第133回【書評】なぜ「やる気」は長続きしないのか。から学ぶ【感情は味方】

読んだ本
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はじめに:

食べたい!
という衝動を抑えるのが
意志力や自制心です。

今までは、
意志力・自制心が正義で、
「食べたい」という感情は悪である。
というのが私の中では定説でしたが、
今回ご紹介の本では、この
「感情は悪である」という考え方が
神話であったことを教えてくれました。

感情が本当に不必要であるなら、
進化の過程で遠くの昔に
なくなっているはずである。
と著者は説明しています。
食べたいや眠たいなどの感情を
抑えるのが意志力である。
という考えの真逆を説明しているのです。

意志力や自制心を発揮するために
必要なものこそ「感情」であった。
という衝撃的な事実がそこにはありました。

タイトルの
「やる気はなぜ長続きしないのか」
の答えをここで回答すると、

感情の力を使わず、
意志力や自制心で乗り切ろうとするから。

になると思います。

では、
私達の意志力を助けくれる感情たちとは
一体どんなものか?
それは「社会的感情」と呼ばれる、

・感謝
・思いやり
・誇り
の3つを指します。

これらの感情とうまく付き合えば、
意志力や自制心、習慣などに頼らずとも、
勉強や運動のサボりぐせ、
ダイエット中の誘惑、
上司へ思わず反抗したくなる衝動
などを抑えることができると言います。

それでは今回も、
本書から学んだことをアウトプットします。

学んだこと:

時間割引

心理学の世界には、
時間割引という言葉があります。

人は未来の報酬を過小評価してしまう。
という特徴のことです。
遅延による価値割引、
遅延割引などとも呼ばれます。

1年後に1万円もらえるか
今2千円もらえるかの選択肢に対し、
ほとんどの人は「今の2千円」を選びます。

有名なマシュマロ実験の映像を見てみると、
子どもたちは、
我慢すれば、マシュマロを2つもらえると聞いても、
目の前のマショマロを眺めながら、
ほんの少しの時間我慢することが
やけに苦しそうに見えます。
(その姿は愛らしくもありますが)
人は未来の報酬を過小評価し、
「今確実に手に入る選択肢」を選びます。

どれくらい過小評価するのか?
「年次割引係数」
という具体的な係数として
導き出すことができます。

それによると、
人の抱く割引係数は「0.17」。

未来の報酬10,000円の魅力は
今、目の前にある1,700円の魅力に
負けてしまうのです。

夏に向けて体を鍛えれば、
海でモテモテになれる。
という未来の報酬は過小評価され、
今、目の前にあるクッキーが我慢できません。
老後のために貯金をした方が
安定した未来が手に入るのに、
衝動買いに屈してしまう。
和達たちは、未来の目標に対し、
たった0.17倍された魅力に
負けてしまっている現実を
受け入れなければならないようです。

この現実を受け止めた上で、
感情を味方につければ、
今まで頼みの綱だった意志力や自制心に頼らずとも、
時間割引に対抗できるようになります。

感謝する

他人に何かを手伝ってもらった時、
ありがたいとは言え、
「やれやれ、お返しをしなくては」
面倒に感じていたのでは、
時間割引に対抗する力は得られません。

人に助けてもらって、
お返しをしなければという
責任を感じている様な場合、
それは、「借りを作った」という感情であって
感謝とは異なるものです。

金銭的感覚で考えると分かりやすく、
数千円の贈り物をもらい、
相当するお返しをしなければと思うより、
自分の子供が時間をかけて書いてくれた絵
をもらった時の方が
嬉しいという人も多いです。

誰かが自分のために
手間や時間をかけて何かしてくれた。
という行為に対して、
「借り」ではなく、
「恩」を感じることが感謝になります。

著者曰く、
感謝とは未来に対して抱く感情である。
とのこと。

誰かの恩に報いるために、
誰かのために行動を起こす時、
妙に何事も「うまくいく」
感じた経験を持つ人は多いはずです。

感謝は意志力や自制心に頼ることなく、
私達を誘惑や衝動から守ってくれます。

感謝は「社会的感情」です。
人は誰かを思って行動を起こす時、
いつも以上の力を発揮できるようです。

本書には、
感謝の感情を多く持つ人は、
仕事や学業成績が良く、
健康にも良い影響を受けているという
実験結果も掲載されています。

感謝の感情を多く持つ人は、
先に述べた時間割引が起きにくいです。
試験で良い成績をおさめるために、
テレビやスマホを見る時間を
割いて勉学に励みます。
ダイエットを成功させるために、
眼の前のスナック菓子を我慢できます。

研究によると、
感謝はその人の性格にも依る所も
大きいのですが、
「自分の性質」にまで
もっていくことができます。
感謝を意識することで、
「感謝する性格」に
意識して変わることができます。

感謝する。
と一言聞けば、
そんなことは当たり前だと
言わんばかりですが、
現実でそれをちゃんと意識できているか。
本書は思い出させてくれます。

思いやる

「思いやり」の感情もまた、
時間割引の影響を抑えてくれます。

習慣的に瞑想をする仏教の僧は、
他の人より、
思いやりの感情も持ちわせている。
という研究結果があります。

禅宗の僧たちは、
欲を抑えるよう自戒し修行を始めます。
一度の禅修行の中で、
何時間も座り続けることもあります。
自制心がないと無理だと思います。
というより、自制心を養うための禅であり、
禅により自制心を醸成した僧たちは、
思いやりの感情を
持ち合わせることが多いというのです。

禅や瞑想による「思いやり」の醸成は
時間も手間も、それこそ努力も必要ですが、
本書では、逆の道順を辿ること。

「思いやり」を醸成することで
自制心に頼ることなく時間割引の影響を抑える。
という方法が述べられています。

禅や瞑想をマスターするためには、
最優の師匠を見つけ、
長い時間を費やす必要がありますが、
本書では。それに匹敵する方法として、
「共通点の発見」
による思いやり実験を紹介しています。

人は他人に対して、
「共通点」を見つけるだけで、
親身に仲間意識を醸成することができます。
人間とは単純なもので、
ほんの数分、同じ動作を繰り返すだけでも
共通点を見出して、
親近感を抱くこともできます。

家族のことを思い浮かべてみると、
なるほど自分の子供のためとなると
なんの苦労も感じない親は、
思いやりを発揮して自制心を高めています。

家族とは、「共通点」どころか
自分の社会の一部、
もっと極端な言い方をするなら
体の一部と言っても過言ではありません。

我が子のためなら、
火の中にも飛び込もうというのですから、
思いやりの力はとても影響力が大きい
直感的に理解できます。

我が子を守る親とまではいかないまでも、
会社の上司に、
「どこか自分と似ているんだよな」
と共通点を見つけられれば、
「思いやり」の感情が芽生え、
ちょっとした愚痴にも、
意志力を使わずに
乗り越えられるかも知れません。

誇りを持つ

誇りは「プライド」とも訳されますが、
プライドが高い。という言葉に
悪いイメージを抱く人もいるかと思います。

プライドが高い人は、
根拠のない自信がたっぷりで、
自分の考えを折ることもなく、
高飛車です。
「プライド」は七つの大罪の一つ
「傲慢」とも訳されます。
ここで取り上げるのは、
謙虚さを伴う「誇り」であって、
傲慢さではありません。

この誇りは、
傲慢とはどう違うのでしょうか。
本書において誇りとは、
「称賛」がポイントだと述べられています。

他人からの称賛により、
心に抱く誇りこそ、
意志力に勝る社会的感情なのです。
社会的感情なので、誇りは
一人で勝手に思い込む傲慢とは
一線を画す、全く違う概念です。

あなたは自分のどんなところに
誇りを持っていますか?
この質問にすぐに答えられるような
誇りを持つことは今後の人生で
とても役に立ってくれます。

周りから称賛を受けて、
謙虚な誇りを持てた場合、
その誇りの感情は
様々なメリットをくれるからです。

忍耐力が必要な作業へ取組む時間が
「40%」増えます。
長期的に努力が必要なことにも強くなり、
運動や勉強などに対し、誇りを持つ人ほど
好成績を叩き出します。
日々の誘惑に打ち勝つ可能性も高くなります。
時間割引も起きにくいです。

ではそんな誇りをどうやったら持てるのか?

方法は2つ紹介されています。
1つ目は
どれくらい誇りを持てるかを想像する
というものです。

もしあなたがダイエット中であり、
今現在、何か食べることを我慢しているとします。
その時に、
「もし今食べるのを我慢できれば、
どれほど誇りに思えるだろう?」
と想像してみるのです。

大抵の人は屈してしまう誘惑に
もし自分なら打ち勝つことができたなら
どれだけ誇らしいでしょう?

誇りは社会的感情です。
尊敬する誰かに今の自分を見られた時、
どれだけ胸を張れるか。
もし意志力の必要性を感じた際には、
想像力を使ってみてください。

2つ目は
歩みの記録を取る
というものです。

今日まで歩んできた道は、
決して平坦ではなかったはずです。
自分の毎日を日記に記せば、
自分の誇れる経歴を証明する資料にもできます。
確かな証拠を自らの目で見ることができます。

物理的な証拠をもっていれば、
自分への誇りをさらに高めることができます。

未来の誇りを想像し、
物理的な記録で誇りを高める。
二重の方法で、
誇りを高めることができます。

おわりに:

意志力、やる気、根性、自分を叱咤する、
などの「認知的行動」を頼って、
やり抜く力を無理やり発揮しようと思うと、
それによるストレスから、
心と身体を傷つけてしまいます。

反面、
人と人とをくっつける接着剤の感情である
感謝、思いやり、誇り
の感情とうまく付き合えば、
デメリットが一切無く、
普段とっつきにくい「社会」というものと
簡単に寄り添い、作りだすこともできます。
それにより意志力や自制心に頼ることなく
「やる気」を継続できます。

人間、孤独に一人で生きていくのも
一つの道ではあります。
それでも、
家族や仲間達と一緒に過ごせば、
幸福でかつ成功をも左右するとなれば
なるほどそっちも良いのでは?
と思わせてくれた本でした。

大樋町

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大樋町

初めまして。
大樋町と申します。
「おおひまち」と読みます。
北陸地方住む、アラフォーの読書愛好家です。
日頃は通訳などを生業としております。
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