本書では、
わかりやすく区別するため、
理性を「象使い」
感情を「象」
そして環境を「道筋」
と呼んで説明されています。

理性を味方につける

自分を変えるために、
象使いをどの様に導くか?

象使い(理性)は分析屋で、
長期的な目標を達成したい時などには
必須のチカラです。
しかし、
「それをした方が絶対に得策なのに
手を付けられない。」
この現象がなぜ発生するのか?

理性は分析が大好きなので
「考え過ぎる」きらいがあります。
考えに考えたすえに「やらない」のが理性なのです。
その上、人間は変化をも嫌います。
築き上げた環境を守るため、
動こうと思っても考えすぎてしまうため、
人は変われないのです。

それをどう解決するか?
ダイエットや英語の勉強に
手をつける為にはどうすればいいのか?
本ブログでは、
本書が紹介するテクニックの内
○ブライトスポット
を取り扱ってみます。

「プライトスポット」。
直訳すると「明るい箇所」。
要するに、
過去に自分でやってみてうまくいった方法
うまく行っている人に注目しよう。
というものです。

これは人間の心理をついた画期的な方法です。
なぜなら、人とは「うまくいかない事」に注目し、
それを大きく捉えてしまいがちだからです。

ブライトスポットのポイントは、
原因ではなく、
「上手く行ったこと」に注目することで、
分析屋でグズグズ気味な象使いに
「目的地」を与えることができます。
変わるための「とっかかり」を見つけるのです。

例を1つ取り挙げます
なんの知識も技術もなく、
ましてや巨大な権限があるわけでもない人間が、
アフリカの街1つの栄養状況を改善した。
という話があります。

アメリカから派遣されたその人は、
アフリカの子供の栄養を改善するよう指示された時、
アフリカについての知識も
何も持っていなかったといいます。

そんな状況からどうやって
貧困層の子供栄養を改善したのか?
もしそれを原因からさぐっていたのでは、
とてもではありませんが、
街1つの栄養状況を改善できたとは思えません。
社会問題、経済問題など壮大な課題が
行く手を阻んだことでしょう。

彼が実施したのは、
ブライトスポットを見つけることでした。
要するに、
同じ貧困層でも、健康に問題のない子供を見つけ、
その子供がどうやって栄養にありついているか?
を調べ、その方法を普及させたのです。

答えは簡単でした。
子供が健康な母親は、
芋のつるや葉を捨てずに
ご飯と混ぜて食べさせていたのです。

答えが分かればそれを普及させるだけ。
芋のつるや葉をどう調理しているかを
実践している母親から、
栄養不足の子の母親へ直接レクチャーする。
という方法を用いて普及に努めました。

ブライトスポットが明らかなので、
母親は良く話を聞き、実践も容易であったので
「芋の葉ごはん解決法」は
あっという間に普及しました。

なにか問題を解決したい時、
原因を探るのも手ではありますが、
もしその原因が
克服できないほど大きなものだとしたら、
人生を変えたくても、
そこで解決策は途絶えてしまいます。
そんな時はぜひ、
上手く行った方法を試す。
うまくやっている人から方法を聞く。
など、プライトスポットに焦点を当ててみてほしいです。

感情を味方につける

もっとも大きな力を持ち、
もっとも手に負えない力を持つ「象(感情)」
この象を味方に付けられれば、
人生を変えることも容易です。

そのためには「アイデンティティ」を培う
という方法が効果的です。

アイデンティティは協力で、
一度社会に根づけば、
会社を経営なんから救ったり、
絶滅危惧種の生物を守ることすら
できてしまいます。

ここでも本書の例を1つ紹介します。
日本が誇る「トヨタ」のマネをして
功を奏したブラジルの企業があります。

スチール缶を作る会社「ブラジラータ」
従業員のアイデンティティを育むことで
飽和状態で成長の余地がない。
と言われるスチール缶業界の革命児となりました。

方法はここでも至ってシンプルです。
ブラジラータは、
従業員を発明家(インベンター)と呼び、
「会社の従業員」ではなく、
「アイデアの発案者」として扱ったのです。

この方法自体は日本のトヨタ社で発案されたもので、
ブラジラータはそれを真似しました。

従業員のインベンターとしての
アイデンティティを育み、
感情を動かしたことにより、
ブラジラータは、
年間13万4000件のアイデア
を手に入れることになりました。
個人換算すると、実に、
一人当たり年間145、2個のアイデア
考えだした計算になります。
これは画期的な数字で、
発案元の日本と同等の数字だといいます。

ただ上司から「アイデアを出せ」と
命令・指示されても、きっと
従業員はそこまでの数をこなせないでしょう。
それを成し得たのは、
感情の力が後押ししてくれたから。

もし今、読者様が、
何か変化を求めているのなら、
まずはアイデンティティを育むことから始めてみる
これが効果的でしょう。

環境を味方につける

「根本的帰属の誤り」という言葉があります。
会社で何か大きな失敗が起こった時、
人はそれを「誰かのせい」にしようとします。

人の脳は面倒くさがり屋なので、
問題の原因についても、
一番効率の良い、
「面倒くさくない」方法で解決しようとします。

その実、
原因は人には無く、
「環境」のせいであることが多いのです。

例えば、
車の運転中、
急な割り込みをしてきた車に
罵倒を浴びせた(心のなかで笑)経験は
誰にでもあると思います。
しかし、自分の人生を振り返ってみると、
無茶な運転をした時だってあったはずです。
その時、「相手に嫌な思いをさせてやろう」
という意図は全くなかったはずです。
デートの約束に20分遅れていたのであって、
無謀運転をするのが本性ではないはず。
この場合、
割り込み運転をさせたのは
その者の性格ではなく、
環境のせいだったのです。

これの逆を取っていく。
環境を味方につければ、
人の性格すら凌駕できてしまう。
という理屈もなりたつわけです。

人間性を変えるのは至難の技ですが、
環境を変えるのは比較的簡単です。
とある会社で
タイムシートをオンラインに変更した時、
上司がどんなに強く指示しても、
普及率は50%だったと言います。
従業員は従来の慣れ親しんだ
紙のタイムシートを好みました。
理由は、
紙でスタンプしていった方が圧倒的に容易で、
オンラインのフォーマットは、
辟易するくらい記入が面倒くさかったから。
です。

上司が従業員の苦労する姿を目の当たりにし、
フォーマットをシンプルで
簡単に入力できるシートに仕様変更すると、
あっという間に
オンラインタイムカードの普及率は
100%になりました。

もし、
上司がオンラインタイムシートを使わない理由を、
・従業員は頑固者だから。
・技術革新を受け入れられない奴らだ。
と帰属を誤っていたなら、
100%の普及率は確保できなかったと思われます。
理由は「環境」にあったのです。

ちょっとした環境の変化で、
驚くべき変化を起こすことができます。
そして何よりほぼ「無料」ですから、
何かを変えたい場合は、
環境を変えてみることから始めるのも
有効な一手です。

おわりに:

変化は変化を呼ぶ。
一歩を踏み出せば、
変化は雪玉(スノーボール)の様に
大きくなるとも言われいます。

人生を変えたい。
ひょっとしたら、
誰しもが心のどこかで
願っていることかもしれません。

何かしなければ、
でもどうすればいいのか?

このスイッチという本には、
変わるためのヒントが満載です。
実践すれば確かな効果があるものばかり。

なにより、
なんの道標もなかった「変わる」という
大変さ作業をより具体的に、
より効果的に教えてくれます。

今年こそと思う方は、
ぜひ、本ブログを参考に、
また本書を参考にしてみてほしいです。

今回ブログで紹介した方法は、
あくまで私が気に入った者たちです。
さらなる興味を惹かれた方は本書をどうぞ!

大樋町

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大樋町

初めまして。
大樋町と申します。
「おおひまち」と読みます。
北陸地方住む、アラフォーの読書愛好家です。
日頃は通訳などを生業としております。
良い本は心の友。
私の友人たち(愛読書)から学んだことをアウトプットする場としてブログを書いております。
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