はじめに:
読者の皆様は、
社外でも通用するスキルを持っているか?
と聞かれたら、
いかに回答できるでしょうか。
まだまだ消えない年功序列に頼り、
日々の仕事をただこなす毎日の結果、
学ばないことが習慣となり、
仕事の虫で65歳の定年を迎えた時、
読者様を待つ残りの人生は
一体どんな形をしているでしょうか。
定年退職した高齢者が就く仕事の
トップスリーは、
・工事現場の交通整理員
・マンションの管理人
・タクシー運転手
だそうです。
別に悪くはないですが、
これらの再就職先には、
あなたのキャリアを活かせる場所は
果たして有るでしょうか。
イギリスの名宰相、
ウィンストン・チャーチルは言います
「人は得るものにより生計を立て、
与えるものにより人生を築く」
私たちが65歳で引退を迎えた後に、
社会に与えられるものは有るでしょうか。
年金を「得るだけ」の毎日では
生計を立てることはできても
自分の人生を生きることはできません。
高尚な目的の考察で始まる本書ですが、
そう複雑な事だけを
言っている分けではない様です。
環境を打破し、
イノベーションを起こすには
まずは
「自分から変わる事」
も提唱されているのです。
世の中を変えるにはまずは自分から。
自分がどんな未来に住みたいのか
そのためにどんな事ができるのか。
問いはまず自分に対して行います。
その上でイノベーションを意識するのです。
本書には、
閉塞した日本を明るく変える
イノベーションを引っ張るリーダー
を支える5つのスキル
が記載されています。
1 未来を想像し構想する力
2 行動を起こす力
3 しがらみにぶつかった時の突破力
4 知見と知識の広さを併せ持つπ型ベース
5 場作り力
の5つです。
さらにそれらを実践する
今を生きるイノベーターたちが
5人登場し、
私たちにこの
5つのスキルを教えてくれます。
本ブログではこの中から、
特に管理人が学びを得た内容を
アウトプットします。
世に変革をもたらす、
5つの力をアップデートするため
私たちには何が必要なのか。
一緒に見ていきましょう。
学んだこと:
未来構想力
イノベーションを起こすのは
一人では困難です。
頼れる仲間と一緒に、
チームで取り組む事も時には必要です。
その際重要になるのは
リーダーが示す「ビジョン」
ではないでしょうか。
茫漠とした思考を
誰が聞いてもピンとくる内容に
言語化するには、
高い「知」が必要だと
著者は指摘しています。
また、
未来を構想するためには、
そもそもベースとなる「情報」
にも高い関心を示し、
それを収集する技術や
それら情報が真なるものかを判別するため、
ここでもやはり知が必要です。
平成の30年間続いた経済の低迷は、
日本にある種の「閉塞感」を
生み出してしまいました。
何をやっても「無理」「無駄」だ
との考え方から、
日本の成長はその歩みを
遅く辿々しいもの
に変えてしまいました。
これを打破するためにも
未来構想力は必要です。
スティーブ・ジョブズ、
イーロン・マスク、
セルゲイ・ブリン、
をはじめ世のビジョナリーたちが示す
ビジョンの根底には
未来構想力が欠かせません。
突然、
未来構想力が必要だ
と言われても困惑してしまいます。
とはいえ、
もちろん
未来構想力を鍛えるワーク
も記載されています。
鍛える上での大事な点は3点
1 大きなトレンドを捉える
2 皆の問題を自分ごととして考える
3 明るい未来を描くイマジネーション
です。
未来を見据えるため、
今、世の中で取りたざされている物事
に関心を持ちましょう。
その切り口として
ソサエティ:社会、ニューノーマル等
エコノミー:経済、ステークホルダー等
テクノロジー:技術、AI等
エンバイロメント:環境、グリーン化等
ポリティクス:政治、地政学やポピュリズム等
の5つを意識してみると
世の中が見えやすなるでしょう。
著者は更に
自分ごととして
捉える事ができる社会課題を
踏まえることも有効である
と述べています。
そこには
大きなイノベーションの種
が埋まっていることが少なくなく、
特にSDGsの中に、
自分ごとで捉えたい事がないか
見てみるのも良いでしょう。
イマジネーションは、
シリコンバレーの得意技です。
この先
どんな物が生まれ、
どんな事が起きれば
もっと皆の生活が向上できるか。
彼らは想像力を働かせ、
腰軽く動いて世の中を
20年前とは全く違う姿に
変えてしまいました。
未来を見据えて
皆が変えて欲しいものを得る
一見楽しそうな作業ですが、
本田宗一郎は言います
「苦し紛れの知恵を絞り出す」と。
考えに考え、
飯を食う時も、
風呂に入っていても、
寝ていても考えて、
苦しんだ末に得ることができるのが
イマジネーションなのです。
これら3つを意識すれば
未来構想力は養われます。
実践知
実践知とは、
固定・既成概念やしがらみ、
風習などに捉われる事なく、
個々の文脈に沿って、
正しい判断をする力のことを指します。
その名の通り、
実践を経て得られた知であり、
実践の根底には
行動力が欠かせません。
イノベーションはある意味で、
世の常識から「はみ出す」ことである
と著者は説明していますが、
はみ出す事ができるのは
正しく物後を見て、それを判断し、
杓子定規な目線でなく、
正しく逸脱する事ために、
「事象の本質」
を見極める事も実践知です。
カビより発明された
抗生物質ペニシリンや、
はがれ落ちるポスターから発案された
ポストイットなど
セレンゲティ(偶然の幸運)は
イノベーションには
欠かせないものの一つですが、
この幸運を掴み取るためにも、
実践知が兼ね備わったからこそです。
ではこの
イノベーションに必須の実践知。
その名の通り、
「実践を通した知」を
私たちはどうやって手にし、
それをどうやって
発展させていけば良いのでしょうか?
著者が示す訓練方法は多数あり、
本ブログでは
シミュレーション訓練
に着目してみました。
ロールモデルを探し、
そのロールモデルに沿って
物事を捉え、考えてみる
と言う方法です。
ロールモデルは本でも構いません。
あの時、あの人はどう動いたのか?
それを学び、
自分の考えにトレースします。
学んだことを踏まえて
私だったらどう考え、どう動くか?
を改めて考えてみましょう。
人の真似をすることは
経験の共有になります。
自分だけでは思いつかない経験を
人のやったことを通して
自分にラーニングしてみましょう。
更に
このシミュレーション訓練を発展させ、
本を飛び出して、
「人をロールモデルにする」
と言う方法も「上級訓練」として
紹介されています。
イノベーターは、
その生活圏を
半径5メートル圏内で
過ごすようなことはせず
外に外にと視線を向け、
経験できることには
どんどん挑戦していくスタイルです。
本書には、
日清食品の社則
が紹介されています・
「迷ったら突き進む、
間違ったらすぐ戻る」
など、社員が目指す指針や
コアバリューが明確です。
私たちも、
今までの人生で学んだ事を
「言語化」する事により
実践知を得ることができます。
ただ何となくではなく、
どんな事をしでかすと失敗し、
それを克服するためには
どんな事を試し、
上手くいったのはどんな事か。
そしてそこから得られた
実践知とは何か。
失敗の無い人はいません。
そこから得られた何かは
誰かの為の助けになることも
可能性は高いです。
周囲から、
ルール通りでは上手くいかなかった。
あなたが居てくれて良かった
と言われる様な人間こそが
イノベータです。
ルールをすぐに破ってしまう者、
ルールを遵守しすぎて思考停止の者、
どちらも人材的なポテンシャルは低い
と著者は考えています。
なぜそのルールがあるのか?
本質を見抜き、
「ルールブレイクとルールメイク」
までを考えられることこそが
イノベーションなのです。
突破力を備える
イノベーションに付き物なのは、
しがらみや社内政治、
変わらない風習や習慣などの
イノベーションの「壁」
となるものです。
イノベーターはこの壁にも
多く向き合うことになります。
そしてそれを突破することが
イノベーションには欠かせません。
変革や改革を妨げるのは
会社内の狭い世界に留まらず、
時にはもっとでかい
「社会にま踏み込む」力
も必要になってくる
と著者は説明しています。
閉鎖的な日本は、
文化的な意味からも
このしがらみ等の壁が厚いです。
もし経済が好調であったり
人口が増加傾向にあるなら
改革圧力は自動に働くものですが
どちらも不調な日本においては
期待できず、
より強い突破力が必要です。
会社の常識は
世の中の非常識
とは実は現代に作られた言葉ではなく
以前から裏では囁かれていた言葉だそうです。
社内の非常識に気づき、
それを突破するため、
先人たちはどのように突破力を養い、
そして発揮してきたのでしょうか。
私なりの観点から
特に学びを得たのは、
「自分なりの
ミッション、ビジョン、バリュー
を持つこと」
と言う事です。
ミッションとは使命、
ビジョンとは課題や夢、
バリューとは行動指針
の事です。
目的思考を更に掘り下げ、
自分なりに目的を
より具体的に、
より発展させ、
例えば、
自分ごとだけでは無く、
何か社会に貢献できないか
なども視点に入れてみることが
自己の成長にも繋がると確信します。
本書内の
シャドーワークなる言葉にも
高い関心を持ちました。
シャドーワークとは
その名の通り、
本業の裏で活動する
ということです。
隠れると言う意味ではなく、
一つの仕事に縛られることなく、
多様な視点を持つと言うことです。
本業の土俵だけで、
がむしゃらに仕事をするのではなく、
副業やボランティアなどをはじめ、
自分のオフィシャルな活動の外にも目を向け、
他流試合をする事により、
居心地のいい場所から
腰を上げる行動力や
多様な価値観を育みます。
ビジネスや趣味でも構いません。
それが海外旅行でもいいでしょう。
今までとは違う視点を持てるような
シャドーワークを取り入れてみましょう。
今までとは違う考え方、
価値観に出会うことは、
自分の殻を破る手助けにもなり、
それは突破力に繋がるのです。
おわりに:
昨今、
グローバル企業の役員の中に、
日本人の名は少なく、
そこには
中国人やインド人
の名前ばかりと言います。
著者が、
学生になぜ留学しないのか?
を問うても、
「いく必要がないから」
の一言で思考停止の学生があまりに多く、
学生の視野が狭ばるばかりの現状に
著者は警鐘を鳴らしています。
資源の少ない日本において、
海外に売り込むべきは「知恵」
であるにも関わらず、
それを醸成する機会を自ら失うばかりか、
失っている事にすら思考が至っていない。
とも指摘がなされています。
イノベーションは待っていても
いきなり起こるわけではなく、
イノベーションが起きる「場」
のような下地が必要です。
誰かがやってくれるだろう。
ではなく、
イノベーションに
どうにか自分も関わったり、
起こすことはできないか?
を考える時代が到来しています。
本書は私にとって、
イノベーションに関する知識の
一丁目一番地の本です。
私は今の仕事を愛しているし、
アイデンティティでもあります。
ただ、
そこにすがっているだけでは、
65歳で引退した時、
仕事が終わってしまうばかりか、
アイデンティティまでを
失ってしまいます。
プライドが崩れてしまう人もいると言います。
人生100年時代に、
イノベーションを意識して、
知識人としての人生を築く為、
本書が何かしらのきっかけを
与えてくれるはずです。
人は、
得られるもので生計を立て、
与えるもので人生を築く。
老後は得るだけの人生ではなく、
「築く」こと
が出来るよう
人生で一番若い「今」こそ、
行動を開始しましょう。
大樋町

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