この本を読んだ目的:
記憶力って伸ばせるのか?
どうやってたくさんの単語を覚えるのか?
を知りたい。
この本を読むメリット:
記憶力選手権での優勝は無理でも、
ToDoリストくらいは
頭に入れて行動できるようになれる。
かも知れない。
はじめに:
記憶はどこから入って来てどこへ行くのか?
大衆の面前で失敗した経験は
鮮明に覚えているのに、
3日前の夕飯の内容は
なぜ思い出せないのでしょう?
改めて聞かれると
記憶って不思議だなぁ
と痛感させられます。
ジャーナリストである本書の著者ジョシュア・フォアも、
記憶への疑問を持つところから物語はスタートします。
ほんの数分で、
ランダムに並んだトランプ52枚の順番を記憶する
何百人もの人間の顔と名前を記憶しその数を競う
2進数を何万桁も暗記・暗唱する
などの芸当をこれでもかと披露する
全米記憶力選手権の参加者達。
ともすると、
それに特化した「才能」を持っていないと
到底出来なさそうな大会の光景に対して、
大会主催者のトニー・ブザンは著者に語りかけます。
「特別な才能がなくても、あなたにもチャンピオンになれますよ。」
本当に技術うんぬんで
チャンピオンになれるのか?
題名どおり、
いちジャーナリストが記憶力のチャンピオンを目指し、
結果、チャンピオンになります。
著者がその過程で得た
記憶にまつわるエトセトラから、
学んだ内容をアウトプットします!
学んだこと:
マジカルナンバー7の克服 P74
脳の中には
7本足のタコ
が住んでいて、
そのタコの足には吸盤が付いていません。
憶えて置かなければならないことが
頭の中に入ってくると
タコはその足で
丸め込む形で記憶を保持しようします。
しかし、足は7本しかないので、
8個目の「憶えるべき事」が
頭に入ってくると
それをスルーしてしまいます。
これがマジカルナンバー7です。
科学者によっては、
このナンバーはマジカル5とも言われおり、
人間が一度に保持できる記憶は
たかだか5から7個程度のものなのです。
「人間誰しも」が
この「7」という数字に
縛られていることが
神秘的で不思議だと感じた人が
「マジカル」という
名前を冠しました。
ただし、
この一度に記憶できる数を
克服している人がいます。
ズバリ、
専門分野において経験を積んだ人
はこのマジカルナンバーを克服できる
と著者は言います。
熟練の棋士や警察官などは
いちいち考えなくても、
その場その場に必要な手段を
素早く選ぶことができます。
一度記憶したことが
自分の血肉となって体に染みつくと
それを考える必要がなくなります。
例えば
みなさんが、新入社員で、
初めて会社に出社する初日の道中
にあることを想像してみると
分かりやすいです。
出勤初日では、
着ているスーツはだらしなくはないか?
遅れずに出社できるか?
道に迷わないか?
挨拶すべき上司が近くにいやしないか?
そもそも初日で緊張しているのに。
など色々考える必要があります。
1週間もすれば、
何も考えなくても
会社に到着できます。
近くに便利そうな店があるぞ。
と気づくこともできます。
優れたチェスの名士は
盤面を何万通りも記憶しており、
その過去の盤面から
今打つべき一手を素早く選出します。
それは過去に記憶したことが
定着内在化
しているからこそできる技なのでしょう。
時間の縮小「たくさん体験を積もう」P98
時間は伸びたり縮むんだりする。
という考え方があり、
記憶もこれに一役買っているそうです。
歳を追うごとに、
時が経つのを早く感じる。
誰しもが感じるこの感覚には
記憶に依るところが大きい
と著者は述べています。
なるほど、
見るのも聞くのも『初めて』な事が多い
子供時代には、
その体験が新鮮なだけに
記憶に残る事も多く、
記憶に残る事が多いと
時間をはっきりと認識できるので、
その人が体感する時間は伸びます。
反対に、
変わり映えのない毎日を過ごすと、
昨日と今日、
今日と明日の区別が
つきにくくなります。
すると、
時間はどんどん短く感じる。
という現象が起こります。
『一年があっという間に経ってしまった』
という場合には、
『目新しい体験がなかった』
と言い換えることができます。
休日は、
部屋でまったりゆっくりも良いですし、
コロナ禍の昨今では、
外出自体もままなりませんが、
『素敵な体験』を通じて、
一年の中に、
体験という『インデックス』を
記憶していく方が、
時間はゆっくりと体感できるみたいです。
記憶の宮殿のやり方 P116
記憶の宮殿とは、
『記憶のテクニック』の名称で、
ToDoリストなどを覚える時に
非常に役に立ちます。
やり方自体は簡単です。
1
頭の中にまず、
よく見知っている建物を用意します。
自宅や職場など、
頭の中で部屋の配置まで
詳細に思い出せる場所が望ましいです。
2
ToDoリストの場合なら
『やるべき事』
を視的なイメージに変換し、
その建物の中に配置していくだけです。
ポイントは
言葉を配置するのではなく、
イメージを配置する事。
ポイント二つ目は、
イメージをできるだけ
ユニークで
エロティックで
卑猥で
一眼見たら忘れたくても
忘れられないインパクトのある物
に変換して下さい。
書くのは忍ばれますが、
例えば、
○電池を買ってくる
○風呂掃除をする
というToDoリストを記憶する時には、
自宅のポストの前では
好きなアイドルが裸にエプロンの姿で
手招きしながら片手には電池を持っている。
甘い声で『電池買って来て』と言いながら
ウィンクしている。
※憶えるためのイメージです。
玄関に入ると、
なぜか玄関にはバスタブがあり、
そばにはデッキブラシが
丁寧に配置されていて、
ドラえもんのキャラ『しずかちゃん』が
笑顔でそれら指を刺している。
など、
インパクトが強ければ強いほど、
記憶にはっきり残りやすいです。
憶えたいことが増えたら、
記憶の宮殿も増やしてみましょう。
記憶力選手権に参加するプロは、
記憶の宮殿だけで、
『街』が出来上がってしまうくらい
たくさん宮殿を持っているとか。
脳は
空間把握力に長けている。
と、絵的な事は忘れにくい。
という特徴を利用した、
誰もが使えるテクニックです。
iPhoneのリマインダー機能も
とても便利ですが、
記憶力を鍛える。
という意味でも、
やるべき事のリストを記憶する。
から始めてみてはいかがでしょう?
プラトー状態からの脱却方法 P211
プラトー状態とは、
技術や知識などが、
学習を始めた当初は
グングンレベルが上がったのに、
ある一定のレベルに達すると
その後、実力が伸び悩んでしまう状態
のことを言います。
中級者に多く見られる
「中級平原」
というレベル帯が
これに当たると思います。
これを脱する方法を知る前に、
プラトー状態になるまでの
「過程」に着目する必要があります。
その過程とは
技術を学ぶ際に
誰もが通る道筋でもあります。
第一段階の「認知段階」で、
課題を分析して、
新しい技術を学ぶための戦略を立てて
それを実行します。
第二段階の「連合段階」では、
それほど集中力を
要さなくてもできる様になり、
ミスも大幅に減ります。
第三段階は「自律的段階」と呼ばれ、
基本的に自動操縦で走っているような
感覚になる。と言われています。
「自転車の運転方法」を学んだ時、
はまさにこの過程を経ていると分かります。
初めは
補助輪無しでも走れるか、
自分で色々試して分析しながら、
転びながら身体で乗り方を
マスターしたと思います。
慣れてくれば、
何も考えなくても
自転車に乗れる様になります。
自転車の運転をマスターしてしまうと
それ以上に運転の技術は
伸びようが無いと感じます。
これがプラトー状態です。
一旦、プラトー状態に入ると、
同じことをしていても実力は
上がらないとされています。
自転車業界にも
プロはいます。
どの世界にも
上級者は少なからず存在します。
彼らはどうやってプラトー状態を
脱したのか?
答えは、
中級平原を脱した人達は、
上記に示した第一段階である
『認知段階』に敢えて留まる。
という事をやっています。
ある程度の慣れが来ても、
「漫然とただ続ける」
ではなく、
自分の実力を分析する事を「やめず」に、
問題点を見つけ出し、
やり方を変えてテストし、
その問題点を改善する。
これらを繰り返します。
更に、
なぜそれをやっているのか?
を常に考え、モティベーションを保つ。
そして、
必ずフィードバックを受けて、
改善していく。
これらを愚直に守ることで
プラトー状態を抜け出していました。
1 上達しても分析等の認知段階をやめない。
2 モティベーションを常に意識する。
3 フィードバックを受ける。
これでプラトー状態を抜け出しましょう!
おわりに:
外部記録のテクノロジーが
みるみる進化している昨今、
Googleで調べれば、
分からない事の方が少ないとも
言われている昨今、
『記憶する技術が以前ほど必要か?』
との意見もあるそうです。
忘れる前に、
メモしておけばいいじゃない?
スマホにはリマインダー機能もあるよ?
と突っ込まれると
まぁ、確かに。
と返答に詰まります。
確かに最近では記憶することへの
『重要性』の様なものが
薄れてきている気もします。
ただ、著者は
知識のパラドクスについて
こうも述べています。
何も知識がないまま、
博物館へ行っても、
一つも楽しめない。
ある程度の歴史を
『記憶』しているからこそ、
博物館の展示品は
見る人に対して光を放ち出す。
知識を得るためには
知識が必要。
確かに、
ルールを知らずに
スポーツ観戦しても、
気になるのは勝敗だけ。
楽しくも何ともないでしょう。
さらに、
本書のまとめによると、
『時間の感覚と
場所の感覚を覚えられない
重度の健忘症患者は、
自分と他人を比較する事ができなくなる』
と述べられています。
著者は、
『私たちは、
記憶によって形成された習慣の集合体。』
とも言っています。
記憶する事で、
自分を認識し、世の中を楽しむ事もできる。
今更テクノロジーを、
わざわざ手放す必要はないでしょうが、
何でもかんでも
外部記録に頼るのではなく、
新しい知識を
自分の記憶力を頼って
『憶える』のも、
人生を楽しむ秘訣かもしれません。
大樋町
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
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