はじめに:
人間の体には、
既知の恒星の数に勝る細胞の量
が存在するそうです。
人間の体が宇宙ほど広いとは
どうにも驚きですが、
この細胞、
「ミトコンドリア」
は、身体を構成しつつも
一個ずつが個別の器官である
と取ることができると言います。
本書で推しの概念は
バイオハック
です。
バイオハックとは、それ即ち
ミトコンドリアをハックする
と言い直す事ができます。
人間が
脳も身体も心も元気で
100歳を迎えても毎日を
充実して何も遜色なく暮らせる
そしてそのための習慣を整えるのが
本書のゴールです。
本格的にバイオハックしようと思うと
人間ドックによる現状の把握や
トラッキングツールによる記録
ビタミン剤や健康器具などが必要ですが、
何も高額なものを揃えなくても
お金をかけなくてもできるバイオハックを
たくさん存在します。
大事なのは、
生活の自動運転から
コントロールを取り戻すことだ
と著者は説明しています。
現代人の多くは、
スマホを片時も離さず、
移動は車や電車で、
オフィスでも座りっぱなし、
食事もあまり気にせず、
ファーストフードや加工食品を口にし、
家族から離れて暮らし
心の栄養もままならない。
しかし、それらは
今の社会を生きていく上で
決して珍しいことではなく、
周りに言われるがまま
指示されるがまま、
それらの体にはよくなさそうな毎日を
自動運転で過ごしてしまっています。
そこにちょっとだけ
自分のコントロールを入れるだけでも
バイオハックは効果を及ぼします。
意識して、
ジャンクフードを食べない
立つ時間を増やす
寝る時間を早める
愛する人に会いにいく
これらは立派なバイオハックです。
今回は、私が目から鱗だったことや
本書を私が普段実践して
効果が高かったものなどをアウトプットします。
ほんの少しだけお使いください。
学んだこと:
運動をハックする
お金をかけずにできる
バイオハックの王様は
「運動」
です。
運動をする上で
心拍数をトラッキングすることは
とても効果的ですが、
それすら道具は不要です。
15秒間、脈を取り、4倍する
だけで大体の心拍数を
知ることができます。
運動がなぜハックと呼べるほど
まず認識問題として、
身体に対して良い効果が高いのか?
運動に関する調査によると
そもそも現代人は。
事実、運動が足りてないのに
運動をしている気になっている
という結果があります。
「私の1日の運動量は
健康を維持する上で足りている」
と回答した人を調査対象に、
実際の運動量を測ると、
口にした運動量の
20%程度しか
実際には運動していなかった
との結果もあります。
たかだか4、5分の散歩や
犬の散歩程度だと
運動不足です。
本書では
1週間で150分
の運動時間が推奨されています。
運動と言っても構える必要はなく
ウォーキング
でも立派な運動です。
ウォーキングで
一日7500歩
程度の歩数を確保できれば
それは有酸素「運動」と
みなす事ができるエビデンスもあります。
筋肉には豊富な
ミトコンドリア
が存在します。
筋肉を運動により更に発達させると
ミトコンドリアは、
その絶対数を増加させるだけでなく、
ミトコンドリアの機能である
エネルギーのバッテリー、
エネルギーのコンデンサー
としての機能を更に高める事ができます。
運動は、
身体の中の
エネルギーのバッテリーを増やし、
バッテリーに貯まるエネルギー量を増やし、
バッテリー内のエネルギー効率をも
高めてくれる効果があります。
反対に、
一日中座りっぱなしの人は、
そうでない人たちと比較し
寿命まで短いとの調査結果があります。
面白いのは、
体力を温存しよう、
体力を使いたくないとばかりに、
運動をしない人ほど疲れやすい
という調査結果です。
運動が足りない場合、
脳はは運動が必要ない環境にある
と誤認してしまい、
身体に対し
「動かなくて良い」
と司令を出し始めます。
体力を温存するために、
身体を動かさない事が仇となり、
身体は疲れやすくなってしまいます。
仕事帰りで疲れていても、
靴を脱ぐ前に、
家の周りをほんのちょっと散歩して
身体を意図的に動かす事で、
それが立派なバイオハックになります。
食事をハックする
ミトコンドリアは、
口にした物が変換されて、
エネルギーになったもの
を得て活動をします。
身体を構成するのも
食べた食品に由来するので、
当然ながら食事をハックすることは
健康に大きな影響を与えます。
ここでも自動運転は禁物で、
現代において、
美味しいと思えるものを
食べるだけ食べていると
身体は不調をきたしてしまいます。
望ましいのは
ホールフード(食品丸ごとの状態)
ですが、実際私たちの周りに多いのは
加工された食品群
は圧倒的に多いです。
本書を読み進めていくと、
ジャンクフードやフェイクフードは
直感的に食べてはいけない
と理解できるものの、
普段口にしているものの内
これもダメなの?
と目から鱗の食品も多いです。
全世界で消費されている食品の内
一番多いのが米や小麦粉などの
精製炭水化物ですが、
その次に来るものをご存知でしょうか?
答えは「植物油」です。
植物油は多くの場合、
水素などと混ぜられて加工されている
加工食品の仲間です。
特に、
トランス脂肪は、
口にするのは厳禁であると
著者は警鐘を鳴らしています。
心疾患へのリスクが高まるエビデンスが
圧倒的に多く、
身体の炎症を進める原因にもなっています。
WHOも国単位で生産と摂取を抑えるよう
働きかけています。
台所でよくみる
大豆油、キャノーラ油、サフラワー油、
ひまわり油、マーガリン、
電子レンジで作るポップコーン、
スナック食品、加工食品など
は避けた方が良いでしょう。
本書では、
飽和脂肪酸
も避けるのが無難と書かれていました。
では一体、
植物油を避けて、
どんな油が良いのか?
取るべき油は、
「オメガ3脂肪」
です。
オメガ3脂肪は
魚類、チアシード、亜麻仁油、
ヘンプ、クルミなどに含まれており、
トランス脂肪を摂取すれば、
早死、心臓疾患、身体内の酸化を防ぎ、
特に良いのは
脳の状態
をも改善する力があります。
料理に使う植物油は、
「果実油」
に変更しましょう。
オリーブオイル、
アボカドオイル、
ココナッツオイル、
牛脂などが手に入りやすいでしょう。
しかし、
安価な物は、
加工段階で酸化が進んでいたりして
低品質な製品が多いので、
信頼できる製品を買うようにしましょう。
腸をハックする
マイクロバイオームという言葉を
ご存知でしょうか?
微生物叢(びせいぶつそう)と訳される
このマイクロバイオームは
身体内の微生物の集合体で
特に大腸に多く存在します。
微生物の中には
身体にとって役立つ物と
反対に悪影響を与える物とが存在します。
前者を善玉菌、後者を悪玉菌
と呼びます。
腸内環境をハックし
それを整えると
様々なメリットがあります。
これは善玉菌を増やし、
悪玉菌を減らす方法と言い換えられます。
腸内環境を整えると、
免疫機能も改善されます。
加えて驚きなのは、
精神状態も安定するということです。
「hormone」(ホルモン)とは、
「腸」という意味ですが、
脳内ホルモンとは言っても
腸内ブレインと言わないのはなぜか。
それは、
ホルモンが観測された
最初の場所が腸内であったからだ。
と言われています。
脳内にあるホルモンは、
実は腸で生成されている。
というのが定説となっています。
腸内環境をハックするというのは
身体と心の健康に
2重のメリットがあるのです。
腸内環境に問題を抱える代表的なものは
リーキーガット
です。
腸管内バリア損傷とも呼ばれ、
腸内のバリアが破れることで、
超透過性が高まってしまい、
本来分解されて吸収されるはずの
食物粒子や細菌の毒素などが
分解されずに直接、
身体内に侵入してきます。
これが全身の炎症を招き、
エネルギーを普段より
大きく消耗させるなどの弊害をもたらします。
では、このような問題を解消するため
マイクロバイオームを整え、
腸をハックするには
どうすれば良いのでしょうか。
一番手っ取り早く、
且つ、効果的な方法は、
食事をハックすること
です。
即ち、
善玉菌のエサとなる
食物繊維の豊富な食材
を多く摂取し、
悪玉菌のエサとなる
油や加工食品などを
摂取しない、減らすことです。
具体的に述べると、
善玉菌が大好きなのは、
キャベツやレタスなどに代表される
葉物野菜やナッツ類です。
これらには食物繊維が多く含まれており、
マイクロバイオームを整えるのに
とても有効です。
一方、先に述べた、
植物油やそれが使われた食品、
スナック菓子やジャンクフード、
ベーコンや出来合いのハンバーグなどの
加工肉、それにファストフード。
これらは、
悪玉菌の増力を助けてしまいます。
著者は、
「食べ物だと思ってはいけない」
とまで断言していました。
今後、一切摂取しないか、
摂取の量を大幅に減らしましょう。
腸内フローラを整える調剤なども
ドラッグストアで手に入るので
利用してみましょう。
ストレスとメンタルをハックする
ストレスとは、
それそのもの全てが害悪
というわけではありません。
損傷と回復の繰り返しが
筋肉を鍛えるように、
ある程度のストレスは、
それに対抗し乗り越えることで、
人のメンタルを鍛えることができます。
健康寿命の長い
90歳でも現役を保つ
センテナリアン
と呼ばれる人たちは、
敢えて自分に課題を科し、
良いストレス※を与えることで
その健康と寿命を確保している
との説すらある。
※ストレスは緊張や刺激と訳すと
理解しやすいかもしれない
しかしながら、
ユーストレスと呼ばれる、
適度で必要なストレスに対し、
キラーストレスと呼ばれる
文字通り、人に悪い影響を与えるストレス
も確実に存在しています。
過ぎ去ったことを
いつまでも頭の中で反芻(はんすう)
してしまう状況は、
まさにキラーストレスに蝕まれた状態です。
極度の反芻は
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
と診断されかねません。
日々感じるストレスを、
完全にゼロにすることはできないし、
成長のことを考えると、
ストレスゼロもまた推奨はされていません。
適度なストレスに対し、
それを適切に対処して、
キラーストレスを遠ざける生活
を送るためには、
メンタルを強化することが有効です。
本書では
メンタルを鍛えるための方法
がたくさん記載されています。
簡単にできる方法として
・朝晩うがいを30秒続ける
・運動をする
・笑う
・ガムを噛む
などがあります。
これらの方法は、
脳から腰にかけて存在する迷走神経
を刺激して心拍変動を鍛えることで
ストレスから身を守ります。
また、
長期的に取り組める目標
を作ることは
レジリエンスにつながる
とも述べられています。
そして何より、
スマートホンを通じた、
SNSなどの人間関係より、
身体の接触や友人や恋人と会う時間
を優先させた方が、
明らかに健康に効果がある
とも説明されています。
本書の優れた点は
その網羅性です。
メンタルを鍛え、
ストレスを軽減し、
ストレスに対抗する手段が
たくさん出てきます。
全てを試すのは不可能だし
する必要もありませんが、
これだけの方法があれば、
いざという時の備えにもなるし、
自分にとって必要な解決方法が
本書の何処かには記載されているはずです。
気になる方は本書を
ぜひ一読ください。
おわりに:
読み終わってみると、
確かに、
朝晩のうがいや
食事にちょっと「酢」を足す
アップルウォッチに
睡眠時間をトラッキングさせる
などなど
ちょっとしたテクニックで
驚くほど健康をハックできる
ことが分かりました。
既に述べた通り、
本書の強みはその「網羅性」である
と本書の翻訳者も巻末にて
感想を漏らしています。
大きな病気は病院に行くのですが、
ちょっとした不調程度のことは
無視していつも通り
過ごしてしまいがちです。
ここで自動運転を止めて、
少しだけ生活を工夫して、
健康をハックしてみませんか?
身体をハックして整えれば、
精神にも効いて、
メンタルと落ちすかせ、
ストレスに強くなる。
知っていたようで
改めて聞くと素晴らしことだと
再確認できました。
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
ブログ村のアイコン押下で、管理人のやる気がアップする仕様ですw
コメント