はじめに:
人生を切り開く武器や切り札を
いくつ持っていますか?
切り札を先に出すなら、
もっと奥の手を持て。
とも聞きます。
本書は、
確実にあなたの武器を増やしてくれます。
その武器の名は「ユーモア」。
ユーモアを持つ人は、
・知的に見える
・クリエイティブで
・回復力も高い
ゆえに、
優秀でリーダーシップに富んだ人物である
と周りからは判断されます。
何より肝心なのは、
ユーモアは生まれつきではなく、
学習で「身につけることができる」
と言うこと。
本書を読んで、
新しい武器を手に入れるために
学んだことをアウトプットします。
学んだこと:
まずは神話をくつがえす
ユーモアの具体的な作用や
技術を見ていく前に、
ユーモアに対する
神話(ただの伝説的捉え方)を
捉え直すと、
話を理解しやすくなると同時に、
話に身が入りやすくなります。
私が着目した神話とは
・ビジネスはシリアスでなければならない
・ウケないと言う恐怖心
の2点です。
仕事先がユーモアで溢れれば、
業績は上がります。
※ふざけるという意味ではありません
上司がユーモアのある人間の場合、
尊敬される割合は23%
一緒に働きたいと思われる割合が25%
親しみやすさを感じる割合が17%
がそれぞれ高いと判明しました。
もちろん仕事内容全部をユーモアで固めろ
と言うわけではありませんが、
現実、実績が上がるなら、
会社はもっとユーモアを取り入れた方が
雇う方も雇われる方にも、
メリットは大きいです。
ここで大きな誤解は、
ユーモアを発揮する上で、
自身が面白い性格である必要はなく、
また、毎回ウケる必要もないという事です。
誰しも「サムい」の一言を恐れる物ですが、
著者は、
『着目すべきは、
あなたのジョークが
面白かったかどうかではなく、
「適切」であったと見なされたかどうかだ』
と述べます。
例えウケなかったとしても、
そのギャグや話が適切であったなら、
周りは「まぁまぁ」の判断を
下しているとの事。
声に出して笑ったり、
にんまりとしていなくても、
相手は「まあまあだ」
と判断してくれているのですから
直接見える態度だけで
自分がウケなかったと判断するのは
ちょっと待ってください。
逆に避けるべきは、
笑いを取るには取ったが、
結果、
相手を傷つけたブラックジョークや、
最悪なのは、
場の空気を壊してしまう
不適切なジョークです。
後に遺恨を残すようなジョークやギャグは
どんなにウケても、
ユーモアのメリットは受け取れませんので、
部下をいじったり、いじめたりする話
は極論避けた方が良いです。
結論、
私たちは、
自分の性格や
周りの態度などは気にせずに、
適切さや意識して、
もっとユーモアに
挑戦するべきだと思います。
ユニークが脳に与える効果
ユニークさは知的さと相関する。
という調査結果があります。
どうやらユーモアに勘付ける人は、
頭も良いようです。
ユーモアは、
脳作用と関係しており、
メリットも数多く存在します。
理解は効果を高めてくれますので、
ユーモアにどんなメリットがあるかを
まず見ていきたいと思います。
ユーモアは頭の回転を早くする
ローソク・画鋲・マッチテスト
をご存知でしょうか。
ローソクと画鋲、
マッチが入ったマッチ箱。
この3つの道具のみで、
「ロウソクを壁に立てて
火を付けてください。
ろうが床に垂れないように。」
と言う問題に対し、
答えを実践して見せるテストです。
答えは、
マッチの箱を画鋲で壁にくっつけて棚を作り、
そこにロウソクを立てる。
です。
簡単そうに聞こえますが、
この回答に辿り着くためには、
「機能的固着」を克服する必要があるのです。
機能的固着とは、
物の一般的な使い途以外の方法を
思いつけないと言う認知バイアスです。
子供にはこのバイアスがかかりません。
大人の決めつけに支配されておらず、
子供にとって
壁はキャンバスであり、
犬は馬の様にまたがるものであり、
豆は食べるより鼻に詰めるもの
なのです。
確かに、
子供の動きはどこかコミカルで、
間違いなくユニークに富んでいます。
ユニークだから答えを思いつくのか
答えを思いつく頭脳の持ち主がユニークなのか。
ここがポイントなのですが、
答えは前者です。
ユニークな映画を観た後では
先のテストの解答に辿り着く人は
「2倍」にまで高まったのです。
安心感を生む
ユーモアな人や環境は
安心感を生みます。
会社のスタイルが、
失敗を気にしなくて良い
と言う安心感をもたらすものであるなら
その社員はより活動的に、
果敢に挑戦し、やる気に満ち、
粘り強く仕事を続けるそうです。
ユーモアは、
安心感をもたらすものです。
「笑い」は、
はははと実際に笑わなくても、
「笑える」と思っただけで、
ストレス物質「コルチゾール」の
分泌を39%も減少させます。
闘争逃走反応を起こす
エピネフリンは脅威の70%減少です。
レジリエンスが高まる
『仕事は何をするかより、
誰とするかが重要』。
持論ですが、真理だと思います。
辛い仕事だったが、
あの人とだったから乗り切れた。
経験が誰しもあるはず。
ユーモアのある人が
職場に居てくれたらどんなにいいか。
ひょっとしたら私たちは、
本能的に
『ユーモアは回復をもたらす』
と知っているのも知れません。
もちろん根拠のある事実です。
健康をもたらす
笑うことは最良の薬です。
よく笑う人は寿命が長いとの
調査結果があります。
ノルウェー科学技術大学によると
ユーモアのセンスが豊から人は、
持病があっても長生きすることが
明らかになりました。
ユーモアをよく使う女性は、
あらゆる原因による死亡リスクが
48%も低く、
心臓病による死亡リスクは73%、
感染症による死亡リスクは83%
(男性は73%)、
も各々低いことが分かっています。
笑うだけでこんなにも死亡リスクが
減少するのは驚異です。
笑う門には福来たるという言葉は
案外信憑性もあるものかも知れません。
プロのテクニック
まずは2つの原則から。
・ユーモアは事実の中にある
・ユーモアには驚きやミスディレクションが
潜んでいる
※ミスディレクションとは、
小説や手品等において、
敢えて読者や客の目を外に向けたり、
逆に意図して注目させたりするテクニック
ユーモアを学ぶ上で、
この2つをまず押さえましょう。
分かりやすい本文の例を
一つ紹介します。
ある夕食会に同僚が遅れて現れました。
理由を尋ねると、臆することなく
「すいません。来たくなかったもので」
と語ったと言います。
現場はニンマリとした雰囲気に包まれたとか。
会社の夕食会に来たくなかった事実と
皆の前で本音をぶちまけてしまう、
「そんな事していいの?」
という驚きが潜んでおり、
ユーモアを産んでいます。
この同僚はおとがめを受けずに済んだ様です。
(ユーモアは許しをも生むのかも⁉︎)
では、具体的に
どのような事実に着目すれば効果的なのか?
更に見ていきます。
不調和
まず1つ目は
「不調和」の事実です。
例えば、
優秀な心理カウンセラーが、
家に帰れば家族とトラブルばかりだった。
や
ゲーム好きだった少年が、
超巨大企業を作った。
など、ギャップの差が生まれるような
不一致、不調和の中には
ユーモアが潜んでいます。
感情
2つ目は、
「感情」の事実です。
気分を良くした物事、悪くした物事、
よく「他人の不幸は蜜の味」
と聞きますが、まさに、
感情を揺さぶっているからです。
感情の中にユーモアを見出してみてください。
意見
最後3つ目は、
「意見」に着目しましょう。
自分でも他人でもいいのですが、
「他の人は知らないけど、
私はこうしている。」
といった、
こだわりや自己主張の中には、
ユーモアが潜んでいます。
次は、
原則2個目の
ミスディレクションのテクニック
について見ていきましょう。
誇張
まずは、
「誇張する」です。
話を盛ることは、
嘘をつく事とは違います。
分かりやすいのは、
お笑い番組の「すべらない話」。
プロの芸人の「盛る」技術に
驚かされます。
彼らが語るのは、
何気ない日常で垣間見たこと
である場合も多いです。
見事にユニークに誇張されています。
コントラスト
次は、
「コントラストを生じさせる」です。
対比させることでユーモアを作ります。
例えば、
山田さんは1時間で終わらせた仕事を
田中さんは1週間もかかったんだって。
私が作ると面白くないですが、
なるほど、
比較対比はユーモアの場で
よく目にします。
比喩
3つ目は、
「比喩を使う」です。
本文から例文を抜粋します。
「大家族は珍しい」
を愉快に伝えたいなら
「大家族は、
ウォーターベッドの販売店みたいだ。
昔はどこにでもあったが今時は
どこにも見ない。」
と比喩を用いると、
ユーモアが生まれます。
3つのルール
最後は、
「3つのルール」です。
一般的な予想しやすい要素を
2つ挙げてから、
3つ目で「落とす」と言う
コメディアン御用達のテクニックです。
3つ目で意外性のあるものを
引っ張り出して笑いを誘います。
とあるブレイク芸人の一言です。
「この一年で私は
リッチになり、有名になり、
腰が低くなりました。」
上記のように、
3つ目で「ありゃりゃ」と思わせれば
このテクニックは成功です。
3つ目にオチが付く持つ話を
予め準備しておくと、
簡単にユーモアを生見出せるでしょう。
ユーモアを仕事に生かそう
サピア・ウォーフの仮説
と言う法則を知っているでしょうか。
口にする言葉や会話は、
その人そのものを表す。
という法則です。
私たちの言葉遣いは、
私たちの心理状況や行動に
深い影響をもたらすことが
研究により分かっているのです。
それは、
言葉をユーモアに彩れば、
自分の性格をも操れる。
と言うことでもあります。
明るくポジティブな性格が
どう仕事に影響するかを見てみましょう。
ユーモアでよりクリエイティブになる
1992年に起こった、
その後「ダラスの対決」と呼ばれる事になる
航空会社同士の諍い事をご存知でしょうか。
老舗サウスウエスト航空のスローガン
「スマートに飛ぼう」が、
いつの間にか小規模航空会社
スティーブンアビエーションに使用され、
法的権利も主張を始めたと言う事件です。
スティーブンアビエーションの従業員は
当時の幹部に訴訟を起こすよう
求めたと言います。
しかし、
当時のCEOを務めていたハーワルドは、
サウスウエスト航空に対し、
訴訟で戦うのではなく、
驚くべきことに、
「腕相撲」で勝負を挑んだのでした。
更に驚くべきは、
サウスウエスト航空のCEOハーバートは、
その勝負を快諾。
かくして、
腕相撲の対決場所であるダラスにおいて
各会社の威厳とスローガンをかけた
CEO2名による腕相撲は
本当に実施されたのです。
アメリカ中を巻き込んだ
CEO同士の腕相撲は、
約35秒間の闘いの末、
ハーワルドが30歳の離れたハーバードをくだし
勝利しました。
ただしそれは腕相撲の結果に過ぎず、
本来の目的、
スローガンの使用権をめぐっては、
最終的に「共有すること」が決定づけられ、
見事にこの問題は解決されました。
それどころか、
この腕相撲が話題を呼び、
この二つの航空会社の業績は
うなぎ登りだったのは言うまでもありません。
ユーモアは、
ピンチをチャンスに変えることすら
可能にしてしまう好例だと言えます。
頼み事をする
人に何か頼み事をするには、
それ相応の価値あるものを
提供すれば効果的。
と考える人は多いです。
もしその「価値あるもの」
が無料で作り出せたら?
ここでも答えはもちろん
ユーモアです。
「メールで資料の返信を待つ」スタッフは
どのように「矢の催促」をユーモアに
変えたのでしょうか。
相手からの資料提供を促す時、
「何度もすいません」
「その後、どうなったでしょうか」
「大変、恐縮ですが」
など、こういったやりとりは
成果には繋がりにくいです。
本書に登場するスタッフは、
猫のショート動画
(それも窓の外から何度も
中に入れてくれと嘆願する
可哀想な猫)
を送ることで解決しました。
即返信があったそうです。
相手をクスッと笑わせるユーモアは
頼み事を通しやすくしてくれます。
自分の間違いを認める
自分の間違いを認めるのもユーモアです。
とあるプレゼンで、
長く喋り過ぎたプレゼンターが、
参加者から手厳しく注意を受けました。
そのプレゼンターが取った行動は、
叱責を受けた後のメールでは、
よろしくお願いします。ではなく、
「今後は簡潔をモットーとする〇〇より」
と付け加える。
と言うものでした。
何も面白さを意図したメールでは
なかったのに反響は大きく、
後のプレゼンの運びは
順調にすすだそうです。
自虐のユーモアは、
使いどころと扱いを
慎重にすべきではあるものの、
効果的に使えば、
その後の展開を有利に運ぶこともできます。
失敗を認め、
ピンチをチャンスに変えてみましょう。
グレイゾーンを見極める
ユーモアは、
面白いかどうかではなく、
「適切かどうか」で決まる。
その反対もまた然り。
どんなに笑いを取れても、
不適切なユーモアは
歓迎されないどころか嫌悪の対象です。
あるいは、
笑いは起きなくても、
適切である場合、聞き手は
「まあまあ」の判断を下している。
のは前述の通りです。
この章では、
「ユーモアのグレーゾーン」
を押さえることで、
適切さを備えたユーモア
について学んだことを
アウトプットします。
事実、痛み、距離のバランスを取る
「シスコに内定が決まった、
太っ腹な給料と通勤、うんざりする仕事を
天秤にかけないと!」
とある米国の学生が
Twitterでつぶやいた内容です。
本人の意図は、
「誰しもワークライフバランスには
妥協を強いられている」
と揶揄したユニークを狙った内容だと
推察されますが、
見た人からは、
不適切と判断されたばかりか、
会社から内定取消しの措置を受けたそうです。
なぜこんなことが起こったのか?
著者は、
グレーゾーンを見極めるには、
「事実、痛み、距離のバランス」
に着目すべきと説いています。
「事実」に着目するのは
ユーモアを求める上での
原則でした。
しかし、
その事実に「つらいもの」はないか。
事実と自分との間に距離はないか。
など、
無神経さで相手を傷つけないかに
配慮すべきだと著者は指摘しています。
事実を題材にユーモアを組み立てようと
しているのなら、
「この事実からユーモアを抜き取ったら
何が残るだろう」
と自問してみてください。
「痛み」、「距離」についても同様で、
相手の立場になって考え、
はずかしめを与えたり、
気まずい思いをさせてしまったり、
精神的な痛みを与えたりしていないか。
見極める必要があります。
相手をからかえる距離に
自分はいるのか。
相手の痛みを自分ごとで感じられるか。
もし、分からないなら、
相手を題材にしたジョークは
避けた方が無難でしょう。
おわりに:ユーモアの活用方法を習得して武器とせよ
著者らによると、
23歳をピークに人は笑わなくなる。
と言う調査結果があります。
4歳児は一日に300回笑うのに対し、
大人は平均2、3ヶ月で300回だとか。
悲しい現実だと思うと同時に、
これはチャンスでもあります。
ユーモアの入り込む余地が
多く存在する今だからこそ、
その一歩目を自分が踏み出す。
自分の人生ばかりか、
組織や社会、
最終的には世界をも変えるポテンシャルが
ユーモアにはあると著者は説いていますが、
管理人も100%同意するところです。
特に日本はユーモアが足りない国の代表と
見なされることが多いです。
日本の
卒業式の送辞や答辞、
教頭先生の話、
会議の場、
交渉の場などなど
を思い出しても、
お世辞にも、
ユーモアを発揮する場とは思えません。
繰り返しますが、
ユーモアとは技術であり、
ふざけたり、漫才を披露する、
などとは一線を画す物で、
真剣な場でも威力を発揮します。
ユーモアを「何となく良いもの」で
終わらせない説得力とデータが
本書にはありました。
早速、
文章にもユーモアを取り入れたいとは思うものの、
まだまだ私には技術者が足りな様子。
今後への期待をよろしくお願いします。
大樋町
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
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