はじめに
一言「学ぶ」と聞いても
数学や国語などの学校の授業
を思い出してしまうところですが、
この本の
「学ぶ」とは、
それら勉学自体を「どうやって」学ぶか
の説明がされています。
単語の覚えやすい覚え方
数学の理解しやすい理解の仕方
など
科学的に正しく、
数学の勉強、語学の勉強、
など何に対してでも応用が効く
「学び方の学び方」
を習得することができます。
特筆すべきは、
勉学への意欲の高め方
や
自分をその気にさせる方法
など、
やりたくもない「勉強」
を「どうやったら手を付けられるか?」
を自分でアプローチできるようになることです。
「意欲は有るものでも無いものでもない。
自分で作り、育てるもの。」
見方を変えれば、
学びとは野望を叶えるための手段。
言わばこの本は
『自分の野望の叶え方』を教えてくれる本
と言えるのではないでしょうか?
それでは、
学んだことをアウトプットしていきます。
学んだこと
集中する:20分で脳から痛みはなくなる
本書に真っ先に述べてあるのは、
学ぶために集中するという事。
そしてそれに必要なのは
ポモドーロテクニック
です。
5分休む
これを繰り返す方法です。
とてもシンプルなテクニックで、
これが脳にとって正しい
集中力を保つ方法です。
王道と言えば王道テクニックで、
既知の方も多いかなと思います。
本書の特筆すべき点は
王道が王道たる所以は何か?
も述べられている事です。
なぜポモドーロが最強なのか?
理由はただ集中しやすいから
だけではありませんでした。
まずもって、
勉強はやりたくないものです。
「人の脳はやりたくないこと」
に対して意識が向くと
脳の島皮質に『痛み』を伴うそうです。
その痛みは20分ほどでおさまります。
ポモドーロの1回目のサイクルで
脳の状態が整う。
ということになります。
また、
緩急をつけた勉強時間のおかげで
25分の間に脳に収めた知識が
5分の休憩時間で長期記憶に移動します。
ポモドーロで25分勉強したら
インターバルの5分は
スマホは触らないことをお勧めします。
記憶が落ち着く大事な時間なので、
ボーッとする方が効果的です。
管理人はこの5分は
ステッパーで
ただただ歩いています。
終わりの見えない勉強を始めるのは
とても壁が高いことです。
ポモドーロは、
小さなゴールが見えているので
25分の圧倒的集中を作り出せます。
勉強にかかせない
「集中」を25分も保つことができます。
仕事のできる人は
腰が軽く、すぐに行動を起こし、
そしてたくさん休憩を取ると言います。
邪魔の入らない
静かな環境でポモドーロ。
発案者のストップウォッチが
トマト型であったことから
そう名付けられたとされる
「ポモドーロ・テクニック」
理由を伴った王道が最強です。
からの分散:脳全体を使う
ポモドーロテクニックで集中したら、
次は、そのインターバルとして
「拡散モード」という概念を学びます。
集中モードが
『脳の中の迷路を進む』
のに対して、
拡散モードは
『ドローンで迷路を上から俯瞰して見る』
様な状態を言います。
失くし物をいくら探しても見つからないのに
ぼーっとしていたら「はた」と思い出した。
何時間も悩んでいた問題の答えが
シャワー中に突然頭に浮かんだ。
という経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
本書では説明がされていない部分を
管理人の知識で補完すると、
何かに集中しているときは
血液が「思い出す」ために使われている脳の一点に
集まっている状態です。
その後ぼーっとしている時間は
脳「全体」に血液が行き渡っている状態になります。
自動車のエンジンで例えると、
アイドリング状態。
ガソリンがエンジン全体に馴染んで、
いつでも出発できるぞ!
という状態です。
意外にもぼーっとしている時間、
脳の消費カロリーは多いと言います。
脳全体を使うわけですから、
忘れていたものを思い出したり、
いいアイディアがハッと
浮かんだりできるのです。
勉強と言うと、
どれだけ集中していられるか?
に焦点がいきがちですが、
集中を解いた後の
ぼーっとする時間もとても重要です。
勉強に行き詰まったら
この拡散モードで
乗り切りましょう。
学びを深める:ニューロンの結合
新たに何かを学ぶと
脳内では「ニューロン」と呼ばれる神経細胞が
結合することで、記憶を維持します。
ニューロン同士の結合部分をシナプスと呼びますが
このシナプスをより強固に、
より深くすることが記憶を留めることに繋がります。
この章のキーワードは「積極性」
です。
記憶定着の手法としてよく聞くのは、
一度学んだことを「繰り返す」
ことで記憶を定着させようというものですが、
本書で強調されるのは
「忘れたころに思い出そう」
ということです。
いわゆる
分散学習
の薦めがされています。
脳の記憶は繰り返されることより、
「思い出すこと」を通して強化定着します。
本を繰り返し読む、
問題を何度も解いてみる
よりも、学んで理解したら、
3日間、4日間などの一定感覚を空けて
「思い出してみる」
が正しい記憶の定着方法です。
「積極的に」思い出すという作業をやってみましょう。
更に、
シナプスのつながりを強くするには
すでに学んだことにあぐらをかく事は厳禁。
その学んだことを土台として
新たな知識を上積みしていく。
「積極的に」新たな知識を得ようとすることで
以前の知識も思い出しながら勉強します。
記憶は更に深く定着し、
新たな知識も増えるという寸法です。
この本の面白いところは、
この「深く勉強する」という章内に、
運動の薦め
が書いてあることです。
運動をすることで、
記憶の定着を強化することができる。
とあります。
運動で血流を脳に送ることで
脳内では「BDNF」と呼ばれる
シナプスの結合部分に
手をつなぎやすくする
「とげ」のような物を作る工場
を活性化することができるといいます。
一汗かいてからのほうが
学びは捗ります。
作業記憶:作業記憶は吸盤のない4本足のタコ
作業記憶とは、
長期記憶とはまた違い、
情報や考えを
一旦、脳の中に保持しておく、
名前の通り作業場の様なものです。
ワーキングメモリとも呼ばれ、
頭の回転が速い人というのは
この作業記憶が
発達しているからと言われます。
目の前でたくさんのことが
いっぺんに起こったとしても
パニックを起こさず
冷静に一つ一つ対処できたりする人も
この作業記憶が優秀だからです。
ただ、この作業記憶は
一般には一度に処理できるのは
平均で3から4個と言われ、
人によってはもっと少なく
2から3個の事柄しか
処理できません。
なので、
この作業記憶を最大限に
活用するためには、
いくつか対策が必要です。
目の前の情報や考えを理解するのに
頭がいっぱいの場合は、イコール
脳の作業記憶も
いっぱいいっぱいとうことです。
物事をうまく処理したいのなら
なるべく「簡単」にしましょう。
脳は複雑より単純
難しいより簡単を好みます。
学習したことを要点にまとめましょう!
小難しい説明も、
要点をまとめると
びっくりするくらい
簡単になることもしばしば。
些細なことにこだわり、
自分で難しさに
振り回されないようにしましょう。
複雑すぎる問題は
それを「分解」して取り組むことで
作業記憶がいっぱいいっぱいにならずに
処理することができます。
分解した後に、それを
リスト化してメモに落とす
ことで、更に効率良く作業記憶に
作業をさせることもできます。
お試しください。
内在化:覚え方も王道こそ正義
記憶とは理解である。
何かを記憶する時には
その対象を理解しておく必要があります。
理解なしに記憶はできません。
順番として、
習得したい対象の「理解」がまず最初です。
その後に記憶を定着させるわけですが、
ここでも
王道の記憶テクニック
が説明されています。
単語の羅列は
頭文字暗記法
覚えた単語を
よく知る場所(自分の家の中)
に配置して「イメージ」で記憶する
メモリーパレス(記憶の宮殿)法
例えば
「1969年の人類、月への到着」を
「中国陰陽太極図の月」として覚える
(6と9がたがい違いになっている模様の月)
などの様に、
言葉をイメージ化して絵で覚えていく
イメージ化法
などが紹介されています。
そして理解・記憶ときたら
次に「内在化」します。
公式計算の解放を丸暗記したところで
それを使いこなす事はできません。
初めて出会った問題にも
直感でどの公式が答えを導くに
ふさわしいかを導き出したり、
単語をたくさん知っていても
それを「人を惹きつける文章」に
織り交ぜるにはどう使えばいいのか?
など、記憶したモノを実際に使用するために
「内在化」をしましょう。
本ブログ、この場では
良い文章を書くための
内在化の方法を記載します。
「フランクリンの手法」とも呼ばれ、
良い文章に出会ったら
その中の単語を抜き出し、
その単語を使ってその場で
自分でも文章を作ってみます。
元の文章と自分の文章を
読み比べ、
どちらが優れているかを推敲します。
良い文章を書くための内在化は
新聞や書籍や他の人のブログを
読む際に
どんな文章が良い文章か?
を立ち止まって考えてみるのも
良い手段です。
自律性:やる気に頼らない方法
自立性を常に発揮して
何かを成し得る。
これが出来る人は
少数派かもしれません。
やりたくない事を目の前にした時、
それに着手できるのは
50%程度と言われています。
半分の場合、
人は機会を失うので、
ここはやる気に頼らず勉強をいかに始めるか?
を考える方が良さそです。
やる気や意思力、自立性に頼らず
勉強なんか始められるのか?
結論を言うと、
可能
です。
それには
環境を整える所から
始めるべきで、
一旦勉強を始めたら、
-
- 邪魔が入らない
- 集中力を乱すものが周りにない
- スマホを部屋から締め出す
などの環境が有効です。
勉強に集中できる
自分だけの部屋なんて
用意できない!
と言う人も、
自分の机の上は
勉強道具以外は置かない。
部屋の中でも
『このスペースでは勉強しかしない』
という空間で区切る。
などがとても有効です。
『脳は面倒くさい事が大嫌い』
なのは前述のとおりです。
勉強をいざ始める時になって
参考書やノートを
引っ張り出してくる様な環境では、
勉強を始める壁を高くしてしまいます。
翌日、目を覚ましたら、
そのまま机に向かって
すぐ勉強に取り掛かれる様な環境を
前日に準備してしまいましょう。
参考書やノートを
出しておくのは当然で、
更に
ノートのそばにはペンや消しゴムなど、
使う物を全て事前に準備しておけば
勉強に取り掛かれる
可能性は上がります。
そして極め付けは
習慣
を味方につける。というもの。
勉強は
時間があった時にする
や、
とにかく勉強しなきゃ
などのあやふやな態度は
勉強そのものを遠ざけてしまいます。
目を覚ましたら机に向かう
や
水曜日は数学の復習をする
など、
考えることも必要無いくらいに
空気を吸う様に勉強をする
と言うところまで習慣化できれば、
やる気に頼る事なく
勉強に着手できます。
この際にも役立つのは
ポモドーロテクニック
で、
ポモドーロも習慣化しておけば、
勉強を始めても
『すぐに休憩に入っても良い』
と思えば、
勉強を始める壁が更に低くなります。
やる気:とは言えやる気も大事
自律性に頼らず勉強することを
学んだからといって、
やる気が必要ない訳ではないです。
「自分がやる事に価値を見出す」
前記の、
習慣化や環境を整える
というテクニックも
この「やる気」の上にこそ
成り立つものです。
人生において、日々の勉強は
やるべきものだとは分かるけど、
それにプラスアルファで
自分が勉強をするのなら
そのメリットにはどんなものがあるのか?
をリストアップしてみると
勉強に更なる価値が見出されます。
目標を持つことや
計画性を持って勉強に励む
のもやる気につながります。
自分の勉強量を記録したり、
「SMART(スマート)」と呼ばれる計画術も有効です。
S シンプル 具体的に
M メジャラブル 計測可能な
A アンビション 野望を叶える
R リアル 現実的で
T タイム 時間制限を設けた
計画を立てる。
おわりに
自分で闇雲に勉強するより、
どうせなら理にかなった
勉強方法の方が、
やっていても身が入ると言うもの。
一度マスターすれば、
この先の人生でも
大きな武器になると思います。
反対に、
学び方の学び方を
せっかくマスターしても、
勉強をしないなら、
宝の持ち腐れ
になるなのは当たり前。
とはいえ、学生も社会人も、
『何も学ばなくていい』
なんていう環境は少ないと思います。
はからずも、
学びが必要な環境には困らない昨今、
本記事が、読者さまの少しでも
役に立てれば幸いです。
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
ブログ村のアイコン押下で、管理人のやる気がアップする仕様ですw
コメント