第237回:switch切り替える力から学ぶ

読んだ本

はじめに:

世の中は変動します。
世界で起こっている事はもちろん
自分の身の回りでも、
どんどん変化は訪れます。

親しい家族との死別、
伴侶との突然の別れ、
転職、
災害、
感染病の流行、
などなど
変化にだけ目を向けると、
目が回ってしまうほど、
私たちの周りは変化し、
そしてそれに対応しなければ
自分だけは取り残され、
社会に適合できなくなってしまいます。

古い考え方を捨て、
新しいことに挑戦するのも
切り替える力
ですが、
変化に対応するのもまた
切り替える力
が必要です。

世の成功者の中には、
素早く気持ちを切り替える、
極めた趣味も多く、
個人はもとより組織であっても
素早く事業展開を切り替えらたり、
方向転換できる企業は業績も良く、
果たして業績不審に陥っても、
持ち直す力を持っているそうです。
まさに切り替える力の賜物です。

しかしながら、
一つのことを集中して行わず、
何か新しいことを始めても、
すぐに辞めてしまうのは
切り替える力とは言いません、
中途半端は切り替えとは違います。
そのバランスはどうやって取るのか。
そこにも言及しているのが本書です。

そもそも論、
切り替える力は、
物事を切り替える行為自体
を指す言葉にあらず。
ここにも注目です。

変化に富む世の中で生きるため
切り替える力の「土台」
となるのは
自分の価値観や感情
に目を向け、それに対応すること
なども含まれます。
価値観がしっかりしている人ほど
嫌になったら直ぐに逃げ出す
直ぐに諦める
などのネガティブ過ぎる行動は少ない
との調査結果があります。

私自身、
人生にはコントラストを求めないタイプ
であることをここで白状します。
昨日と同じ今日、
今日と同じ明日が私の理想です。
しかしながら、
時間はそれを許さないでしょう。
先に生まれた人は先に逝去し、
街並みは変わり、
環境は変わり、
それに伴い自分を変わる必要があります。
切り替える力は鍛える事ができます。

変わらなければならない時に
焦って変わる事を余儀なくされるより、
常に変わることを意識すれば
いつの日か本当に来る
変わらなければならない日
に備える事ができます。
常に変わることができます。

人は
コンフォートゾーン
と呼ばれる
「慣れ親しんだ場所」
から離れるのが苦手です。
それは重々わかる管理人ですから
今回の切り替える力には
相当入れ込んでおります。

変わりたくないを
変わりたいに変えてくれる
切り替える力(スイッチ)
から学んだことをアウトプットします。

学んだこと:

不安に耐性がないから変わる

不安を抱えていると
環境の変化や心境の変化に
耐えることができません。
本書の言葉を使うと
認知プロセスの偏り
が脳内で起こることにより、
必要のない不安を感じたり、
不安がいつまでも脳内を反芻(はんすう)
してしまいます。

すると、
必要以上の危険が周りにある
などと誤認識してしまい、
結果、意
識を切り替える事
ができなくなってしまいます。

そもそも、
人は同じことを繰り返す事
に安心感を覚え、
普段とは違うことに対し
少なからず不安を抱くものです。

例えば、
会社に通う道や手段を
今日は変えてみよう
と考えると、
不安になる気持ちが
心に生まれるはずです。
普段使ってる道が、
唯一の道ではないことは
自分でも分かっていて、
他の道を通ったところで
そこに危険が潜むとは限りません。
近道が見つかる可能性だってあるはずです。
そこで一歩を踏み出せるかどうか
が人生を変えるスイッチに繋がります。
上記の通り、
不安は人の足を止めてしまいますが、
もちろん対処することができます。
それには
メンタルセッティング
という言葉を知る事が有効です。

メンタルセッティングとは
人は何か行動を起こす時、頭の中で
フェーズ(場面)の様なものを
切り替えることで世の中を見てる
という概念です。

脳は、
何かが起きた後、
その事象に対し、
あぁそうなんだと
後づけで認識するのではなく、
常に脳内で予測を繰り返し、
「何が起こるか」に対し、
目の前の事実が
予測に反しているかその通りか
を思考しています。

メンタルセッティングとは、
場面に着目した概念で、
例えばお茶を飲む場合、
脳内では
カップを持ち上げる場面、
それを口に近づける場面、
液体を喉に流し込む場面、
と事象は切り替わりながら
進んでいきます。

切り替える力を鍛えるには
意図的にメンタルセッティングが
切り替わる練習をします。
例えば、
掃除や勉強、料理などのタスクを
準備します。
いつもやっているもので構いません。
そしてそれぞれに
取り掛かる時間を設定します。
それぞれの作業をやり切ってしまうより
途中で終わる様に設定してみましょう。

掃除 5分
勉強 10分
料理 15分
など、各別に作業時間を決めたら、
タイマーで時間を測りながら、
順番にこなしていきます。
タイマーが鳴ったら、
作業が途中でも切り上げて、
次の作業に移りましょう。
頭の中では、
いい所なのに!
と作業中断を避けたがると思いますが、
また後ですぐ戻って来れますので、
とりあえず作業を中断しましょう。
料理中の火の扱いには細心のご注意を。

お察しの通り、
これはメンタルセッティングを
意図的に切り替える訓練で、
継続することで、
切り替える能力が高まります。

さっさと次の作業に移れるなら
それで良いのですが、
ちょっとした「コツ」もあります。
本書の中で、逐次的に登場する
豊穣な時間
というものがあります。

思考を切り替える時は、
ほんの数分でいいので、
何もしない時間
を作ってみましょう。

焦って次に行くのではく、
作業を止めたら、
その場で数分何もしない
オフタイムを設けてみましょう。
スマホなどを触るのは厳禁です。
ゆっくりと呼吸に注目するなど
脳をフラットな状態にして
「何もしない事」をしましょう。

豊穣の時間を取ることで、
その次に取る行動の効率や
発揮する集中力も上がります。
あえて数分の時間をかける事で、
その後の行動に
良い影響を与える事ができますので、
ぜひこのメソッドも取り入れながら
切り替える力を鍛えてみましょう。

自分の土台(価値観)を見つめてみる

科学的に認められた性格診断に
ビッグファイブ
と呼ばれるものがあります。

短気と怒り、
悲しみと悲哀など
似通った言葉を統合していくと、
・協調性
・外交政策
・開放性
・誠実性
・神経症的傾向
の5つの項目で統合できます。
そしてその5項目で
性格を判断するのがビッグファイブです。

切り替える力は
開放性は関係している
とも言われていますが
私が着目したのは
心理学界において、
ビッグファイブに加えるべき
もう一つの要素だと目されている
「知的謙遜」
という項目です。

謙遜さは切り替える力と
大きく関係しています。
例えば、
大学の教授が、
自分の提唱した論理について、
それが破綻していた気づいても、
知的謙虚さがないと、
自分の古く間違った論理に
いつまでもこだわり、
間違いを正せない。
との研究結果があります。

謙虚さを併せ持つ人は、
自分の間違いを正したり、
フィードバックを素直に受け入れる
などを問題なく行えるので
一時、嫌な思いをする事があっても
長期的には
大きな成果を得ることができます。

この知的謙遜は、
切り替える力に通じ、
二つの意味で重要です。
1つは、
自分を知るために必要である事
2つ目は
物事に「柔軟」対応する事
の2点です。

他人の話をよく聞き、
それを自分の思考に反映させ
自分の成果に変えていく。
知的謙遜ができる人間は、
大器晩成型ではあるものの
最終的には成功を収める人には
欠かせないものなのです。

かつてGoogley社では、
情報処理能力が高く、
高学歴の左脳人間で、
順風満帆に成功の階段を上がってきた人
を積極的に採用している時期がありました。
しかし、
その時期の採用者は、
2年ほどは成績が良いものの、
その内、プライドなどが邪魔をして
お互いに争う様になり、
または人の話を受け入れなかったり等して
会社の成績を落としてしまったり
会社を去る羽目になったりと、
その結果にはネガティブなもの多かった
と言われています。
そこで採用されたのが
知的謙遜さで
採用される際には特に重要視されています。

では知的謙遜さはどうやって
育めば良いのでしょうか。
方法は至ってシンプルです。

それは
「真剣に他人の話を聞く」
と言う方法です。
自分が知っている事でも
真剣に話を聞きます。
そこに新しい発見があるかも知れない
という意味以上に、
相手を尊重する
と言う意味あいが強く、
相手を尊重する事を意識的に行い
それを通して自分の謙遜さを育みます。
人は他人の話を遮ります。
注意深く周りの話を聞いていると
相手の話に決着がつかないまま
次の話題を振ってみたり、
相手の質問に答えないばかりか
全く違う観点での質問で切り返す。など
人は人の話を聞くのが苦手に見えます。

そこで、
次に人と話す機会には、
意見を求められたら
ちゃんと相手の質問の意図を汲み取る。
であったり、
最後まで話を聞く
と言う事を意識して、
ぜひ知的謙遜を育んでみてください。

謙遜さは、
自分の実力のなさや
知識不足を浮き彫りにもしますが
だからこそ人は、
自分の足りないものに対し
「好奇心」を抱く事ができます。
傲慢で高飛車な人や
謙遜さのかけらも無い人に
成長は望めないのです。

自分の感情にもっと関心を持つ

自分の感情に目を向け集中し、
それら感情を抑えることは
レジリエンスや切り替える力
に繋がります。

感情を導くことで
他人の行動を変えることすらも
可能になります。

本書では、
誘拐事件における
人質を解放するFBIの交渉人が使う
交渉術
について述べられています。
交渉する際に感情の力を使い、
被疑者から人質を解放させ、
最終的には投降させます。

そこには「順序」があり、
段階的に進めていきます。
その順序とは、

1 相手の話をよく聞き
2 それに共感し
3 信頼関係を作り
4 相手に影響を及ぼし
5 それから行動を変えさせる
の5段階です。

交渉人が
他人の心をも掴む方法ですから
自分が自分に対して使う
という事もできます。

自分の心にしっかりと目をむけ
自分の心が何を言いたいかを見定める。
これは「自分の価値観」を見出すため
にも必要な事です。

そして自分に共感します。
そんなのは当たり前だと
思う方もいらっしゃると思います。
しかし、
自分に否定的な人はあまりに多く、
自分で自分を苦しめてしまう現象には
誰しも馴染みがあるのではないでしょうか。
自分の気持ちに正直に共感できるからこそ
自分の心との「信頼関係」を築けるのです。

自分の事が大嫌いでは
切り替える力は発揮できません。
自分との信頼関係を築く
という概念を一度持ってみましょう。
それはありもしない自信を持て
という意味ではなく、
例え失敗しても、
そんな時もあるさ
と自分を受け入れられる事です。

さらに、
言葉の粒度という概念
も知っておくと、
この先の切り替える時に役立ちます。

ネガティブ感情に関する言葉
にせよ
ポジティブ感情に関する言葉
にせよ、
言葉の選択肢を多く持つ人は
切り替える力が強い
と言われています。

絶妙に今の気持ちを表現できる人は
ストレスに強く且つ、
レジリエンス力にも長けています。

本書でも
「小説を読むこと」
が推奨されていますが、
言葉の選択肢を多く持つこと
を意識して、
尚且つその言葉で
感情を表現できるようになると
より一層切り替える力は
大きくなる事でしょう。

おわりに:

切り替える力は、
何か新しいことに挑戦する時にも
必要になる事ですが、
私は、
自分の落ち込んだメンタルを
復活させる時にも必要だ
という点により重大さを見出しました。

日々のメンタルを気にしながら
切り替える力を育めば、
いざ大きな変化が身に起きた時、
対処しやすくなるのは納得の説明です。

私的に本書のキーポイントは、
謙虚さや誠実性
と言い言葉にあると考えています。

謙虚さが切り替える力に繋がるとは
驚きもありますが、
確かな根拠も示されています。

切り替える力は
すぐに養えるとも思えません。
これもまた日々の習慣に取り込んでこそ
自分の人生に活かせるのでしょう。

大樋町

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大樋町

初めまして。
大樋町と申します。
「おおひまち」と読みます。
北陸地方住む、アラフォーの読書愛好家です。
日頃は通訳などを生業としております。
良い本は心の友。
私の友人たち(愛読書)から学んだことをアウトプットする場としてブログを書いております。
毎週、月曜日にブログを更新中。(少ないw)
ありがたい事に、
読者様が増えてきたから身を引き締めねばw
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