第26回【書評】報酬の予感で集中力をアップさせる‼【ヤバい集中力を読んで③】

読んだ本

ビフォー

 前回は集中力に効く食事についてでした。
 皆さんオートミールは如何だったでしょうか?
 今回は脳内作用という、より集中力に切り込んだ内容になっています。

 「勉強は5分かからず断念する管理人が、
 死ぬほどゲームに熱中できるのはなぜなのか?」

 
 謎を解くキーワードは「報酬の予感」でした。
 今回、獣(本能)と調教師(理性)はどんな動きを見せるのでしょうか?

気づき

ゲームの代表格「ギャンブル」

 ギャンブルにのめりこむ人が後を絶たないのはなぜなのでしょう。
 報酬の期待値は低く、胴元がいる以上、自分のお金を物理的に増やせないことを人はちゃんと分かっているはずです。

 人がギャンブルに惹きつけられる原因。
 華やかなネオンや、現実との隔絶を演出する窓のない屋内、テンションを上げる音楽など人を引きつける原因は数あれど、最も大きな原因は
「報酬の出し方」が上手いから
だと著者はいいます。

 スロットマシンやパチンコには、獣が大好きな、「スピード感」とこまかい「ニアミス演出」が匠に使われています。
 もうちょっとで絵柄がそろいそうだった!と思わせてモチベーションをあげる。
 これをシンプルなルールのゲームで何回もこまめに繰り返させる。
 大当たりを引いている分けではないのに、人はゲームをただただ続けしまう。
 このことから分かるのは、獣は、「報酬を望んでいるのではなく」、「報酬を得ることができるかも知れない」という予感に強く反応していることが分かります。

 報酬が大きいにこしたことはありませんが、そのことより、
  もう少しがんばれば!
  あと少しで手に入る!
という、報酬の予感に対して、獣は最大のパワーを発揮するのです。
 それを踏まえると、「報酬の予感を自己管理下に置くことができるか」引いては、
  

 役に立つ「報酬の予感」を増やす
 役に立たない「報酬の予感」を減らす

ことが、今回の最大のテーマになっています。

あなたの仕事をクソゲーにする原因2選

 逆にここを修正すれば、仕事を神ゲーにすることも!?

不毛タスク

 なんでこんな事やっているのだろう?と疑問に思いながら仕事をしていませんか?
意味のない仕事に集中できないのは当たり前ではあります。しかし、大規模サーベイにより、実際にやりがいがある仕事をしていると自覚のある人は、全労働者の31%のみと判明しています。
 もう一度、自分の仕事のやり甲斐について見直してみる必要がありそうです。

難易度エラー

 難しすぎるゲームをすぐ投げ出したくなるのは必然。突然ラスボスが出てくるRPGを誰がやりたいでしょうか?
 獣は、目の前の課題が
     

難しすぎると、報酬は得られないからやらない
簡単すぎると、いつでも手に入るからやらない

 と、判断します。
 獣は、「なんとか解けそう」というレベルの問題に取り組む時、最大の集中力を発揮することが分かっています。

報酬型プランニング

 本書には、報酬の予感が最適化されているワークシートが記載されています。
 その中でも、特に効果のあるものを紹介します。
 下記の1から5の手順でシートを埋めましょう。
 まっさらなノートやワードで始めることができます。

まずは基本設定する

1 ターゲット
  まずは集中力を続けたい作業を選びます。(例 会社の資料作成)

2 重要度チェック
  なぜその作業を達成したいのか?を考えます。不毛エラーを軽減しましょう。
  (例 社内の評価を上げる、上司に気に入ってもらう 等)

3 具象イメージング
  1で選んだ作業をより具体的にイメージします。
  「資料作成」を選んだなら、報告書を上司に渡すところまでをイメージに落としましょう。
  獣は抽象的なものを嫌います。

4 リバースプランニング
  1で選んだタスクが達成されたゴールから逆算して、サブゴールを設定してください。
  獣は明確性を好みます。手近な目標でやる気アップです。
  3~5個のサブゴールが良いでしょう。
  (例 報告書を上司に渡す→1日前に最終チェック→3日前に本文完成→5日前に解決策を考え終わる→7日前にリサーチを完了させる)

5 デイリータスク設定
  4で決めたサブゴールで一番期限が近いものを選び毎日やるべきタスクを書く。
  数分から1時間くらいで作業を終えられるタスクが理想です。
  (例 リサーチの為に、知り合いに詳しい人を探す、文献を調査する、入手した文献を読み込む)

 

5でタスクを細かくすればするほど難易度は下がり、獣は「報酬の予感」を維持しやすく、やる気をみなぎらせます。自分にとって最適な難易度まで、タスクを細かくしましょう。
 ここまでが基本設定です。

次に「実践設定」する

 次に、デイリータスクにより注目した、「実際にタスクをこなしていくため」のワークシートです。
 1 デイリータスクを選択
   デイリータスクを選びます。調教師(理性)は燃費が悪いです。欲張らずに3個から5個に絞らないと脳は処理できまないので注意です。

 2 ★障害コントラスト★
   成功率を200~320%高めてくれる必須の項目です。
   1で選んだタスクを達成する際に、どんな障害が発生するかを書き出します。
   (例 仕事で疲れてやる気がでない ついテレビを見てしまう 等)
   獣は、頭の中でタスク達成をイメージすると、現実との区別がつかず、実際のタスクがもう完了したと勘違いしてしまします(!)
   なので、予め障害を想起することで、まだタスクは完了していないぞ!と獣に言い聞かせます。「心理対比」と呼ばれるテクニックです。
   ポジティブな想像には、必ずネガティブな想像をセットにしてください。

 3 障害フィックス
   2で書き出した障害への対処法を書き出しましょう。
   (例 疲れてやる気がでない→5分だけやる ついテレビを見てしまう→コンセントを予め抜いておく 等)
   獣は細かい達成感を非常に好むため、この解決策を用意しておくことで、心理対比をブーストし、獣を導くことができます。

 4 質問型アクション
   主語を自分にして、いつ、どこで、どんな作業を、自分はするだろうか?と自分に質問してください。
   (例 私〇〇(名前)は、明日の午前9時に、自分のデスクで、資料を読み込むことができるだろうか?)
   一見、はてなマークがよぎるテクニックですが、獣は宣言より質問の方が「自分事」としてタスクを理解します。
  「資料を読み込むぞ!」と意気込むだけでは、獣はそれを他人事と勘違いしてしますのです。
   質問文に、日付と場所を入れ込むのは、獣により具体性をもたせる為です。

 5 現実イメージング
   より鮮明に、より具体的にタスクをイメージングしましょう。
   精度が高いほど、効果も高く、資料作りの例で言うなら、読み込む資料の紙の質感や、いつも聞こえてくる周囲の雑音などまでイメージすると、獣に最高の道標を提供できます。

 6 固定式ヴィジュアルリマインダー
   最後にダメ出しでリマインダーを設定してみましょう。
   獣は目の前の物に反応しやすいので、質問型アクションを目に見える場所においておきましょう。
   リマインダーの方法は何でもオーケーです。書いてもいいですし、PCの画面に表示しておくのもよいでしょう。
   更に、文字だけではなく、大好きな人やペットなどの視覚的要素もあると、獣は理解しやすく、文字だけのリマインダーより効果はアップします。

アフター

 今回、一番の衝撃的な気づきになったのは、障害コントラストです。
 ポジティブな想像には、ネガティブな想像をセットにしないと、現実でまだ達成していないことを、もう完了したと脳は勘違いしてしまうとは、実に驚きです。
 やる気を出すためには、明確性がもの言うという概念もとても参考になりました。
 獣がやる気を出すように、自分ができるちょうどよい難易度を見極めて、分かり易く、具体的にタスクを練り上げ、目標をこつこつと達成していきましょう!

今日の書籍

【名  称】 ヤバい集中力 AWESOME FOCUS
【著  者】 鈴木 祐 YU SUZUKI
【価  格】 定価 本体1400 +税
【発行発売】 SBクリエイティブ株式会社

大樋町

初めまして。
大樋町と申します。
「おおひまち」と読みます。
北陸地方住む、アラフォーの読書愛好家です。
日頃は通訳などを生業としております。
良い本は心の友。
私の友人たち(愛読書)から学んだことをアウトプットする場としてブログを書いております。
毎週、月曜日にブログを更新中。(少ないw)
ありがたい事に、
読者様が増えてきたから身を引き締めねばw

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