第99回【書評】自分自身にやさしくすれば悩みの出口が見えてくるから学ぶ【ACTで現実からの一撃に備える】

読んだ本

結論:

心の健康を維持回復してくれる
ACTを学んで実践してみよう。
非情なる現実を受け入れて、
暴走する感情を手放せる手助けをしてくれるよ。
というお話し。

はじめに:

突然の家族の事故や他界、
自分の身に降りかかった難病、
失った恋人。

現実からの一撃は、
常に非情であり、
いつ何時起こるか分かりません。

本書では、
既に現実からの一撃を身に受けた
深く傷つい人達がたくさん登場し、
それを克服する姿が綴られています。

著者のラス•ハリスは心理学者であり、
精神科医でもあります。
ACT(アクセプタンス コミットメント セラフィー)
を駆使して、何とか患者を救っていきます。

実際の医療現場で使われ、
確かな実績のあるACT。
心の健康を維持、回復するテクニックと呼ばれ、確かな実践もあるとか。

私が取り入れたACTをより分かりやすく、
アウトプットします!

学んだ事:

ACE

悲嘆や後悔、罪悪感など、
心が感情の嵐に支配されてしまいそうな時、
とても役に立つテクニックがあります。
本書で
「錨を降ろす方法」
と紹介されているものです。

港に大きな嵐が来れば
浮かぶ船は錨を下ろします。
船は嵐を遠ざけたり
消したりはできません。
かといって
じっと耐えるだけでは
嵐にのまれたり、
流されてしまうでしょう。

心や思考の嵐に巻き込まれそうに
なったら、時には船の様に
静かに錨を下ろしてみる。
そうすると、
現実の一撃に一気にのまれることは、
段々、少なくなっていいきます。

やり方の説明です。
錨のテクニックは、
別名ACEと呼ばれます。

A  Acknowledge・・・認める
C  Connect・・・つながる
E  Engage・・・集中する

の各頭文字を取ったものです。
これらを上から順に
やっていきます。

1 感情を認め、承認する
まずは、
現実からの一撃に対して、
自分はそれにちゃんと『気づく』
必要があります。
というより、
自分の心に対して、
自分はちゃんと気づいているよ。
と教えてあげるイメージです。

突然やってくる悲しみの感情など。
それらに支配されそうになったら、
「私は今、悲しい感情に気づいている」
「私は今、悲しみを認めます」
など、その感情にまずは気づいて
その感情が心に居ることを
認めてあげましょう。

ACTでは、
マイナスの感情を
無理に追い払ったり、
無理にポジティブに考えるのではなく、
あくまで「共存」することを
目指します。

悲しみや怒りが心の中に生まれた時、
体はどう反応するか?
好奇心の目で感情を見てみましょう。

2 行動に着目する
感情に気づいて承認してあげた後は、
身体に意識を向けて繋がってみましょう。

過去や未来は変えられません。
座禅の達人でも、
心や思考のコントールは
完全には出来ないと言います。
変えられるのは「今」。
もっというなら、
変えられるのは
「今の行動」のみです。

自分の指を握ってみたり、
背筋を伸ばしてみる、
深く呼吸をしてみる。
どんな行動でも良く、
自分の好きな行動と
繋がってみてください。

もし身体が思い通り動くことに
着目できたなら、
感情から一歩下がって、
感情や思考を客観的に見ることができています。

3 現在に集中する
自分で行動のコントロールを
取り戻したら、
次は意識をコントロールしてみます。

    • 自分の周りにある物を3つ数えてみる。
    • 聞こえてくる音2つに注意を向けてみる。
    • どんな匂いがするかに注意を向けてみる。

など、
今と繋がる事柄に集中してみましょう。

ここまでくると、
現実の一撃に
意識を持っていかれてた思考が
大分、戻ってきていると思います。

その上で、最終的に
思考に囚われずに、
自分は何をしていたかを
思い出してみましょう。

ACEのやり方は以上です。
時間をかけてやってみてもいいし、
5分位の短時間でも良いそうです。

いきなり問題が解決する様な
ドラマチックな結果を感じられなくても、
大丈夫です。
徐々に上達してばよいと
ラスハリス先生もおっしゃっています。

日々の習慣に
落とし込んでまずは実践してみましょう。

価値と目標の違いを理解しよう

価値と目標の違いに着目してみると
毎日の生き方に
ちょっとしたヒントを得ることができます。

私の体感ではありますが、
自分の大事にする価値に気づいて、
価値を念頭に置いて
目標達成を目指すことは、
なんとも心地いいものでした。

価値と目標の違い知る上では、
目標を先に考えてみると、
理解しやすかったです。

目標とは、
自分がやりたいことや
得たいもののことです。
ToDoリストに
「目標達成!」と
書き込みができる物事を指します。

それに対し、
価値とは、
常にこちらから外に向かって発したい
概念達を指します。

少しわかりにくですね。汗。

例え目標が達成できなかったとしても
あなたが望む「ふるまい」とは
どんなものか?ということです。

お金持ちになりたい。
が目標です。
お金持ちになる上で
人を蹴落とすのか?
協力して達成するのか?
ここで大事なのが「価値」。
実力を行使すること
価値を見出すのか、
協調性に価値を見出すのか?
人により答えは違えど、
それを明確に意識すること
私たちを少し生きやすくしてくれます。

目標達成は時間がかかるものですが、
価値は今すぐにでも
発揮することが可能です。

それにはまず
自分の大事にする価値
に気づくことです。

私の価値は感謝の気持ちを忘れない事。
私は常に何事にも
『感謝』を持って接するように心掛けています。

仕事で一等賞を取っても、
仲間を蹴落として得た一等賞には、
全く魅力は感じません。
一等賞を自慢できる友人くらいは
欲しいもの。

価値をはっきりさせると、
どんな事にも発揮できるので、
なんと言うか、
心の拠り所が見つかり、
必ずしも成功という結果が
伴わなくても、
余裕が生まれた様に思います。

目標は遠くても、
それを目指す上でも価値は
もっと近いところにあります。
さしずめ共に歩む『相棒』
の様な存在です。

『自分はどんなふるまいで目標を
達成したいのか?』
価値と目標の違いに
一目置いてみるのも面白いです。

許し

何十年も前のことなのに、
今思い出しても
怒りが込み上げてきたり、
その怒りが原因で自分を非難してしまう。
こんな経験はありませんか?

現実からの一撃は
多くの場合、
怒りと共にやってきます。

そこで必要なのは、
「許し」である。
と著者は述べています。

ACTの「許し」は、
私たちが知っているものと
少し違いました。

ACTにおける許しとは、
時間と共に忘れることではなく、
受け入れることでもなく、
他人に許しを伝える具体的行動でもない。
では何か?

答えは、
「許し forgive」の語源
にありました。

許しとは二つの言葉からできています。
give・・・与える
before・・・以前の自分
が合わさって
forgive・・・許し
を形作ります。

怒りのなかった以前の自分を
自分に与えてあげる。
そしてそれは
100%自分に対して行う行為
でなければなりません。

許しや反省は弱さではなく強さです。

自分の怒りや自己批判に
向き合う必要があるからです。

過去の怒りを思い出し、
感情の嵐に巻き込まれそうになったら、
錨を下ろす方法(ACE)が役に立ちます。

また本書では、
自分の感情に名前を付けるメソッド
紹介されています。
私も試してみて効果の高さを
実感しているテクニックです。

恨みや怒りが込み上げたら、
その感情や思考に名前を付けてみましょう。
題名は
「短気な私」
「激怒ストーリー」
「自己批判好きな私」
などなんでも良いとされています。
大事なのは、
生まれた感情に命名することで
暴れる感情を客観的に見ることです。
怒りに名前を助けて、冷静に観ている
もう1人の自分に気づくことが肝要。

ACE、名付けのメソッドなどを
上手く利用して、
自分に対する「許し」を
試してみてください。

著者は、
許しは決して遅いということはない。
とも述べています。
他人には理解できない怒りも、
自分でなら許す事ができます。
自分への許しは弱さじゃなく強さ。
うまく取り入れていきたいものです。

おわりに:

ACTは
ポジティブシンキングを無理強いすること
とは違います。
あくまで自分の思考との共存を目指します。

今日、私の中で生まれた
ネガティブな感情達もまた、
私を救うために生まれてきたものです。
それを無理に排除しようとすることは
自分への助け舟を遠ざける行為です。

ネガティブ感情との共存と受け入れ。
ネガティブ感情が何を伝えようとしてくれていふのか?
それに気づく為にも、
認知行動療法の現場で
実際に使われるACT。
うまく取り入れて、
今後の生きる上での武器に
繋げたいものです。

大樋町

大樋町

初めまして。
大樋町と申します。
「おおひまち」と読みます。
北陸地方住む、アラフォーの読書愛好家です。
日頃は通訳などを生業としております。
良い本は心の友。
私の友人たち(愛読書)から学んだことをアウトプットする場としてブログを書いております。
毎週、月曜日にブログを更新中。(少ないw)
ありがたい事に、
読者様が増えてきたから身を引き締めねばw
目指せ実用書知識のウィキペディア!(暴言)

大樋町をフォローする
読んだ本
シェアする
大樋町をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました