第199回:リスキリング超入門から学ぶ

読んだ本

はじめに:

昨今、D Xが世に打ち出されて久しく、
それと同時に、
デジタル化に対する学び直しも
盛んに議論されるように
社会も変化しつつある様です。

本書は、
慣れないデジタル化を
若い者に負けずに学んでみよう。
といった狭い視野ではなく、
もっと広く、
個人のレベルアップを通し、
日本をもっと活気づけよう!
といった壮大な展望が視野に入っています。

本書の著者は、
リスキリングという言葉を、
デジタル化に乗り遅れないための再教育
と矮小化することなく、
個人の成長は、
日本社会の成長につながる。
と強い意味で捉えています。

そもそも学び直しがなぜ必要なの化。
現状維持ではなぜいけないのか。

今の日本は、
かつての日本の繁栄を理由に
「ジャパンアズナンバーワン」の奢りにより
世界に取り残されていること
に対し見ないふりをしている。
と著者は警笛を鳴らします。

日本はオワコン。
ネットでもささやかれる日本の現状に
心を痛めている人も
少なからずいらっしゃることでしょう。

詳細は後述しますが、
現実問題、
日本の凄惨な現状には
目を覆いたくなる下降曲線があります。
本書を読む前に、
レジリエンスを高める方法を得てから
心を強く保ち、覚悟を決めて
読み始めるのがおすすめです。
本書内で、
レジリエンスについても
述べらているのは皮肉な話ではあります。

世界の成長に対し、
今の日本のように、
傍観者になってはいけない。
世界の成長に呆然と
見ることしかできないこと
をもっと問題視するべき
との意見に管理人も完全同意です。

本書を読み終えると、
著者らにとって、
日本はオワコンではなく
日本ってなんて「惜しい」んだ。
と感じている様に私には見えました。

キラリと光る何かを
日本はまだ持っています。
それらを発揮するための「学び直し」
が本書でいうところの
「リスキリング」だと思うのです。

個人のレジリエンスを高めることは
社会のレジリエンスを高めることだ。
とも語られています。
この言葉の裏には、
個人でも社会に変化を与えうる力
を持つことができる。
と取れると私は思っています。

それでは、
私が学んだリスキリングの特筆事項を
アウトプットします。

学んだこと:

なぜ学ぶか

世界から立ち遅れた日本。
かつての世界第二位の奢りから、
目を逸らしてきた事実に
今こそ目を向ける時。

本書では、日本が、
立ち遅れた末に『取り残される』
ことすら懸念されています。

本書の各データは、
日本が学ばない事
を示すデータでひしめいています。

GDP比で見た人材投資の国際比較
によると、
日本 0.1%
英国 1.06%
米国 2.08%
従業員教育を投資ではなく
コストと捉えた結果、
人材への投資が年々減少しています。
企業や会社を頼っていてはだめ。
とここで一つ教育の機会が失われます。

では
自分で勉強を始める
しかない分けですが、
こと日本人はそれが苦手な様です。

経済開発協力機構によると
高等教育への30歳以上の入学者割合
は、
27カ国中したから7番目です。
たったの
12.9%
で、平均値26.3%に遠く及びません。

社外学習・自己学習をしていない人の割合は
46.3%にも上り、
勉強に積極的に取り組んでいる人
の割合は、
お隣の中国、韓国、シンガポールなどの
半分以下です。
学ばない事が日本で定着しています。

学びたくても、
何を学べばいいのか選択肢が多すぎる
そもそも勉強の楽しさを見出せない
学ぶお金も時間もない
などなど、
様々な理由で人は勉強に
手を付けられない分けですが、
日本はまだまだ世界第三位の
経済大国であることに変わりはありません。
途上国に比べると、
勉強する環境が整っている
やりたいことができる環境である
と言わざるを得ません。
(途上国へ旅行へ行ったことのある人なら
これが身に染みて理解できると思います)

勉強に着手したくなるきっかけとして
下記の4Sが示されています。

リスキリングの為の「4S」

では早速、
どんなことに着目すべきかを示す
「4S」についてです。

4Sとは、
4つの「S」を頭文字に持つ英単語
を意味し、それぞれ
シナリオ、スピード、サイエンス、セキュリティ
を指します。

シナリオは、
自分なりのビジョンを持ち、
そこからバックキャストして
今自分が成すべきことを考える力
であり、

スピードは、
責任を持って決断し、
タイムリーな結果を埋める能力
であり、

サイエンスは、
科学者マインドを持って、
持論ではなく、
効果的に行動と結果を求める能力
であり、

セキュリティは、
日本が最も苦手とする
「国防」にも目を向け、
知的財産を始め、
自分自身、
引いては日本の防御力を養う能力
をそれぞれ指しています。

ただリスキリングと言われても
範囲が広すぎるので、
この4つの視点からの学び直しが
効率も良く、
混乱もせず、
効果的に自身の能力を
向上させることができるでしょう。

特に大事?シナリオに注目してみた

本ブログが特に着目したのは
シナリオ力です。

シナリオ力を鍛える第一段階は、
アンテナを3本立てる
です。

シナリオを書こうにも、
材料がなければ書けません。
物事を判断するにも、
判断材料が無ければできず、
材料を集める為、
アンテナを高くして、
まずは情報を集めます。

アンテナ3本については、
自分が興味がある事
にします。
例えば
趣味の世界やゲーム
でも良いかと思います。

情報収集の観点を持って
ゲームの世界にアンテナを立てると、
そこには最新の科学が用いられていたり、
日本がどれくらい、
ゲーム産業に力を入れているかなど、
色々な最新情報が目に飛び込んできます。

自分の立てたアンテナ3本については
誰よりも詳しくなる!
くらいの意気込みで情報集められれば、
シナリオへの足がかりは、
意外に早く集まるでしょう。
常に新しいニュースに目が向く習慣
を身につけるのが大事です。

情報収集ができたら、
次に取り組むべきは
シナリオプランニングで仮説を立てる
です。

シナリオプランニングの世界では、
「明日の株価の動きは予測できなくても
30年先の未来は読み取れる」
という格言があります。

ロイヤルダッチシェルという会社では
1970年にオイル界がどうなるか?
を予測し、
石油ショックや天然ガスの台頭
など具体的な現象にも踏み込みんだ上、
日本の世界での成功、
21世紀における中国の爆発的成長
などの予測を見事に的中させています。
ロイヤルダッチシェルに限らず、
大手のヘッジファンドでは、
既にこのシナリオプランニングは
広く取り入れられています。

それではやり方を説明します。

起こり得そうな不確実要素を沢山挙げる

インパクトの強いことや、
アンテナを高くしている
自分の興味があることなど、
から情報を集め、
自分なりに列挙してみましょう。
例えば
地球環境問題は解決できるか?
火星への移住はどこまで現実的か?
などです。

いくつかの軸でマトリクスを作る

上記の例でいうと
環境問題を火星移住が
両方とも成功する世界線、
どちらも失敗する世界線、
どちらか一方が成功する世界線、
と4つのマトリクスが完成します。

各事象について何が起こるかを検討

環境問題が解決せず、
火星移住も達成できなかった場合、
地球はどうなってしまうのか?

環境問題は解決できなかったが、
火星移住は成功した場合、
自分は何をすべきか?
などです。

それぞれに名前を付ける

「地球滅亡への道筋」、
「火星移住までの課題」など。

それぞれの可能性を探る

どの事象が現実的か、
自分のビジョン、
方向へ向かいたいのか
などの視点で議論を深める

以上が、
シナリオプランニングのやり方です。

シナリオプランニングを
試しに自分の頭で考えてみると、
なるほど情報が少ないと、
3番で事象を検討する時に、
筆が止まってしまいます。

シナリオプランニングは、
スルスルとプランニングできるレベル
まで知識と知恵を向上させるために
自己の基準を知る手段
ともなりえます。

管理人の中でシナリオ力は、
残りの4Sよりも
重要さの占めるウェイトが重く、
真っ先に強調したい部分です。

上記は
内容の一部を管理人なりに
噛み砕いた内容ではあるものの、
読者の人生を変えるポテンシャルを
秘めていると確信します。

おわりに:

終身知創という言葉が出てきます。
変化を見越し、
世界からの挑戦を受けて立つ、
貪欲に知識を身につけ、
それを活かす努力もする。

人生100年時代、
60歳で仕事を引退し、
そこから先は悠々自適に。
といった時代は幕を下ろしています。
終身。
人生から引退するまで、
ずっと学び続けることが
今の時代には求められています。

何を学ぶか?
漠然と漫然とした勉強では
情報の海に溺れてしまいます。

何に着目して学べば良いか?
の基本を学べる本書。

何かを乗り越える楽しさ。
みたいな物を見つけられないと
人生は辛いものになるのかも知れません。
そうならないための知識、
学び方の学び方をマスターしましょう。

大樋町

管理人
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大樋町

初めまして。
大樋町と申します。
「おおひまち」と読みます。
北陸地方住む、アラフォーの読書愛好家です。
日頃は通訳などを生業としております。
良い本は心の友。
私の友人たち(愛読書)から学んだことをアウトプットする場としてブログを書いております。
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