はじめに:
良い人は成功するか?
一つの事を粘り強く続けるか、
キッパリとやめた方がいいのか?
エリートコースを歩む人間が、
そのまま成功を欲しいままにするのか?
あくまで科学的な根拠をもって、
既にある成功法則や成功体験
を分析し、
今まで良かれと思っていた考えややり方
がそのまま使えるかどうか?
を求めた本書。
題名からも想像がつくとおり、
往々にして、
今まで良かれと信じきっていた考えは
覆されていきます。
しかし、
本書はそれを踏まえて、
うまくいく方法
も証拠付きで説明してくれるのがミソ。
本書から学んだ
成功理論の新しいスタンダードを
アウトプットします。
学んだこと:
良い人は勝てないのか?
嫌な奴ほどはびこるのか?
こんな話があります。
60人以上もの患者を、
病気や怪我が原因だと偽り、
病院内で亡き者にした医者がいました。
名前はマイケル・スワンゴ。
最も成功した殺人者
と呼ばれる事もあるそうです。
病院の管理者は、
明らかにスワンゴの担当患者に
死者数が多い事実を知りながら、
犯罪を看過せず、
事実を見送っていました。
さっさと警察に突き出せば良いものを、
病院の評判が下がるから
という理由で通報を免れ、
スワンゴはヌクヌクと病院に居続け、
何食わぬ顔で殺人を続けたと言います。
なんとも後味の悪い話です。
管理人も、いまだかつて、
いい性格の上司には出会った事はなく、
オフィスを真渡せば、
声を大きく威張り散らした奴が
高い評価を受けている
様に見えてしょうがありません。
いつの世も、
嫌な奴ほどはびこるのでしょうか。
この問題を見ていく上で、
ポイントとなるのは「期間」です。
『短期間であるなら悪人が勝つ』
が著者の答えです。
では長期的な期間を見るならどうか?
朗報ですが、
良い人が勝てる見込みは
大幅にアップします。
アダム・グラント教授によると、
世の成功者のほとんどは
ギバー
と呼ばれる、
与える人
が占めます。
それに対し、
奪う人(テイカー)や、
ギブハンドテイク(マッチャー)は、
ギバーほど大きな成功を収めることは
少ないと言います。
人脈を意識する時、
何かを得ようとする目的
で人と会うと、
後ろめたさ
を感じてしまうそうです。
弱い人ほど人脈が必要ですが、
内向的な人間は、
後ろめたさを感じやすく、
積極的に人脈を発展できないジレンマを抱えています。
ここでギバーのやり方を
習得すると良いです。
まずは与える
ということです。
久しくあっていない友人などに、
何かを提供できないか
考えてみましょう。
例え相手が真友でなくとも、
誰かを紹介したり、
自分の技術を役立てることが
できるかもしれません。
人生を変えてくれるような
大きな変化は、
むしろ「ゆるい人間関係」から
もたらされます。
与える人ほど成功を手に入れるのです。
ここで注意が必要です。
ヒエラルキーのトップがギバーなら、
最下層にいるのもまたギバー
だからです。
このボトム(最下層)ギバーは、
トップギバーと何が違うのか?
ギバーはそのイメージ通り、
見た目も性格も優しさや温かさ
が目立ち、
そこに付け入られるケース
もままみられるからです。
周りにテイカー(搾取者)が大きれば、
ギバーは食い物にされてしまいます。
そこで著者は、
いわゆる良い人や、
ギバーが取るべき戦略を
教えてくれています。
1 まずは自分にあった池を探す
仕事は何をするかより、
誰とするか?
を意識した方がうまくいきます。
面接で可能なら、
直属の上司との面接を
希望すると良いでしょう。
2 まずは自分から相手を信じる
先に相手に与える。
ことこそ至高の思考です。
まずは自分から歩み寄ってみましょう。
3 裏切りにはしっぺ返しで対応
信頼には信頼で応えます。
しかし、そればかりでは、
相手に軽んじられてしまうでしょう。
ギバーは得意ではないのですが、
相手がテイカーなら、
ギブばかりではなく、
テイクも求めて良いでしょう。
裏切りには裏切りで対応する事も、
時には必要でしょう。
4 ただし許しの精神を忘れるな
裏切りには裏切りで対応。と言っても、
それは「長期的な視点」
で物事を見ているからできる事です。
今はお互いケンカしていても、
謝罪では謝罪で、
信用には信用で対応する用意はあるよ
というメッセージの裏返しなのです。
相手を許す事も忘れずに。
自信は物事を有利に進めるか?
特にリーダーには自信が付き物です。
いつの世も
外交的で自信に溢れ、
指導力のあるリーダーは
社会や国や仕事を引っ張る
必要な存在でしょう。
内向的な性格の管理人からすると、
残酷な事実が痛いほど刺さります。
外交的な人はそうでない人より
リーダーの素質を持ち、
収入が多く、
幸福であるとまで言われています。
成功を収めたいなら、
外交的であることは、
大きなアドバンテージになるようです。
では内向的な人間に
生きる道はないのか?
そうとも言い切れません。
内向的な人間は、
外に出ない代わりに、
中で何かに「没頭」することに長けています。
研究者などに内向的な人が多いとは
聞いたことがありますが、
スポーツ選手にも、
驚くほど内向的な人が多いそうです。
自分の能力を分析するには
それだけの没頭が必要であり、
中で没頭して研究できる選手が
成功を収めるのでしょう。
リーダー気質である。
という点も、
蓋を開けてみると、
外交的な人だけに
軍配が上がるわけではないです。
内向的な人も十分にリーダーに向いている。
という研究結果もあるのです。
内向的な人は、
自信が無いだけに、
準備を怠らない傾向にあります。
対して外交的な人は、
その持ち前の楽観主義で、
多少の心配があっても
「えいや」と強引に進めてしまう場合もあります。
それで上手くいけば良いのですが、
物事はそう何度も楽観主義だけで
上手くいくとは限らないでしょう。
部下の性格も影響します。
判断が苦手な部下を持つなら、
リーダーは外交的な方が上手くいきます。
反対に、
野心的で自分で仕事を進めたいタイプの部下
をもつ場合、
それを尊重してくれる内向型リーダーの方が
上手く仕事を進めることができます。
外交的と内向的、
楽観主義と悲観主義、
自信がある人と無い人。
一体どちらの方が
どちらが良いのでしょうか?
著者の結論は、
「どちらがいいかは今は忘れる」
でした。
どちらも良いところと
悪いところがあるのだから、
どちらが良いということは無い。
とは、
なんとも拍子抜けに聞こえますが、
もちろん他に大事な論拠があるのです。
本当に必要なのは
「セルフコンパッション」
です。
セルフコンパッションとは、
自分への思いやりを持つ
というものです。
何かに失敗した時、
自分を責めることはせず、
失敗を喫しても、そんな時ほど、
「ま、いっか。なんとかなる」と、
自分への思いやりを発揮してみましょう。
簡単なメソッドがあります。
もし次回何かに挑戦したりして、
失敗した時は、
その失敗を友人がしたとしたら、
その友人にはどう声をかけるか?
と思い直してみてください。
失敗を責めるなんてことは
きっとしないはずです。
思いやりのこもった言葉を
かけてあげるのではないでしょうか。
その言葉を今度は、
自分に対して使ってあげましょう。
失敗を許容してしまったら、
『甘え』
に繋がってしまうのでは?
と思った方は心配無用です。
自分への思いやりを発揮した方が、
失敗からの立ち直りが早かった
という調査結果があります。
まとめると、
粘り強く一つの事を
突き詰める生き方にせよ、
早くに見切りをつけて
次のステージを探す生き方にせよ、
一長一短があるし、
そのどちらにも『失敗』は
切り離せないのだったら
その失敗に着目して、
対処方法を学んだ方が良い。
と言うのが著者の意見です。
外交的が良いか、
内向的が良いのか。
にこだわって生きてきた人にとって、
どちらでも良い。
という結論は
確かに題名通り残酷なものかも知れません。
しかし、
その先にはちゃんと、
じゃあどうすれば良いか?
も示されているのが、
本書の良所です。
おわりに:
著者は、
科学的根拠を基に、
世の成功方法を見直し、
私たちに、
真に着目すべき方法
を示してくれました。
このブログで取り上げたのは
その中のほんの一部ではありますが
管理人が特に感銘を受けた知見を
再言語化したものです。
頭で
「何となく」理解している方法
では、
いざ実践していても、
行動も何となくになってしまいがちです。
自分の思っていた方法とは違っても、
本書の題名通り、
それが残酷なほどに違いがあっても、
科学を信じてみる方が、
実践していても身が入ります。
ぜひ読者様にも体感して欲しいです。
大樋町
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
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