はじめに
無我の境地と聞くと、
宗教家やお坊さんが
高尚な修行の末に辿り着く
高尚な「何か」であって
私たちには全く関係のないことだと
思っていました。
確かに、自分を無へと導くのは
簡単なことではなく、
練習、訓練やメソッドが必要です。
人の心配事の97%は発生しない
と心配事をより選んでしまうのは
人間のさがではありますが、
もし無を知れば、
幸福感の増大や
不安やストレスの軽減
怒りや孤独からすらも
自分を解放することができる
と知ったら、
その方法を知りたくはないですか?
日常生活を通して
修行、集中することを目指した
永平寺の雲水もその身を投じている
道元が説く「作務(さむ)」。
修行に入る前に、
自分を置き去りにしないための
「結界(けっかい)」。
原始仏教での「慈経行(じきんひん)」
など。
普段は触れることのない世界には
無へと繋がるヒントがありました。
苦しみを消すとは
「自己を消すこと」
これが最強の方法だった!
無への扉を叩く方法をアウトプットします!
学んだこと
苦とは
仏教の開祖
ブッダは
「人生は苦である」
と説きました。
そんなのあんまりだ。
と抵抗したくなる一説ではありますが、
やはりブッダは正しかったのだと
科学的な裏付けが進んでいます。
そんなバカなと思うのは
少し待ってもらい、
自然の動物達
に着目すると
人生=苦
であることが理解しやすいです。
幸福な人は
どこか楽観的に見えるし
実際に、
楽観的な人は
幸福な人が多いそうです。
しかし、
もしも、あなたが
動物の群れのリーダー
で、なおかつ、
楽観的
だったらどうでしょう?
この水、少し濁っているけど
少しくらい飲んでも
問題ないだろう。
みんな、飲もうぜ!
今、そこの茂みが
カサカサ揺れたけど
どうせ風だろう。
サーベルタイガーなんて
滅多にいないし、
進んじゃえ!
こんなことをしていたのでは、
あっという間に
群れは全滅です。
なるべくネガティブに、
ちょっとでも異常があれば
それを深刻に受け取った者達だけが
現代まで生き残りました。
要するに、
楽観的でポジティブよりも、
悲観的でネガティブを感じやすいように
人も進化したわけです。
では、人はこの
苦
に打ちひしがれながら
生きていくしかないのか?
そう考えるのは少し早いようです。
そもそも自己とは
無を知る上で、重要なのは
自分、自己とは何なのかを
知ることです。
自己は、古代約5〜25万年前に
生まれたとされています。
群れの中で
食料の奪い合い
恋人の奪い合い
が発生した時に、
自分はこう思考しているが、
相手はどう考えているのか?
自分という存在と
他人という存在を
隔てた状態にして
コミュニケーションをとりたい。
それが自己の始まりだとされています。
そして、
人に自己が芽生えたからこそ、
苦
もまた生まれました。
先に述べたように、
ネガティブな感情は
必要だから存在します。
なぜそれが「必要か」の話をまとめれば、
ネガティブな感情は
それらのニーズを満たしていないから
発生するものだということ。
怒りは、
他者が重要な境界を侵したこと
を教えてくれます
嫉妬は、
自分が大事だと思っていることを他者が持っている
と知らせてくれます。
この必要とされている
苦
ですが、
こと人間は、動物よりも
苦の取り扱い方が
下手だと言わざるを得ない
と著者は言います。
人間の場合、
「自己」が、
苦しみの範囲を
未来や過去まで、
思考を広げてしまうせいで、
苦しみを広げてしまっているからです。
自己にこだわる人ほど
苦しみが大きい
という科学的調査結果もあります。
ではこの苦しみから逃れるためには
何をする必要があるのか?
ここでやっと
無
という概念です。
苦しみ消すために
自己をも消す
完全に自己を消す
なんていう芸当は、
悟りを開いた開祖レベル。
もっとこの無をマイルドにして
現実レベルでも取り入れる
というところまでを目指します。
修行に入る前に、まずは結界を張ろう
結界とは、
修行のために、一定の範囲を区切ること。
また、
その区域内での修行を阻むモノの
通過を許可しないこと。
古来より、
日本人が何かを成す必要がある際には、
結界が重んじられてきたそうです。
歴史ある商家では、今でも、
店先の暖簾や衝立のことを
結界
と呼びます。
神社には鳥居が設置されていますが、
これらも結界の一種です。
結界内では
葬儀やお参りに集中できる。
いわば、結界は
「安心感の演出」
をするものでもあるとか。
事前にルールを決めることで
その中では、やるべきことに
集中できる。
集中ができるという安心感を得る。
無を得るための修行は
なかなかに困難なもの。
修行に入る前に、
結界をはるメソッドをご紹介します。
結界を巡らせて、
心の準備をしましょう。
【セーフプレイスワーク】
心理療法の世界でも使われる、
「内面の結界」の貼り方です。
①ゆったりとした時間と環境をつくる。
②今までで、自分が一番
「落ち着くことができた、安心できた環境」
はなんだろう?と考え、
何かのイメージが湧くのを待ちます。
※イメージは、実施に行ったことがあるところでも、
訪れたいと思っている場所でもオッケーです。
③イメージが思い浮かんだら、できるだけ
「細部」
にこだわってイメージしましょう。
細ければ、細かいほど結界の効果は高くなります。
音にも注目しましょう。
あなたの安心感を覚える場所からは
どんな音が聞こえてきますか?
肌の感覚にも注目して下さい。
横になっているなら
接しているところは冷たいのか?
温かいのか?など
これもできるだけクリアにイメージしましょう
④最後に、自分が実際に落ち着くことができたかを
100点満点で採点
しましょう。
全く効果がなかったら0点です。
この点数が80点以上になると
結界の完成となります。
ポイント:
イメージを積極的に思い描くことはやめましょう。
南国だから、ヤシの木がこれくらい
生えている「はずだ」。
など理屈で想像を広げるのではなく、
あくまで、自分が落ち着ける場所を思い描くのです。
想像力は筋肉の様に成長するので
なんどもセーフプレイスを
イメージをすることで
少しずつ適切な
セーフプレイス
が思い浮かぶようになります。
4自己は生存ためのツールボックス
自己にこだわる人や
自己への執着が強い人ほど
苦しみが増す。
のは前述のとおりです。
それを
他社への関心
に切り替えることが
無への第一歩です。
結局のところ、
自己が生まれたからこそ、
始まった人の「苦しみ」は、
自己を消すこと、
自己中心的や自分中心ではなく
他者思考に切り替えることで
和らげることができる。
ということになります。
無に近づくためのヒント
自己を捨て、
他者思考に切り替える。
と突然、言われても「そんことは無理だ!」
となるのは当たり前ですが、
自己がない状態をヒトは
常日頃から体験しています。
何かに集中した状態や
リラックスした状態
これは、
フロー状態
と呼ばれ、自己を超越した状態、
自己が喪失している状態でもあるそうです。
大事なのは、
自己を捨てても、人は機能する。
ということ。
人の人生の半分は習慣とされています。
いわば自動運転でも
人生は生きていける
ということになります。
無になるために自己を捨てよ!
人生は自己がなくても回っていく!
という極論になってしまいそうですが、
「全く自己が必要ない」と、
論じている分けではなさそうです。
過去と今が違う自己だと
いちいち考えていては
人生は立ち行かないし、
未来がなければ、
今すべきことをしなくなってしまうでしょう。
自己は自己で必要な場合も
もちろん存在しています。
では、どう捉えればいいのか?
というと、
自己とは全く不要なものではなく、
生存用のツールボックス
である。と考えましょう。
必要な時は
自己を取り出し、
不要な時は、
自己を無くす。
というツールボックスの様な
立ち回りができれば、
精神的に落ち着くことができます。
ではどうやって自己を消すのは?
メソッドを一つ紹介します。
【慈経行(じきんひん)】
この慈経行は、古代仏教でも使われた手法です。
簡単に言うと、
歩きながら、他人の幸福を願う
というメソッドです。
「なんだ、そんなことか」
と思うことなかれで、
心を落ち着かせる効果は
抜群に高いとされており、
アイオワ州立大学の実験では、
キャンバス内ですれ違う学生や教授の幸福を願う
という行動を12分続けた結果、
不安が大幅に減少したとのこと。
最初は照れや恥ずかしさ
があるかも知れませんが、
言葉に出す必要はありませんし、
とても簡単です。
1~2周間くらいで落ち着き方にも
磨きがかかる様です。
管理人は、
「昨日、アオリ気味の運転をしてきた車の運転手、
今日は元気で健康にすごせるといいなぁ」
と思い描いた瞬間に、
幸福感が増した気がしました。笑
許しも加わると、更に効果的な様です。
おわりに:まだまだそんなもんじゃない
本書には、もっと高度な修行が
たくさん記載されていますが、
今回は、管理人が挑戦したモノの
アウトプットになります。
※本当に永平寺の修行僧が
日々取り組んでいる様なメソッドもありました。
今までも、多種多様な
メソッドをこなしてきましたが、
まだまだ知らないモノばかり。
修行僧に倣ったメソッドがあるとは
思いもよりませんでした。
無に近づき過ぎると
喜びや達成感も
他人事となってしまう
副作用的な効果もあるみたいなので、
今後もボチボチとできる範囲で
生活に取り込んでいこうと思います。
またお会いできたら嬉しいです。大樋町
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