第147回【書評】ロングゲームから学ぶ【ロングスパンで考えるということ】

読んだ本

はじめに:

仕事や私事を問わず、
長期的な目線で考えることは大事なことだ。

実に90%以上の人が、
これを理解しているといいます。

しかしその実、
目先の仕事に流され、
短期的な物事の処理に追われ、
眼の前の仕事を終わらせるのに必死。
また、
短絡的に成果を求めてしまう。
すぐ成果がでないことに焦りを感じる。
と、これが現実ではないでしょうか。

そこにきて、改めて、
長期的なプランの重要性の再確認と、
どうやればいいのか?
を教えてくれるのが本書です。

ウォールストレートジャーナルでは
ベストセラーの本「ロングゲーム」。
本書から学んだことをアウトプットします。

学んだこと:

20%ルール

ポートフォリオという言葉があります。
資産運用分野で良く聞かれます。

投資先を1つに絞り、
そこ全財産を全振りしてしまうと
その投資先が倒産してしまった場合、
全資産を失うというリスクがあるのは当たり前です。
そこでリスクを分散させるため、
幅広くジャンルを超えて投資する。
これがポートフォリオ戦略です。

自分のやりたい事や目標、
新しいジャンルに挑戦する時、
時間がない事を理由に、
諦めてしまう人があまりに多いと言います。

ここでポートフォリの概念を利用します。
今までの仕事に労力を全振りせずに、
分散して進めていくのです。

ナイキ、エアビー、グーグルの創設者、
彼らもかつては同じ手法を使っていました。

ナイキの創設者は、元は会計士でした。
休みの日に自分の作ったスニーカーを
車の荷台に積み込んで、
地元のスポーツ店に売り込みをしていたそうです。
靴の事業が軌道に乗り、
会計士のお給料を超えてから、
靴事業へシフトしたといいます。

週末の休みの日を使って野望を進める。
これはここで言う
20%ルールに当てはまっています。

今の仕事をさぼるとか
そっちのけでやるのではなく、
計画的に、仕事の「幅」を効かせる。
ということです。

ロングゲームを走る上で、
新しい挑戦をするとしても、
今の生活を維持し、
安定的にお給金のもらい先を確保しつつ
挑戦を始めるのが必須です。

今ある生活をすべて投げ売って、
四面楚歌で新たな挑戦を始める人も
中にはいることでしょう。
しかし、
ロングゲームではそれはご法度。
成功率もポートフォリを持つほうが、
30%高いという研究結果もあります。

すでに何かの挑戦を始めている人も、
その挑戦に慣れてきたら、
使っている20%の時間を使って
次の挑戦に進んでみましょう!

正しい人と環境

長期的な計画に人の支えは不可欠です。
そこに足の引っ張り合いや
ストレスは持ち込みたくないものです。

ポジティブ心理学の権威、
『ショーン•エイカー』氏も自著で、
良い人間関係がもたらすものについて、
個人での成功は限定的だが、
チームで収めた成功は何倍にもなる。
と述べています。

ここで驚くのは、
良い人間、環境とは、
親密な人間関係である必要はない
という点です。

『ゆるい人間関係』であっても
自分に対して良い環境は作れるし、
自分にとってありがたいと思える情報は、
ゆるい人間関係からもたらされる。
という研究結果もあるといいます。

親密な関係だからこそ
気づける事もあるでしょうし、
心の支えが必要ない訳ではありません。

しかし、
いつも一緒にいる人は、
いつも一緒にいる訳ですから、
そこから
斬新な発想、
新しいアイディア、
知らない知識
が得にくいというのも理解できます。

だからと言って、
常に周りに『求めてばかりいる』人が、
好かれる事もまた無いと言えます。

良い人間関係を築き、
維持していくには、
こちらからの『提供』が不可欠だ。
と著者は言います。
仲間を見つけたら、
その人たちにどんな貢献ができるか?
を考えるべきであり、
そう思える人こそが
そばに置くべき人たちです。

さらに著者は、
どんなに自分にとって
有益な人間と出会っても、
最低でも1年はお願いはしない事。
と述べています。

最低でも1年間
はその人への提供を考えましょう。

さもなくば、
出会ってすぐにおねだりをする様では、
相手はきっと、
そのおねだりのために
自分に近づいたのでは?
とがっかりさせてしまいます。
その日その時は、
お願いを聞き入れても、
きっと次はないでしょう。

ロングゲームでは、
もちろん助けは多い方が成功し易いです。
そのためには、
まずは自分がどんな提供ができるかを
考えてみましょう。

戦略的忍耐

ロングゲームを走る上で何より重要なのは、
上がらない成果
にどう対処していくかです。

挑戦を始めた当初は、
ハネムーン期とでも言いましょうか、
何事も目新しい事ばかりで、
何をやっても楽しいし、刺激的です。

しかし、
時が経つにつれ、
目新しい事は、
『慣れと飽き』に変わっていきます。
さらに、
そこに全くの成果が無ければ、
人は落胆し、
その挑戦から身を引いてしまうでしょう。

ブログやYouTubeの初心者は、
コンテンツを世に送り出す時、
アンチの存在やアンチコメントを心配しがちですが、
真に心配しなければならない事は、
訪問者ゼロの現実
です。

本書の中には
『一夜にして起きた成功には
10年の月日がかかっている
との言葉が出て来ます。

筋トレにせよ、
ダイエットにせよ、
語学の勉強にせよ。
何かを始めて、
すぐに成果が出る事の方が
実は少ないのですが、
何かと成果や結果を急いでしまうのは、
誰しもが思う事です。

そこで、
ロングランにおいて、
そもそも成果とはすぐに上がらない。
と腹に落とすことからまず始めてみる事だ。
と本書では述べられています。

もし、忍耐力を発揮したいなら、
それを手伝ってくれる
3つの質問
があります。

もし成果の上がらない毎日に折れそうな時は、

『なぜ自分はそれをやりたかったのか?』
『他の人はどうやって成功したか?』
『尊敬できる人はなんと言っているか?』

この3つを見直すとよい。
と、紹介されています。
成功には運も左右することながら、
自分を奮い立たせるには、
良い方法に思えます。

成果とは最初は雨粒の様なモノだ。
とも述べられています。
一夜にして大成功!
というのは、ユメマボロシです。
成果とは、
少しづつ実感していくものだ。
と説明されています。

この3つの質問を携えて、
この先の
5年、10年のロングゲーム
に取り掛かりましょう!

おわりに:

眼の前のタスクを慌ただしくこなし、
それを繰り返すだけの毎日であるなら、
この本は良い処方薬になります。

改めて、
かつて自分が描いた長期プラン
を思い出すきっかけにもなります。

ロングゲームが大事だと分かっていたのに、
後回しにしていたのなら、
それをもう一度取り戻すチャンスを
この本は与えてくれました。

その日暮らしも
一時なら楽しめるかも知れません。
ただ、
その先にロングゲームを想定した方が、
よりよい人生を歩めそうです。そして、
その方法が一から習得できるのが本書です。

何でも短期で考えを終わらせないこと。
1年で結果を求めるなら、
ライバルに負ける可能性の方が高いです。
しかし、
その野望を
20年スパンのロングゲーム
で考えることができるなら、
もう勝利はその手にあるのかも知れません。

大樋町

管理人
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大樋町

初めまして。
大樋町と申します。
「おおひまち」と読みます。
北陸地方住む、アラフォーの読書愛好家です。
日頃は通訳などを生業としております。
良い本は心の友。
私の友人たち(愛読書)から学んだことをアウトプットする場としてブログを書いております。
毎週、月曜日にブログを更新中。(少ないw)
ありがたい事に、
読者様が増えてきたから身を引き締めねばw

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