はじめに
釘を抜くために
「バール」を使っている人を見て、
怠けるな!と叱りつける人は
いないでしょう。
テコの原理を使わずに、
釘を抜こうとしても徒労に終わるばかり、
何をもたもたしているのかと
怒られるのがおち。
さっさとバールで抜いてしまえば
すぐに次の過程へ行けます。
アルキメデスが
テコの原理を発見してから、
数多の人間が、
それを使って生活してきました。
テコの原理が良いのなら
努力を最小に、
成果を最大に得る事だって
よしとされてもいいはずです。
少ない労力で大きな成果を得ることを
さも怠けている様に言う風潮や人がいます。
本書内では
人生は厳しい。と言う言葉を
真正面から否定しているわけではなく、
不要なところに努力を費やして
燃え尽きてしまう前に、
やり方を変える方が良いのでは?
と伝えています。
本書の著者はかの
「エッセンシャル思考」
の著者でもあります。
エッセンシャルな思考で、
本当に自分の人生でやるべきことは何か?
を探しました。
それでも。と著者は続けます。
それでも人生でやるべきことは多いと。
選び抜いたやるべきことを
「どうやるか」を示したのが
本書「エフォートレス思考」です。
もうダメだと燃え尽きてしまう前に、
重荷を減らすための
工夫の方法を知りましょう。
エフォートレスな
精神、行動、しくみ
これらの3つの概念から学んだことを
アウトプットします。
学んだ事
エフォートレスな精神:思考をリリースする
エフォートレスな精神とは、
頭の中がスッキリと
リラックスした状態です。
疲れている時には
簡単にパートナーと口論になり、
パソコンを殴りつけ、
子供を叱りつけてるなどとんでも無い
間違いをしてしまいがち。
疲れて帰宅した日は、
ゆっくりシャワーを浴び
夕飯を楽しみ、
充分な睡眠を取れば、
昨日の自分にビックリするほど
冷静で素晴らしい選択を取れるはずです。
頭の中がスッキリと
リラックスしているからこそ
今ここに集中することができます。
少しの努力で、
それを上回る成果を得る。
そのためのアイディア。考え方。
これらが浮かんでくるわけです。
大変な仕事が目の前にあるなら
それを楽しむ方法を考えるなどの
エフォートレスな「転換」。
そもそも疲れて
頭の中がごちゃごちゃした状態から
「回復」するということ。
目の前のことに「集中」すると言うこと。
など、
本書には、5つの
エフォートレスな精神
が述べられていますが、
私が特に注目したのは、
エフォートレスに、
思考を「解放(リリース)する」という
考え方です。
解放(リリース)とは
子供の頃の夢を
大人になってから叶えてみても、
どこかしっくりこない。
この感じを味わった事は無いでしょうか?
ホールケーキを真ん中から食べてみたり、
昔買えなかった高額のおもちゃを
衝動買いしてみたり、
箱買いで無理やりオマケおもちゃを
コンプリートしてみたり。
やってはみたものの、
後味の悪さだけが残る。
これらは、
頭の中に昔の余計な思考が
こびり付いていただけ
なのかも知れません。
必要のない思考を
ずっと大事に取っておいても、
大人になってからの子供遊びの様に、
良い事はあまりない様に思えます。
リリースにより、
必要のない思考を手放せば、
以後は、
無駄にイライラしたり、
ずっと頭に嫌な気分が残るなど、
必要のない思考に
悩まされなくなります。
リリース方法の中でも、
特に私が日常に取り入れているのは、
『嫌な事が起きたら感謝する』
という、感謝メソッドです。
無いものに目を向けると、
今あるものも失ってしまう。
今あるものに目を向ければ、
無いものが手に入る。
目の前でイラッとする事が起きても、
イラッとする事ができるのは、
今自分が健康で外を出歩けているから。
上司に怒られるのだって、
ちゃんと職に着けて、
朝目が覚めて、
仕事に行きたくない衝動に
打ち勝ったからこそ。
嫌な事が目の前で起きた瞬間に
感謝できることに目を向けると、
不思議と頭がスッキリします。
私の日常では、
イラつく事には事欠きませんが(汗)、
ずっとイラついているくらいなら、
さっさと感謝して次に進もう。
と思えるくらい、この感謝メソッドは
優秀なメソッドです。
また、感謝すること自体に
山のようなメリットがあり、
感謝することが多い人は、
免疫能力が高く、血圧も低い、
寿命まで長いと言う研究結果があります。
エフォートレスな行動:シンプルさを極める
エフォートレスな精神を培い、
頭をスッキリ、リラックスさせた後には、
行動も起こしやすくなります。
エフォートレスな行動とは
少しの努力で大きな成果を得ること。
その真髄は楽をしようという発想ではなく、
自分のペースでコツコツと
着実に進むことを指し、
地道で自分にできることをするのが
結局は早道であり、
その「余裕」が成果を
継続的に招いてくれる。
と言う考え方です。
シンプルさを極める
行動の章を大きくまとめると
「シンプルさ」
とう言葉に集約されると感じました。
目標を明確に定めて、
目標までの道筋を細かく設定し、
その後、
確実に一歩を踏み出す。
踏み出した一歩をその後も継続する。
結果、無理のない余裕が成果を
招き寄せます。
これらを達成する為にも、
まず必要なのは、
コンパクトでシンプルである事です。
小さな努力で大きな成果を得るという
エフォートレスな行動の正体は
自分にできる確実な行動を、
無理なく着実に進めていく事です。
シンプルさは、
歩みを後押ししてくれます。
例えば、
ダイエット成功させたいなら、
その道程にシンプルさを絡めると良いです。
一体どうすれば体重が減るのか?
運動の手段を取るというなら、
どんな運動なら習慣化できるか?
ウォーキングを選んだなら、
どうすればウォーキングに
確実に一歩を踏み出せるのか?
目標をどんどんと明確化して、
最終的に自分が何をすれば良いのか?
まで、細分化してしまいます。
それは、
『スニーカーを常に玄関に配置して
いつでもウォーキングに
出発できる環境にしておき、
サボりそうになったら取り敢えず外に出る。』
かも知れないし、
『いつでも手に取れる場所に縄跳びを
置いておき、体重計に乗ったら縄跳びをする。
を習慣化する。』
かも知れません。
いずれも極限まで
やるべき事をシンプル化しています。
シンプル化するということは
無駄な過程を全て省く。
という作業でもあります。
ダイエットのために、
スポーツジムに通う。
そのためには、
まずは自分に合うジムを見つけて
契約の手続きをしなければなりません。
いざ運動をしようと思ったら、
まずジャージに着替え、
シューズやタオルなどをバッグに詰め込み、
汗をかいた時用の着替えを準備し、
プロテインをジューサーに準備し、
車に乗り込み、
ジムに出向き、やっと運動を開始する。
これでは運動の習慣が続くとは思えません。
うんざりです。
極限まで手順や過程を減らすことで、
よりエフォートレスな行動ができます。
エフォートレスなしくみ:自動化する
一対一の努力と成果ではなく、
一に対してその何倍もの成果を得る。
努力一に対して、
それ以上の成果を得る。という考えが
エフォートレスなしくみ
作りです。
一夜漬けの勉強では、
せっかく勉強したことを
翌日には忘れてしまいます。
勉強1に対して成果が1です。
これはエフォートレスとは呼べません。
それに比べ、
古典や古くからある戦略など、
物事の「原則・基礎」を頭と体に叩き込めば、
その知識は、人生で常にあなたの武器となります。
勉強1に対して、成果は無限大です。
一夏のために一ヶ月だけダイエットするより、
自分の健康のために
食事の方法と量を最適化すれば、
一生太ることはないでしょう。
この様に、
1に対して10も20も
成果を出せる方法があります。
肝心なのは、
目先の手軽さに囚われるのではなく、
手間でもその真髄を見極めて
アプローチすることです。
会社でパワハラに合った場合、
転職すれば確かにパワハラはなくなりますが、
転職先にまた意地悪な上司がいないとも限りません。
転職するより時間はかかりますが、
コミュニケーション術を学んで、
自分の生き方を根本から変えれば、
いつ何時パワハラ上司が現れても
対処できます。
1に対して何倍もの成果を得られますが、
楽な道を行くというわけでは決してありません。
物事の真実を学ぶのは大変な時間と労力が必要ですし
毎日の食事を最適化するのも、
日々の食事研究が欠かせません。
パワハラ回避のコミュニケーション術にしても
一朝一夕で身につくものではないと思います。
しかし、
何度も努力する必要はありません。
一度努力すれば、その先ずっと
成果をもたらせてくれるのです。
エフォートレスなしくみの中でも、
私が特に気に入ったのが、
この自動化という考え方で、
さらに「リスト化」することで、
自動化を更に簡単にします。
リスト化
リスト化の良いところは、
考えるという作業が事前に完了すること。
と著者は述べています。
私にはこの言葉が刺さりました。
頭脳明晰な外科医が、
なぜガーゼを取り除かないまま
傷口を縫合してしまったのか?
歴17年のパイロットが、
なぜ操縦桿のロックを外さず操縦し
ボーイング社が開発した戦闘機を
墜落させてしまったのか?
答えはうっかり忘れてしまったから。
リストさえあれば簡単に回避できたことです。
やるべきこと、忘れてはいけないことを
リストに書いておけば、
思考を自動化することができます。
極めてシンプルですが、
効果は絶大で、
経験豊富で頭脳明晰な医者や軍人でも
犯してしまう様なミスや失敗を
なくすことができます。
何をリスト化して準備するのかは
応用が効きます。
私は早速、
目が覚めてからの
ルーティーン作業のリストを
作成してみました。
休みの日には、
靴下を履くかどうかで悩んでいたりしましたが、
解決しました。笑
おわりに
毎日、時間に追われる様な生活の方は、
必読の一冊です。
小さな努力で大きな成果を得ることは、
不可能ではないし、
ましてや怠惰なわけではありません。
著者も、楽をせよ。と言っている分けでもありません。
発想の転換次第で、行動のとり方次第で、
頭をスッキリさせて、
余裕をもって行動をおこして、
それを仕組み化する。
前述のとおり、
一度憶えてしまえば、
今後の人生で多大な成果を運んでくれる、
至極の一冊をどうぞお手元に。
大樋町
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
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