第73回【書評】パレオダイエットの教科書【旧石器時代にならおうが正解だった】【決して難しいわけではない】

読んだ本

はじめに

「旧石器時代の狩猟採集社会にこそ
人間の真の能力を発揮する環境がある。」

という概念が今回の要になります。

というのも、
そもそも人間の進化のスピードは緩慢で、
現在のハイテクノロジーやスマホに対し、
脳が適応できていないどころか、
現代人は、
「農業」
により自分で自分の食べ物を作り出す。
という環境にすら未だ適合していない
本書では述べられています。

農業が始まったのが
「たった」1万年前のことです。
え?「たった」?
一万年って、「たった」では済まされない数字では?
思うことなかれです。

なぜなら。

農業が始まる前の時代、
人間が狩猟採集社会を営んだ年月は、
実に「260万年間」です。

農業に人間の身体が適合するには
この先259万年近くかかってしまう
といっても過言ではなく、
狩猟採集社会の歴史が、
農業の歴史の260倍ある事実を見れば、
「たった」1万年と言われても
うなずく他ありません。

260万年間慣れ親しんだ環境にこそ
適合している人間の身体に、
ジャンクフードやカップラーメンが
適合しているとは到底思えません。

本当に好ましい
食べ方
寝方
動き方
とはどんなものか?

パレオとは
『パレオリシック』=旧石器時代の食生活
の略。

学んだことをアウトプットしていきます!

学んだこと

食う


まずは加工食品を食卓から消すこと。

これだけでもダイエット効果があると
本書では述べられています。

ここでのキーポイントは
「セットポイント」
という遺伝子に組み込まれている
調整システムを指す言葉です。

人間には元々体重が適性に保たれるよう
「自動体重調整システム」
遺伝子上にプログラムされている。
というのです。

現代の研究方法では、
絶滅した旧石器時代の人間を
調べるには限界があることから、
旧石器時代の生活に使い生活
をしている「少数民族」に対して
調査が行われます。

少数民族を調査する上で、
まず驚きなのは、
肥満やうつ、不眠症
などに悩んでいる者が皆無であるということ。

とある民族には、
語彙の中にそもそも「不眠」
という言葉自体がないそうです。

少数民族の様に、
セットポイントが正常に機能すると

食べる量を増やす
→空腹感が減り、体脂肪が燃えやすくなる
→体重は変わらない。
食べる量を減らす
→空腹感が増え、体脂肪が燃えにくくなる
→体重は変わらない。

という遺伝子プログラムが作動します。

そしてこのセットポイントを
誤作動させているのが、
前述の「加工食品」です。

太っといる人の食事内容を聞くと、
外食やコンビニ飯が多かったり、
ファストフードを好んでいたり、
食後のスナック菓子が習慣化しているなど、
なるほどなと
思わずうなずいてしまう
内容が多い様です。

恐ろしいことに、
スナック菓子メーカーでは
「脳が中毒となる砂糖の量」
の答えを既に見つけているため、
私たちの脳は、それを食べるだけで
どんどんバグっていくことになります。
まさに
「やめられない、止まらない」状態
が意図的に作り出され、
私たちはまんまとその罠にハマっている
ということです。

加工食品を断つだけで、
重量オーバーのカロリー摂取を
控えることができるだけでなく、
中毒におちいった脳を修復させ、
セットポイントを正常に戻す
とこれだけのダイエット環境が
整うことになります。

食べるものを選ぶポイントは
「原材料がどんなものか
分からない商品は食べない。」
です。

ハンバーガーやケーキなどは
控えて、
逆にコンビニ食でも
鮭の切り身や卵や冷凍野菜などは
どんどん取り入れていくのが良いようです。

まずは一ヶ月から
初めてみましょう。

寝る


少数民族は眠ることにも関しても
とても優秀です。
とある民族には『不眠』を意味する
言葉すら語彙にないというから驚きです。

少数民族の睡眠時間は
意外と短く、
6から7時間
自然に目が覚めるようです。

現代人は5人に1人
睡眠不足と言われ、
日本人は、
睡眠時間が6時間をきると、
寿命が縮む、
肌の老化が進む、
太りやすくなる、
ストレスに弱くなる
判断能力がなくなり貯金が減る
などという結果まで出てくるそうです。

対策アプローチ方法については、

  • 日中の運動
  • ストレス対策
  • 睡眠環境

の4種が紹介されています。

光対策については
ブルーライト対策
功を奏すると思います。

iPhoneでは、
暖色に自動で切り替える機能があり、
午後8時には切り替えることが
推奨されています。

パソコンも
「f•lux」
というフリーソフト
同じ機能で取り入れやすいです。
ブルーライトは
徹底的にカットしてしまいしょう。

日中の運動については
最低でも
1日30分のウォーキング
が推奨されています。
細切れでもオッケーで、
仕事の昼休みに15分、
駅を一つ前で降りて15分。
これでオッケーです。
睡眠の質は65%もアップする上、
日中の眠気も無くなり
集中力は45%アップします。

ストレス対策
コルチゾールを意識する事
が述べられています。

まずは良質な脂肪を取り入れましょう。
市販のサラダ油は避けて
良質な油、
オリーブオイルやココナッツオイル
に変えるだけでも、
身体の炎症がおさえられ、
ストレスレベルは下がるとか。

夕食には炭水化物を豊富に含む
根菜類を食べましょう。
じゃがいもやさつまいもがお薦め。
糖類不足は脳の機能を悪くするので、
脳の栄養となる食材を積極的に取りましょう。

寝床についた後は
呼吸法にも着目します。
『478』呼吸法
とても効くのでご紹介します。

一旦肺の空気を全て外に出し、その後

①4秒空気を吸う
②7秒息を止める
③8秒かけて空気を吐き出す

これを3回繰り返すだけです。
ビックリするほど効果があり、
著者は1週間目には
15秒
で眠りにつく事ができる日もあるそうです。

最後に
眠る環境
についてです。

室温
15.5度から20度
が適温。

寝る前には
40°前後のシャワー
身体を温めると
その後、寝床で熱が下がる事で
眠気を誘発できます。

布団からわずかに足先を出して寝ると、
足がラジエーターの様に
身体の温度を下げる手伝いをしてくれます。

自然音をアプリなどを流しながら
寝るのも非常に効果的です。

管理人は田舎暮らしなので
秋の夜などは
鈴虫などのリアル自然音の中で
眠っております。

本書では無料の自然音アプリ
「Ambient Player」
が紹介されています。

動く


ダイエットと名の付く本を読み、
「運動」とくれば、
「はいはい、キタキタ。
カロリー消費のために、
そりゃ必要でしょうよ?」
となってしまいそうなものです。

しかし、
ことパレオダイエットでは、
「痩せるための運動はしてはいけない」
と驚愕の説明がなされています。

著者によると、
例え運動をしても、
消費できるカロリーは
消費カロリー全体の
たった30%に過ぎない。
と言うことです。

どんなに激しい運動をしても
食事をどうにかしないと、
体重は減りません。

相撲や柔道選手を見れば
毎日の激しい訓練や練習だけでは
痩せることはないことが一目瞭然です。
(上記の選手達は意図的に
体重を増やしているのでしょうが。)

逆説的に、
食事にさえ気をつけいれば
身体は痩せていくことが
可能ということです。

では、
現代人は何のために運動をするのか?

それは

    • 若返り
    • メンタルの改善
    • 頭が良くなる

ことなどが
現代人が運動をすべき真の理由
ということになります。

ワンンルームに住んでいれば、
数歩、歩けばそこは冷蔵庫。
開ければ中にはたっぷりの食料品。

対して

旧石器時代の人間にとって
カロリーを取るとは、
数十キロ以上も歩き、
時には崖を登り、海にもぐり、
獲物を見つけ、走っては捕まえ、
さばき、火をつけ、調理し、
やっと口にできる、
何とも手間のかかる一大事でした。

比べると
明らかに運動をしなさ過ぎる現代人。

旧石器時代にヒントを得た
運動
とは何か?

本書で紹介されているのは
NEAT(ニート)
と呼ばれるテクニックです。

これは直訳すると
「運動性活動熱生産」
という意味で、
いわゆるジムなどでの
「運動」ではなく、
炊事や洗濯、掃除や通勤など
日常生活で消費するカロリー数値を指します。

少数民族の住む地には
当たり前ですが、
スポーツジムや筋トレの道具などは
ありません。

なのに、肥満な人がいないのは
日常生活で、
思いっきりカロリーを消費しているから
に他なりません。

この概念を現代人にも取り入れるのです。

2015年のマドリード大学が行った実験によると

・週3で有酸素運動と筋トレを1時間行ったグループ
エレベーターの代わりに階段を使うなどまめに体を動かすグループ

この2つのグループの
22週間後の結果は
なんと全ての参加者の体重が
9から10kg減り
筋肉量にも大差がなかった
という驚きの結果でした。

本書では、意識して
一日8000歩
を歩くところから
始めましょうとあります。

自分の1日のカロリー消費量を知り、
活動量計を買って、
毎日の消費できたカロリーを記録する。
これだけでも、
運動へのモチベーションが上がり
わざわざジムに通うことなく、
運動のメリットを享受できます。

運動の習慣がなかった私にとっても
これは朗報でした。

更におすすめされているのが、
「スタンディングデスク」
です。

日常の作業を
立ちながら行えるこの
スタンディングデスクを使用すれば、
NEATの数値は自然と高くなること必至です。

≫リンク
以前にもおすすめのスタンディングデスクの記事
を書きましので参考までに。

おわりに

本記事のテクニックは
私が抜粋した、
特に気に入ったもの達です。

本書には
更に詳しく「積極的に食べるべき食品」
おすすめのサプリ
プチ断食HIITの勧めなど
まだまだ紹介しきれない
テクニックが満載。

パレオな世界にもっと
どっぷりと没入したい方は
本書をぜひ手に取ってみてください。
セットポイントを極限状態にして
激痩せした著者
発達した著者の腹筋など
実際に自らを実験台にして得た知見
に触れることができるのも本書の醍醐味!

人間が、その身体の構造上、
どれだけ無理をしているのか?

米作りは始まった時代から既に
体の構造と生活基盤が
ズレているのには驚きの事実でした。

これからはこの
旧石器時代
を基準に何事も自分の人生に
落とし込めば、
より自分の身体を生かして
物事に望めるはず。
良い本に出会えました。

大樋町

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大樋町

初めまして。
大樋町と申します。
「おおひまち」と読みます。
北陸地方住む、アラフォーの読書愛好家です。
日頃は通訳などを生業としております。
良い本は心の友。
私の友人たち(愛読書)から学んだことをアウトプットする場としてブログを書いております。
毎週、月曜日にブログを更新中。(少ないw)
ありがたい事に、
読者様が増えてきたから身を引き締めねばw

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