第96回【書評】「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」から学ぶ【長寿は厄災か?恩恵か?】

読んだ本

はじめに:

2007年生まれ以降の人は
50%が100歳を超えて生きる。

世界的に平均寿命は延びていて、
その中でも長寿国である日本では、
『107歳まで生きる人』が
二人に一人です。
※2007年生まれ以降に対する予測です

医療の発達や車の性能アップ
国による健康啓発活動の活発化など
人は新しい時代を迎える度に、
その寿命もどんどんと
延ばして来ました。

ただし、寿命が延びた事は
そのまま手放しで
喜んでいいものなのでしょうか?

もし80歳で寝たきりになれば、
その後何十年もの時間を
ベッドの上で過ごすハメになります。
その間の生活費、医療費
働く事ができる40年という時間の中で
準備する事は可能なのでしょうか?

もし定年を迎えても
もう一年長く働く事ができれば、
老後の資産を
更にもう一年に渡って
稼ぐ事ができると同時に
当たり前ですが、
食い潰しの年数を
一年少なくする事ができます。

仕事を引退と同時に、
職場からは退職金を得て、
国からは年金が支給される。
更に自分の子孫にもサポートしてもらえる。
現代に生きる人は、
これらがユメマボロシだと
気づいているはず。

著者リンダグラットンと
アンドリュー・スコットは、
勉強、仕事、引退
と3つのステージで
構成されていた人生設計は終わりを告げて、
次なる人生の形である、
マルチステージ
を意識しなければ、
長寿は厄災となると予言しています。

長寿のメリットを最大限浴するためには、
どんな考え方や、方法があるのか?
学んだ事をアウトプットします!

学んだこと:

前提として

かつて、元々は主流であった
20年ほど教育を受け、
40年ほど仕事をし、
残り10年から20年ほどを
引退者として過ごす。
この3ステージと呼ばれる人生は
年代が若くなればなるほど
実践が困難になります。

本書では
2007年生まれの世代
3ステージをお手本に
60歳から65歳で仕事を引退しても、
残りの人生を謳歌することは難しい
述べられています。

金銭面でも難しく、
精神面でもそうです。
老後、金銭面が不足すれば、
引退後の残りの40年近くを
退屈に過ごすはめになるとも言っています。

そうならないよう、
マルチステージ
という人生戦略が登場します。

人生が長くなることが確定しているなら、
その長くなった分を
引退期間に投じるのではなく、
まだ若い内から、
長くなった分の寿命を
有意義に使っていくというスタイル
今後は主流になると予想されています。

    • スキル習得
    • 人的ネットワークの構築
    • アイデンティティの確立

などのために若い時期の時間を投じます。

アメリカでは
大学を卒業した後も
時間を決めて就職を先延ばしにして、
スキル習得などを優先する期間は
ギャップイヤーと呼ばれていますが、
このギャップイヤーをより効率的に利用したり、
働くまでの時間をより延ばしたりという
工夫が必要です。

一つの仕事をずっと続けるのではなく、
資産運用の様に
「ポートフォリオ」的な考え
が必要になってくるのです。

これからの100年時代は、
ただ一辺倒に
一つの会社に固執して
一つの場所で引退まで働き続ける。
という生き方には別れを告げて、
代わりに、
ある時は働き、
ある時は休み、
その間に新しいスキルを身につけ、
再スタートする際には
新しい分野で有形資産(お金)を得る。
この様な、
「マルチ」な人生戦略
を考え、意識して、
実践していかねばなりません。

このマルチな人生を生きていく上で、
私が特に必要だと感じた概念を
以下で二つ紹介します。

ルーティン・バスティング:変化のない習慣を打破する

変化しなくてはならなくなる前に、
自ら進化していく力。
これが習慣(ルーティン)を
破壊(バスター)する、
ルーティン•バスティングです。

マルチな人生を生きる上で
重要なポイントとなるのは
仕事を休んだり、
その間に新しいスキルを習得したり、
仕事を再スタートしたりすること。
そして
「それを可能にしてくれるスキル」
が必要です。

ヒト一人の人生が100年を超える場合、
一つのスキルを習得したからと言って、
そのスキルだけで
一生を食っていくことは難しく、
新しい分野でのスキルを学ぶことが
とても重要になってくるからです。

プログラミング、
動画編集、
ライティングスキルなど、
巷でまことしやかに囁かれる花形スキル達。
これら花形スキルでさえ、
習得すれば一生食っていける。
とは言えない気がします。
20歳でプログラミングを習得したとして
80年後にその技術は果たして
通用するでしょうか?

ここで述べられる、
マルチ時代に必要なスキルは、
プログラミングの様な具体的スキル
を指しません。
プログラミングが必要ではないと
言っているわけでは無く、
それ以上に必要なのは、
問題が目の前に現れた時の
「挑戦力」や「問題解決能力」、
時代の流れに目をむける
「柔軟性」などです。

私が特に必要だと感じたのは、
今までの自分を『変える』力です。
本書では随所に
「ルーティン・バスティング(習慣の破壊)」
という言葉が出てきます。

人は今まで送ってきた人生を
その後も続けられると思っているし、
続けようとします。
今まさに、
人の生き方に変革が訪れている。
という話をしているのに、
以前の生活にこだわっていたのでは、
元も子もありません。

まずは、
どんな生き方を突きつけられても、
現実を受け入れる対応力や、
受け入れたくない現実を
受け入れなければならなくなる前に
現状を見極めて自ら進化していく。
という姿勢求められます。

人生は習慣のかたまり
という言葉が示す通り、
良い習慣や悪い習慣も含めて、
私たちの毎日は
『習慣』に支配されています。

少しの変化や工夫を毎日に取り込んで、
いざ大きな変化や進化が
目の前に迫ってきても、
物怖じしない様に
ルーティン•バスティングこそ、
人生100年時代に真に求められている
スキルなのだと確信します。

リ・クリエーション:余暇の使い方がキー

余暇は、レクレーション(娯楽)から
リ・クリエーション(再創造)の時代に。

イギリスは産業革命時代、
男女の労働時間は
一日10時間から12時間
という想像もしたくない苛酷さでした。
しかも、
子供も大人同様に働いていた
というのですから更に驚きです。

それに比べ
1980年代までに
余暇時間は週に45時間
にまで増えたといいます。
余暇時間の増加は
1980年代にピークをむかえ
2000年代には週40時間
落ち着いているそうです。

時代の流れと共に、
人の働く時間は減少し、
余暇時間は増加傾向にある。

現代人にはあまり実感が持てない
かも知れませんが、
産業革命時代を思えば、
確かにと納得せざるを得ません。

著者は、現代社会が、
マルチ時代に突入するにあたり、
1週間に5日働き2日休む
というスタイルも見直す時期に来ている。
と述べています。

産業革命時代には、
働き手の運動をとおし、
休日と有給休暇が増加しました。

当時の人々の生活が変化したのと同様、
現代でも、根本的な働き方の変更が
求められているそうです。

既に一部の会社の責任者たちは、
勤務スタイルの具体的変化について、
言及をしています。

週休3日制を導入すると同時に、
1日の就業時間を12時間にする。
や、
キャリアの途中に、
長い休みを意図的に設けると共に、
引退の年齢を75歳まで一気に引き上げる。
などです。

まだ実現に至っていませんが、
実に具体的で現実味のある話だと
思います。

マルチな時代に、
余暇の増加が極めて高い確率で実現する
と言及されている今日、
『余暇の過ごし方』
も見直すべきです。

長い人生では、余暇に、
一日中ソファーでドラマを
ダラダラ見るのに比べ、
運動で汗を流す事の方が、
スリーステージ時代に比べて
はるかにメリットが大きいからです。

産業革命時代の
1日16時間労働から解放された日々は、
それまでの穴を埋める様に、
いくつものレジャー産業を生み出し、
私たち現代人は思う存分、
余暇をレジャーに費やしています。

コンサートホール、
映画館、プロ野球にプロサッカー、
カラオケ、ボーリング、
Netflix、Amazon prime、
Facebook、Instagram、LINEなどなど
自由時間に楽しむものには、
事欠かない現代。

余暇が増えたはずなのに、
時間が足りないと感じるのは、
時間を上手く『使う』のではなく、
レジャー産業などにより
時間を『消費』しているから。
と著者は述べています。

今後のマルチステージの時代には、
自己改善への投資活動に
力を入れるレジャー産業が
台頭するかもしれない。
とも述べられています。

長い人生だからこそ、
積極的な学びの姿勢は
これまで以上に必要です。

レジャー等のレクレーション(娯楽)は
ほどほどに、
スキル習得など、
リ•クリエーション(再創造)への
時間の投資は、
長寿を恩恵へと導く、
武器になると確信します。

おわりに:

今回は、
人生100年時代における
必要な考え方を学び、
アウトプットしてみました。

せっかくの長寿は
厄災ではなく
恩恵として享受したいもの。

学びの姿勢は、
元々大事にしていましたが、
更に身が引き締まる思いです。

かと言って、勉強を
重くのしかかるモノと捉えると
続きません。

できる範囲で、楽しんでお勉強。
その結果として
長寿の恩恵に浴する結果になる。
これが私には合っていると様です。
楽しんでいきましょう。

大樋町

管理人
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大樋町

初めまして。
大樋町と申します。
「おおひまち」と読みます。
北陸地方住む、アラフォーの読書愛好家です。
日頃は通訳などを生業としております。
良い本は心の友。
私の友人たち(愛読書)から学んだことをアウトプットする場としてブログを書いております。
毎週、月曜日にブログを更新中。(少ないw)
ありがたい事に、
読者様が増えてきたから身を引き締めねばw

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