はじめに
人間関係において、
その内分かり合えるだろう
は間違いで、
分かってもらおうと努力することが大事です。
そもそも人は第一印象から抜け出さない。
と言うのも驚きの事実。
ヒトの脳はとにかく効率を好み、
一度下した自分の印象をわざわざ変えるために
労力は使わないものなのだとか。
相手に、よりよく自分を理解してもらう
フェーズ2
に移行してもらうには、
どんなこと
をしなければならいのか。
ヒトを理解し、また
ヒトから理解してもらうためのヒント
がこの本にはありました。
学んだこと
フェーズ2へ移行させよ【ヒトは認識のエネルギーをケチる】
まずは、
自分がヒトにわかってもらうための努力
を圧倒的に行っていない。
と言う事実を認めることから始める必要がありそうです。
ヒトはヒトを見る上で様々なバイアスを持っています。
バイアス一つ一つを紹介すると
大変なボリュームになってしまうので、
代表的な物を一つ紹介します。
確証バイアス
例えば、
相手が何らかの理由であなたを
頭がいいヒト
と認識していると、
他の人がやれば失敗だと判断されてしまう様なことでも、
あなたが同じことをした場合、
他の意図があるのでは?
などと見てくれることがあります。
ヒトは第一印象から
フェーズ2への移行はほぼされない上、
確証バイアスのことも考慮すると
第一印象を良くすること
はとても重要であると言えます。
誤解を生んでしまった時の対処法
しかし、
既に第一印象
で失敗した場合はどうすれば良いのか?
相手に正しく
自分を理解してもらうために
具体的にすべき事は、
どんな事なんでしょうか。
フェーズ1で
良くない印象
を与えてしまった場合には、
かなり思い切った行動が必要になります。
フェーズ2は別名『修正フェーズ』。
相手に
ん、ちょっと思い違いをしていたかも?
と思わせる為に必要な行動を3つ紹介します。
圧倒的証拠を示す
先に述べた通り、
ヒトは自分を周りに理解されている
と誤解し(これを透明性の錯覚と言います)
周りに
自分を分かってもらおう
という努力をしていません。
相手がどんなに
認知的なケチ
であっても、
考え直すしかない
と思わせるレベルで
証拠を示す必要があります。
もし遅刻魔だと思われているなら、
時間通りに出社しても
相手にフェーズ2に
移行してはもらえません。
しかしそこで、
『毎日、1週間の間、
必ず1時間早く出社する』
という行動に出れば、
相手は注目せざるを得ないでしょう。
1時間早い出社が大変だと取るか、
それくらいで誤解が解けるなら楽勝だ
と、取るかはあなた次第です。
自分に対する見方を変えて欲しいなら
相手が、無視できないほどの
明瞭で意外性のある
証拠を突きつけてやりましょう!
相手の公正さを思い出させる
次の方法は、
より高度なテクニック
となり、知略が必要です。
しかし、
それだけの効果が期待でき、
心理実験では、
相手は見方を変えることはもちろん
ポジティブに見方を変える
と実証されています。
それではやり方です。
ヒトは公正であろうとします。
『あなたは差別をしますか?』
こんな質問に首を縦に振るヒトは
いないでしょう。
さらに、
ヒトは自分の道徳心について
他人よりも自分の方が高い道徳心を持っている
という買いかぶりをしています。(バイアスの一種です)
ゴミが落ちていたら、
それを拾ってわざわざ捨てるのは
私くらいだろうな。
などと考えてしまうのです。
そんな自分が
差別や公正さを欠くモノの見方
をするはずがないと改めて気づかせるのです。
ヒトは公正であろうとする。
そこをつけば、
フェーズ2に移行してもらい易くなります。
そのまま、
『あなたには公正に私を判断してほしいです』
なんて伝え方をすると、
溝は深まるばかり。(当たり前です笑)
著者のおすすめの方法は、
自分が公正に対応できなかった体験談
を話すことで
相手に公正さを促す。
と言う方法が有効な様です。
ヒトは過去に公正でなかったことを思い出すと
今度は公正であろうとする強力な欲求が生じます。
「道端で気分が悪くなった時
タトゥーを派手に入れた女性から
とても親切にしてもらってことがあります。
それまで見た目で避けようとしていたのが恥ずかしいです。」「ヨレヨレの服をきて
無精髭のだらしない人が
大学の教授でした。」
など、
自分が公正にヒトを見られなかった経験
は誰しもあるものです。
それをうまく相手に伝えて、
相手からの公正さを引き出すことができれば、
フェーズ2への移行が容易になります。
うまく相手に諭す様に公正さを思い起こさせる。
高等テクニックですが、
練習するだけの価値があると言えます。せばのだれしも人を
野望を叶える為に必要な存在だと思ってもらう。
ヒトがヒトを見る上での極論は
敵が味方か?
ということです。
まずは、
自分が味方である事
を相手に認識してもらうのはもちろんです。
そしてそれから、
相手の成功に欠かせない存在であることを示します。
相手との間に、相互依存的な関係を構築するのです。
心理学用語では、結果依存性といいます。
例えば、
自分から上司に対して、
その「上司と二人で成し遂げる」
様な業務をしてみたり、
相手が大変だと思っている仕事を
変わってあげる
など、相手の成功に欠かせない存在であることを
自分の得意なことでアピールしてみましょう。
一緒にいることを避けられない様にするのも有効です。
人間は、
自分が、明らかに悪い状況に身を置くことになった場合
それでもその状況を
比較的幸せで楽観的に見る
ことで、
長い期間のネガティブなもの
から自分を守る方法を身につけてきました。
心理学用語で「心理的免疫システム」といいます。
コップの水が半分しかない
と考えるより
まだ半分もあると考える方が幸せ
であるとか、
これから長く辛い医学生生活が始まるけど
それは自分のための試練だ。
などと考える心理作用です。
これから歩む道が苦痛で困難な道であると悟った時、
それでもその道を歩き切るため、やり切るために、
人間は、少しでも楽だと考えようとします。
したがって、
もし自分が、
耐えがたいほどそりの合わない相手
とこれから
長い期間
一緒に仕事をするはめになった場合
そのパートナーのことを
「そこまで悪い奴じゃない」
と思ることで、なんとか苦難を乗り越えようとします。
「ヒトは抵抗しても無駄だとわかると
好きになってしまった方が理にかなっている」
と思う生き物の様です。
この心理作用をうまく使って、
娘さんをください
と何度も父親の元を通い込むと
かえって父親から好かれてしまった
と言う話もなるほど合点が行きます。
結論。
もし相手に
悪い印象を持たれてしまった!
と感じた場合には
その人と一緒にいることを心がけたり、
頻繁に接触することで、
相手から自分の良い面を見てくれる
フェーズ2に移行してもらいやすくなります。
相手が嫌がっても、
それでもなにくそと付いてくる相手を
ヒトは毛嫌いするどころか、
好意を持つ様になるのです。
おわりに
なぜあの人は分かってくれないんだろう?
歯痒い思いを何度となく味わってきた人生ですが、
ようやく合点がいく答えを見つけることができました。
言われてみれば当たり前と言うこともしばしばですが
今回の様に、
言われないと分からない
ことの知識を得る素晴らしさも教えてくれた本書。
この場では紹介しきれない
人が避けることのできない色目メガネ(エゴレンズやパワーレンズ)
パーソナリティによるヒトの見方の違い
など、まだまだ興味深いことが盛り沢山です。
心理学観点から、
人を見る目
見られる目
を勉強して見るのも一興です。
今回の本
【名称】 だれもわかってくれない あなたはなぜ誤解されるのか
【著者】 ハイディ・グラント・ハルヴァーソン 著
高橋由紀子 訳
【価格】 1760円
【発行】 早川書房
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