はじめに:
著者は、
2024年1月1日にご逝去されました、
山崎元氏。
経済評論家で、
様々な企業でコンサルタントとして
資産運用分野を手掛ける他、
経済解説や評論、
執筆活動などにも力を入れてきた、
ズバリを語る姿勢が私も大好きでした。
病気が再発する中、
息子への手紙と題し、
本人自身は
明るい人生マニュアルになる様にを
コンセプトに書かれた本書は、
著者の魂のこもった言葉たち、
まさに命をかけた内容が綴られています。
著者の職業柄、
働き方や資産の運用については
手を抜く事なく教示してあると共に、
であるがしかし、
『お金は手段であって、目的では無い』
ともはっきり示しています。
息子に向けた最後の授業。
心に刺さる言葉は
必然と多くなるのは当たり前だと思います。
中でも特に感銘を受け、
学びの多かった箇所をアウトプットします。
学んだこと:
取れるリスクは取り、リターンを享受せよ
スティーブ•バルマー
と言う名をご存知でしょうか?
2023年の資産の長者番付は
イーロンマスクや、
ウォーレンバフェットなどの
名だたる成功者と共に『第10位』
にランキングされています。
彼の職業は、
起業家でも投資家でも無く、
サラリーマン
です。
世界で1番成功したサラリーマン
と著者も謳っています。
彼は何を味方につけたのか?
ビルゲイツの友人で、
会社を受け継いだというのは、
成功の本の一部だと著者は言います。
バルマーの成功の裏には
株式を味方につけた事
が切り離せません。
バルマーがMicrosoftを運営していた時、
会社は低迷しました。
しかしながら、その間に、
バルマーは、
ストックオプションなり、
会社の制度なりで、
Microsoftの株式を取得したのです。
バルマーの次の社長が
Microsoftを持ち直させ、
会社の再成長による、
株式時価総額の差により、
彼は長者番付に躍り出たのです。
Microsoftの株を持っていたバルマーは
株式により長者番付に乗ったわけですが、
ここから何を学んだかと言えば、
株式にはそれほどまでの力がある
と言う事。
著者は、
日本の経済、ひいては日本社会では、
リスクを取る覚悟がある者が、
リスクを犯さず安定を求めた者から
利益を搾取する様にできている
と説明してしています。
ある程度のリスクは、
その他大勢に埋もれ、
会社からのリストラに怯え、
搾取されるだけの人生から脱却するために、
取る必要があります。
世の経済は、
リスクを取らない人間から
リスクを取った人間が利益を搾取する
ようにできている。
一見、耳に痛い言葉ですが、
これが現実なのでしょう。
取れるリスクを恐れていては
その他大勢に埋もれてしまいます。
お金はおおらかに使おう
必要なだけのお金を稼いだら、
もちろん「使う」事にも
目を向けるべきです。
著者はここに
おおらかに
という言葉を使っています。
そして具体的な使途は、
自己投資
だと述べています。
自己投資としてお金を使うその順番は
1 知識
2 スキル
3 経験
4 人間関係
5 時間
自己投資と聞くと、
社会人大学院や日本のMBA
を思い浮かべる方も多いですが、
著者はこれにも疑問を感じている
との事。
これらは誰でも知り得る知識が多く、
今の仕事に不満を抱えているから
勉強に来ている。
と勘違いされがちだし、
あながち間違っていない。
周りが良いなと思われていることが
良い結果に繋がる分けではなさそうです。
おおらかにと言っても
ブランド品などに代表される
ただただ欲しいだけの物に執着すると
お金はあっという間に
なくなってしまうでしょう。
お金は
それがないと選択肢が狭まる制限
となってしまってつまらないが、
お金そのものを目的として、
人生を懸けるような物でもない。
との著者の弁に、
管理人も大いに賛成です。
また、
自分の時給に着目するのも
良い刺激になるとのこと。
年間250日、
一日8時間の勤務時間
で計算すると、
年収が一千万なら
「時給は5,000円」です。
年収が半分の五百万円なら
「時給は2,500円」、
年収が倍の二千万円なら
「時給は10,000円」です。
学生の頃のアルバイトの時給
などと比較して、
具体的な金額で成長を
目の当たりにすることができます。
学生の頃は私は時給800円でした。
加えて、
意外にも年収が一千万あったとして、
「時給換算すると五千円程度か」
と、金額がそこまで大きくないので、
なんだか安心してしまったのは
私だけでしょうか。
幸福は「人から承認さている感覚」による
著者の山崎元さんは、
幸福論についても、
独自の解説を息子さんに残しています。
著者にとっての幸福とは、
承認されているという感覚
であると述べられています。
そもそも自己価値観とは、
その99%が他人が作ったもの
の上になりたっています。
著者は、
人間は自分の価値観を
自分で作り出せるほど高性能ではない。
とも言い切っており、
価値観を始め、
芸術や思想といったものには
少なからず他人の視点が
盛り込まれています。
友人からの高い賞賛は
高い幸福感をもたらしてくれるが
強すぎる効果もあるから気をつける
というのも注意点です。
よって、著者が言うように、
「自分の嬉しいことを言語化しておく」
ことは幸福に繋がると私も思います。
著者は自己の幸福を、
人から承認されていること
と表しましたが、
その前提として、
幸福とは、
今までの通算や合計で量ものではない
とも述べています。
自分の人生を評価して、
通算成績を見て幸福を感じるより
今、目の前で起こっていることに
幸福を感じてほしい。
という思いもあるのでしょう。
幸福「だった」と言う
振り返り方には、確かに
前向きさが欠けているようです。
他人の価値観に振り回せれず、
上機嫌で、
日々折々の幸福を感じるように
毎日を過ごす。
シンプルだけに、
心に響く言葉たちです。
おわりに:
著者は経済評論家だったからか、
本書では
投資やお金の稼ぎ方や仕事のついて
が真っ先にアドバイスされています。
仕事との付き合い方は
その人の人生を左右し、
その人のアイデンティティとなり得るのだ
と管理人も思います。
飢えた者に魚を与えれるば
その時だけは飢えをしのげる。
魚の釣り方を教えれば、
その者は一生飢えをしのげるだろう。
と言う言葉にある通り、
文章は優しくもあり、
示した方法論を「自分で試すこと」
と釘を刺してあるあたりは
さすが父親の意見だな。
と感銘を受けました。
息子を思う父親の労りと厳しさ。
そして偉大さ。
を学ぶことができました。
大樋町
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
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