第266回:60歳からの経済学📊|マスコミに惑わされない「お金の真実」入門書を読んでみた

読んだ本

──円安、国債、消費税…「なんとなく不安」を「なるほど!」に変える一冊


はじめに:経済学は、怖くない!🧠

「経済学」と聞くと、「難しい」「数字ばかり」「自分には関係ない」と感じる方も多いのではないでしょうか?
特に60代からの学び直しには、「今さら勉強なんて…」と抵抗を感じることもあるかもしれません。

でも、本書『60歳からの知っておくべき経済学』は、そんな不安を優しく払ってくれる“入門書の決定版”とも言える内容です。

💬 難しい専門用語はできる限り使わず、
💬 実生活に即した話題が中心で、
💬 読むことでニュースや政治の見方が変わる!

そんな“人生後半の羅針盤”ともなるような一冊でした。


💴円安は悪いこと?本当の理由を知ろう

「円安が進む=日本の危機」ではない!📉

ニュースで「1ドル=150円」などの円安報道を見ると、「日本の国力が落ちている」と不安に感じるかもしれません。
でも、経済学の視点から見ると、このような報道には誤解も多く含まれています。


🧮円安の本当の決まり方とは?

為替レートは基本的に「マネタリーベース(お金の供給量)」によって決まります。

例えば…

🇺🇸 アメリカのマネタリーベース:1兆ドル
🇯🇵 日本のマネタリーベース:100兆円
➡ このとき、理論的には「1ドル=100円」が為替のバランスとなります。

マネタリーベースとは、

  • 市中に出回る紙幣や硬貨

  • 銀行が中央銀行に預けているお金(当座預金)
    などの総額のことです。

つまり、為替は客観的な数字によって決まり、「感覚的な国力」では決まりません。


🗞マスコミの「国力低下説」は主観的すぎる

「国力の低下によって円安が進む」という主張は、数字に裏打ちされた話ではなく、曖昧な印象論に過ぎません。

事実、日本の高度成長期は「円安」が後押ししていました。
つまり「円安=悪」と決めつけるのは、経済の実態を見誤る危険があるのです。


👶少子化とGDP|「日本の未来は真っ暗」は思い込み?

少子化が進めばGDPが下がる?📉

「少子化により労働力が減る → GDPが減少する → 日本は終わる」
こうした論調もよく聞きますが、実はこれも誤解です。


✅GDPの仕組みを知れば、不安は減る!

GDP(国内総生産)は、

GDP=一人あたりの所得 × 人口数

つまり、人口が減っても「一人あたりの所得」が上がればGDPは維持できるのです。

高橋洋一氏の試算では、人口が将来8700万人まで減ったとしても、GDPの影響はたったの「0.7%」。
少子化が即・経済崩壊につながるという説は、正確ではありません。


むしろ、人口減少がチャンスになる可能性も?✨

一人あたりのGDPで見ると、人口が減った方が“効率の良い国”になるという見方もあります。
教育・医療・住宅などにかかる負担も減り、より豊かな社会がつくれるかもしれません。


💸国債と「日本の借金」|実は恐れる必要はない?

「日本の借金は1000兆円」報道の裏側💣

「日本は破綻寸前!」といった過激な表現を耳にすることがありますが、その多くは“財政の見方”を間違えています。


✅国債は“政府の中”で完結している

日本政府と日本銀行(日銀)は、実は“親子関係”にあります。

  • 政府は日銀に55%出資しており、

  • 日銀の役員を任命でき、

  • 実質的にコントロール下にある。

この2つを合わせた「統合政府」として財政を見ると、国債の発行と最終的な保有は、政府内で行われているため「借金」というより“資金のやりくり”なのです。


📊ローンと同じで「仕組み」があるから回っている

国債は、金融市場では“通貨のように”使われています。
もし国債がなくなれば、企業の資金繰りや金融商品の流通に支障が出るでしょう。

個人に例えれば、「ローンが全てなくなれば安心」と思うかもしれませんが、そうすると家も車も買えない。経済活動が止まってしまうのです。


🚫消費税の増税は「百害あって一利なし」

著者は明確に「今の増税はナンセンス」と断言

特に「消費税」は、経済学的に見てもタイミングが非常に重要です。


📈フィリップス曲線から見ると?

「インフレ率が上がると、失業率は下がる」
これがフィリップス曲線の基本的な考え方です。

インフレが進むと企業の売上が伸び、給料が上がり、消費が活性化します。
一方で、消費税増税はこれと逆の動き。購買意欲を下げ、景気を冷やし、結果的に失業者を増やすという“逆スパイラル”を引き起こしてしまうのです。


🏢財務省の「裏の目的」も…?

さらに高橋氏は、財務省が消費税増税を推す背景には「天下り先の確保」という思惑があるとも指摘します。

税収が増えれば、財務省がコントロールできる予算も増えます。
すると、自分たちが出向できる団体や企業が潤い、「良い思い」ができる…という構造です。

このような“利権と政策の癒着”にも目を向ける必要があるかもしれません。


🌍なぜヨーロッパの消費税は高いのか?

よく「フランスは消費税20%!日本も見習うべき」なんて話を聞きますが、単純に数字だけで比較するのは間違いです。


✅ヨーロッパと日本は「地理」が違う!

ヨーロッパは国と国が近く、税金が高ければ「別の国に移住する」という選択肢があります。
だから、直接税(所得税)を高く設定できない。代わりに、逃げられない「消費税(間接税)」に頼るしかないのです。

日本は島国。簡単に国外へは移住できません。だからこそ、直接税が安定して機能する。
地政学の違いを無視して、税率だけ比べるのはナンセンスなのです。


✨おわりに|経済を知れば、見える世界が変わる

本書を通じて、私が感じたことはただひとつ。

🎯「知らないから、必要以上に不安になっていたんだ」

円安、少子化、国債、消費税…。
ニュースやSNSで流れる情報に「なんとなく怖い」と思っていたけれど、正しく学ぶことで、それが“杞憂”に過ぎないことがよくわかりました。

60代向けとされていますが、むしろ“60代になる前”に読むからこそ、意味がある一冊です。


📚学び直しはいつからでも遅くない。正しい知識を持てば、人生はもっと明るくなる。

👉ぜひこの一冊を、あなたの「不安に振り回されない人生」のスタートにしてみてください。


👤執筆者:大樋町

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大樋町

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大樋町と申します。
「おおひまち」と読みます。
北陸地方住む、アラフォーの読書愛好家です。
日頃は通訳などを生業としております。
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