はじめに:
ダイエットに失敗するたび、
自分にはなんて意志力がないのだ。
と悲嘆に暮れてはいませんか?
反面、
運転免許証を持ち、
毎日運転している人なら、
それがどれだけ難しい事を
苦もなく実行しているのか
意識している人もまた
いないのではないでしょうか。
運転初心者から言わせれば、
2000kg以上もある鉄の塊を
手足のように操り、
複雑な形の車体を
駐車スペースにすっぽり収める。
こんな、とんでもない神技を、
毎日に当たり前に
実行していることになります。
初心者当時、アドレナリンと恐怖感で
頭が一杯だったことを思い出せば
理解は容易です。
ダイエットと車の運転、
全く違うことのようでその実、
「習慣」が成功を左右する。
という点で共通しています。
毎日取る習慣が
人の一日で占める割合は
43%もある言われています。
人は人生の三分の一を
睡眠に充てていると考えると、
人生において
意志力でこなす部分のは、
習慣の占める割合より
はるかに少ない。
というのが科学者の結論です。
もし、
毎日やるべきことを
取りかかろうとする時、
新年の目標を立てる時の様に、
「さぁやるぞ」と
やる気に満ち溢れないと
行動を起こせないなら、
人の生活は破綻してしまいます。
どんなに面倒くさいことでも、
それを毎日行っていると、
それをさも当たり前のように
取り組めてしまうのが
習慣のすごいところです。
台湾では「朗神(ランシェん)」と
神のように崇められるイチロー選手も
現役当時は「完璧なルーティーン」を
毎日繰り返すことで、
神技とも思える妙技を取得し、
輝かしい結果を手にしています。
習慣というスーパーパワーは
どうやれば身につけることが
できるのでしょうか。
科学は「習慣の確立方法」を
すでに発見しており、
本書はその集大成とも取れる名著で、
各界の一流たちが大絶賛の一冊です。
習慣を味方につける、
やり抜く自分に変わる超習慣力
から学んだことをアウトプットします。
学んだこと:
意志力ではだめ
何かを成し遂げようとする時、
もしくは、
それが出来なかった時、
まず頭に浮かぶのは、
意志力について
ではないでしょうか。
やる気がないから失敗した。
と捉えてしまう人は、
80%以上もいると言われています。
すなわち
何かをやり遂げる際、
必要なのは「意志力ややる気だ」
と答える人が、
世の中には80%もいるのです。
しかし残念なことに、
意志力を頼りに
物事に取り組んでも、
効果はあまり期待できません。
ダイエット中の人が、
目の前のドーナッツを我慢できる確率は
50%程度
だと言われており、
どれだけ意志力を発揮しようと思っても、
半分は失敗に終わってしまいます。
バラクオバマ元大統領や、
メタのCEOマークザッカーバーグ。
彼らはほぼ毎日同じ格好をしています。
決断を減らす習慣を身につけることで、
いざという時の
「決断力」を温存するため、
小さな選択を減らし、
国の行く末を担う選択や、
世界最大のSNS運営上の決断など、
大きな意思力が必要な時に備えていました。
それほどに、
意志力を発揮すること、
決断すること、
顕在意識で考えることなどは、
脳にとって重労働であり、
厄介なことであり、
逃げ出したくなる事なのです。
翻ると、
ここで言いたいことは、
やはり「習慣」の偉大さです。
顕在意識(意識)上では
太刀打ちできないことでも、
潜在意識(無意識)上では、
こなせてしまうことがあります。
fMRIを用いた脳内調査によると、
何かを初めて挑戦(ランニングなど)し、
それが習慣化すると、
脳内では重大な変化が起きます。
初めて何かに挑戦する場合、
顕在意識が使用されます。
「やるぞ!」との思いが
頭を巡る時、脳内では、
大脳基底核周辺が活発に動きます。
対象の行動が習慣へと移行すると、
今度は脳内で活発に動く部分は、
「中脳」へ移行します。
ほぼ自動的に行動を取っている状態です。
仕事でも日常でも、
やりたくない事や、
中々手を付けられない、
大変だと思う事は、
習慣化してしまい、
自動運転に変えてしまうと
より人生はイージーモードでしょう。
自制心と習慣
良く運動し、
健康的なものを食べ、
規則的な睡眠を取る。
良い人生を送っている人は、
自制心が高いから
それらを苦もなく実行できるのでしょうか。
本書に登場する実験を一つ紹介します。
一日に7回アラームが鳴る携帯電話を
実験参加者に配ります。
参加者はアラームが鳴ると、
その時「誘惑に抗ったか」を記録します。
二度寝したいのに起きた
おやつを我慢した
みたいテレビを消して寝た
といった具合です。
自制心の低い人は、
欲望に抗えず、
怠惰的な生活を送っていたことが
判明しました。
体重は重く、不健康でう、
家族や恋人との関係も芳しくないようです。
では、
健康的な人は
自制心をうまく発揮して
欲望に抗うことができるから
健康的なのでしょうか?
ここで興味深い結果があります。
健康的な人は、
そもそも
「欲望と抗ってすらいない」
ということも分かったのです。
高い自制心を発揮して、
欲望に勝つから
良い人生を送ることができるのではなく、
はなから抗わなければならない欲望を
感じずに済んでいたのです。
「うまくいっている人」は、
あがくのではなく、
生活の中に取り組むことで
望ましい結果を得ていました。
取り込むとはもちろん
イコール「習慣」のことです。
次章からは、
ついにどうやって習慣を構築するか。
を見てみましょう。
環境、繰り返す、報酬、とどめに一貫性で習慣付ける
環境
1950年当時、
米国での喫煙率は約80%もありました。
ほどほどの喫煙は
全く問題ないとの認識の元、
ニコチンの強いタバコを
吸っている人は強い人だ。
とポジティブなイメージすらあったといいます。
現代ではその考えは完全に覆っており、
タバコは10年寿命を短くする
とまで言われています。
世界が取り組んだ
禁煙を推奨する施策は、
国や国の中の州や郡でも
違いがあり、
習慣形成の良いモデルになる。
と著者は説明しています。
タバコが体に良くない。
との認識はすぐに国民に広がりました。
発表から約5年もすると
米国国民の70%が
体に悪影響を与えると
認識するようになりました。
しかし、
認識が高まっても、
それを行動に移すかは別問題であり、
喫煙率は以前高い数値を維持していました。
米国や欧州の啓発活動には、
テレビからタバコのCMを排除する
喫煙できる場所を減らす
タバコは売り場に陳列しない
(いちいち棚の中を指さし、
それじゃないその隣!などと
店員に指示しなければ買えない。
これは面倒くさい!)
などの方法がありました。
禁煙を推奨するため、
「国」が行動を起こしました。
結果、
今では米国の喫煙率は
15%程度、
ヨーロッパでは約28%
まで下がっています。
環境の変化は、
約50年の間に、
国全体に蔓延していた
喫煙という習慣を、
半分以上減らしました。
人は、
環境の影響力を軽視し、
自分の「内側」で
行われる意思決定を重視する。
という傾向が「強い」とされています。
心理学の世界では、
この現象に「内省錯誤」
という名前までついています。
例えば、
貯金を望む289名の学生を対象に
行われた実験があります。
これは、
決められた期間に希望金額を
貯められるかできないかを見る実験です。
実験開始前、
家計簿をつけてお金を貯めやすくするプロジェクト
が紹介されましたが、
学生は満場一致で役に立たない
と判断したそうです。
プロジェクトに不備があると
指摘したわけではなく
素晴らしいものだが、
「自分には必要ない」
との決断を下したのです。
結果、
プロジェクトに参加した学生の達成率は
68%が目標を達成したのに対し、
プロジェクトに不参加だった学生の達成率は
57%にとどまりました。
環境を軽視することなく、
習慣を作る際には
まず環境から取り組むことが肝要です。
環境でアプローチしやすいのは
「距離」である。と著者は述べています。
スポーツジムに通う人たちを
調査したところ、
自宅から6km圏内にジムが所在する場合、
その人は一ヶ月の間に
「5回」ジムに通いました。
対して、
自宅とジムの距離が8.5km離れていた場合、
その人が一ヶ月の間にジムに通う回数は
たった「1回」でした。
たった2.5kmの差だと感じますが、
どうやら潜在意識の中では、
それは明確な差であるようです。
心のどこかでは、
8.5kmは遠いと感じているので、
ジムへの足取りは遠くなってしまいました。
もし毎日の中に
本を読む時間や勉強を組み込みたいなら、
極端に思える場所まで、
本を近づけると良いでしょう。
机と本棚まで距離があるなら、
読みたい本は机の上に置いておく。
ほんの数歩、
歩くことが省かれることで、
本を手にする機会は増えることでしょう。
脳にとって、
決断をする事は重労働である。
とは前述のとおりです。
常にテーブルにスナック菓子が
置いてあるような状況では、
脳は毎日食べたいという欲求に抗い、
重労働を余儀なくされます。
その内、食べたい欲求に負けてしまます。
一度手をつけたら最後、
スナック菓子はあっという間に
全て胃の中です。
これではダイエットは成功しません。
環境を整えるのは、
脳の決断を減らす行動でもあります。
そもそも目の前に
スナック菓子が存在しないなら、
決断する「必要がない」のです。
脳の処理機能を圧迫してしまい、
目標達成には邪魔になる、
誘惑してくるものを遠ざけ、
役に立つものは
自分の近くに配置する。
環境の助けを借りて習慣を作りましょう。
繰り返しの力
人間は
いつ眠ったか?
を知覚できにように、
「習慣付いた時間」を
具体的に知覚するこは不可能ですが、
科学は、
大体これくらいの日数で
習慣化できているよね。
という基準を発見しています。
健康なものを食べる
であったり、
スポーツジムに通う
であったり、
様々な行動をとうし、
初めて行動をとって、
それが習慣化するまでに要する日数は
健康なものを食べる習慣は
約59日、
スポーツジムに通う習慣は、
約91日
で構成された。
よって、平均すると
66日、
2ヶ月と1週間、繰り返すことで
あなたの行動は
習慣化できるでしょう。
繰り返しは
人に行動を起こさせる刺激
のようなものではなく、
面倒だなと頭に浮かんでから
行動に移すまでの時間を
徐々に短縮してくれる訓練
のようなものだと著者は説明しています。
そしてこの繰り返しに
工夫をすると習慣化が
スピードアップします。
かの
if thenプランニング(※)でも
重視されている。
「きっかけ」を作ることです。
※習慣化の帝王と呼ばれる黄金メソッドの名称
何かをトリガーにして
習慣化したい行動を始めてみましょう。
・歯を磨き終わったら→腕立て10回
・入浴したいと思ったら→その場でスクワット
などなど、
一日を過ごす上で、
すでに習慣化されていたり、
絶対に行うこと(目覚める、座る等)を
トリガーに行動をくっつけると効果的です。
報酬を意識してみる
習慣を構築する「まで」は
報酬を意識すると良いでしょう。
例えば、
ランニングが習慣化するまでは
ランニングをすることで得られる
メリットや良い気分など、
報酬がある
と思えると習慣化が始まります。
この報酬という概念に
紛らわしさはなく、
報酬があるからこそ
人間は行動を起こします。
報酬がなかったら、
やらないような事を
推し進めることができます。
ただ、
報酬と名のつくものが
全て有効ではなく、
ある程度ルールのようなものを
押さえておく必要があります。
まずは、
報酬は「すぐに」手に入るもの
でないといけません。
ランニングを
10日間続けられたら、
報酬として、
欲しかった服を買っても良い。
などと蓄積した結果に対する報酬は、
モチベーションを上げることはあっても、
習慣化には役に立たないと
著者は説明しています。
なので、例えば
ランニングを習慣化したいなら、
走ると爽快感が得られる
など、
行動を起こした後、
間をあけず得られる報酬
を意識すると習慣化しやすいです。
手料理を習慣化したいなら、
手料理を作ることで
家族や子供が喜んでくれる。
ボランティアを習慣化したいなら、
手伝ってもらった人の喜ぶ顔を
思い浮かべる。
など、
報酬を習慣の一部として形成し、
内在する温かな優しい気持ちを
利用しましょう。
自分の人間性を大いに活用しましょう。
フォルクスワーゲン社が実施した、
「ファンセオリー」と呼ばれる
社会貢献活動も参考にできます。
ワーゲン社は、健康促進のため、
駅の通勤客に「階段」を使って欲しいと
考えていました。
そこで、
上を歩くと
ピアノの鍵盤のように素敵な音が鳴る
階段を開発、設置したところ、
階段を使う人は激増しました。
また、
ゴミ箱に工夫を凝らし、
ゴミを入れると、
井戸の底に反響するような音が
鳴るように
仕様変更すると、
その音を聞きたいがために、
ゴミを拾う人が多くなったといいます。
自分の取る行動に
「ファン(楽しさ)」
を加えてみると、
加速的に習慣化することができます。
トドメに一貫性も加味する
習慣化の極意は、
以上の3点ですが、
それに「一貫性」を加えると、
習慣化のテクニックは完成します。
繰り返しの章で述べた
習慣を始めるための「合図」を
「同じ時間」
「同じ場所」
に設置してみると良いでしょう。
新たに腕立て伏せを習慣化したいなら、
必ず同じ時間、
朝7時になったら、
リビングに移動して
腕立てをするのです。
自分の行動に一貫性を持たせることで
さらに脳に習慣を刻み込みやすくします。
加えて、
現段階に既に習慣化されている行動
にくっつけるやりかもあります。
デンタルフロスを習慣化させる実験では、
歯磨きは毎日するが、
フロスはあまりしない人
が対象に選ばれました。
実験参加者は2グループに分けられ、
一方は、
歯磨きをする「前」にフロスをする
よう指示され、もう一方は
歯磨きをした「後」にフロスをする
よう指示されました。
結果、実験期間が終わっても
フロスを続ける習慣が残ったのは
「後」グループ
の方でした。
今ある習慣に新しい習慣を
くっつける際には、
歯磨きの「後」、
すなわち、
新しい習慣が「後」に来る様
設置しましょう。
習慣が途切れた時こそチャンス到来
習慣が途絶え、
断絶してしまっても、
そこで悲観するのは
とてももったいない事です。
習慣の断絶は、
習慣を見直す大きなチャンスであり、
それは自分の人生を再構築する
最大のチャンスだ。
と著者は熱弁しています。
「途切れてしまった習慣」
すら利用する。
これもまた習慣の真骨頂です。
「習慣断絶」の良い例え話があります。
かつてロンドンにおいて、
地下鉄会社がストライキを起こし、
ある朝、突然地下鉄が使えなくなる。
という現象が起きました。
会社が突然ストライキを発動したので、
駅員すらそれを知らず、
従来どおり勤務に来たそうですから、
利用者はもっと面食らった事でしょう。
通勤は習慣のかたまりです。
毎日、
同じ時間に、
同じ手段で、
同じ道を通る。
意識せずに職場に向かう人が
ほとんどでしょう。
それが突然、断絶してしまいました。
歴史的にも大きな事件となった
ストライキですので、
研究者はロンドン市民の行動を
詳しく調査したそうです。
すると、
大量の遅刻者による
大惨事になるとの予想に反し、
実際に遅刻をした人は
6%にとどまった
との調査結果が出ました。
それどころか、
いつもより「早く」会社に着いた人
までいたというのですから驚きです。
この例から得られる知見は、
「なんとなく続けている習慣は
断絶を通じ改善を行う余地がある」
事を示しています。
何より、
通い慣れた通勤路を
わざわざ変えようと思わない様に、
慣れ親しんだ習慣を、
意志力だけで変えるのもまた
非常に困難です。
断絶でもなければ、
良くも悪くも習慣は続きます。
ここで大事なのは、
断然の後に何をするか
です。
習慣の中には、
運動の様に良いものもあれば、
喫煙の様に悪いものもあります。
そこで、
環境の変化が意図せず起こり、
あなたに習慣の断絶という
人生を変えるチャンスが訪れたら、
良い習慣を保ったり新しく構築する。
悪い習慣を破壊する。
の2つを意識すると良いでしょう。
環境や状況の変化は、
かなり強力に働きます。
もし旅行に行って、
ネットが繋がらないのなら、
お酒を飲めばいいじゃない!
とはならないで欲しいです。
世界が私たちにくれた、
人生再構築のまたとないチャンスです。
ぜひ本棚の本を手に取ってみたり、
空いた時間で新たな習慣を
取り込んでみて欲しいです。
奇しくも、
変化が盛んな昨今では、
自分の環境が急に変わってしまう。
のは、さして珍しいことではありません。
変化は大きなストレスをもたらしますが、
同時に大きなチャンスである
と捉え直せば、
ストレスを楽しみに変えることができます。
おわりに:
やる気では人生は変わらない。
今までやってきた事は
真逆だったのかと
気付かされた本でした。
ちょっとゾッとする話ではありますが、
反対にやる気に頼らなくても、
人生を好転させることができる
と考えるなら、
これほど良い情報もありません。
しかし、
習慣だけでは
人生は立ち行きかないのも
また現実です。
習慣が功を奏するのは、
やるべき事や
やらなければならない事を
習慣化することで、
脳が大変だと感じる時間が減り、
その空いた思考力を
他の考える「べきこと」
に回すことができるからこそ
習慣は人生を変えてくれる。
とも言えます。
人生を変える大きなチャンスであり、
最後の切り札でもある「習慣」。
習慣を使って得た時間で、
あなたはどんな願いを叶えたいですか?
大樋町
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
ブログ村のアイコン押下で、管理人のやる気がアップする仕様ですw
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