はじめに:
死を連想したり、
自分の人生の最後を想像してみたり、
残りの人生の時間を
より具体的に意識したりすると、
仕事や私生活でも、
コミット力が向上、
パフォーマンスがアップする。
という研究結果があるそうです。
自分の死を想像するなんてメンヘラか?
と思われそうですが、
ゴールがある事ほど
頑張れそうな気がしますし、
もし余命が分かるなら、
本当にやりたい事にコミットするのは
当たり前ですから、
死を連想するとパフォーマンスが
上がるというのは、
本能的に理解できます。
今回ご紹介の本は、
人の死を看取る仕事に多く携わった
介護士が書いた本です。
著者のブロニー・ウェア氏は
その持ち前のパワフルさと人望で、
患者との間に信頼を気づき、
死を受け入れた患者が
家族にも明かせない胸の内を聞き届ける。
と言う役割を担っていきます。
病気で治る見込みがないと知った人々や
寿命を悟った人たち、
彼らは今際の際にどんな事を後悔するのか?
自分と死を重ねて、
後悔のない人生を生きる為には
私達は今何ができるのか?
それを教えてくれます。
本書内には死を間近にした患者が著者に対し、
「あなたは死ぬ時に後悔が『できない』のよ。
だって私達が何に後悔しているかを
あなたはもう知っているのだから」
と冗談めかして語りかけるシーンがあります。
著者は、後悔にはとある「傾向」があると気づき、
その主な後悔を5にまとめて本に綴りました。
死を間近にした人達が
後世に残る私達に伝えたかった事とは?
とても深く考えさせられた一冊です。
では、学んだ事をアウトプットします。
学んだ事:
本書でいう5つの後悔とは
2 働き過ぎなければよかった
3 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
4 友人と連絡を取り続ければよかった
5 幸せをあきらめなければよかった
の5つです。
私が特に感銘を受けたのは
働き過ぎなければよかった
との後悔についてです。
働き過ぎなければよかった
著者の患者は、
決して「働きたくない」と
語っているわけではありませんでした。
むしろ、
人生にもまれて意義を見いだし、
その末に見つけた自分の仕事を
とても愛している人さえいました。
それでも。
まもなく人生を終える事を知った人達は、
働き過ぎたことを後悔していました。
とある患者の1人は経営者でした。
名前はジョン。
経営者として成功したジョンは
仕事自体を面白く感じており、
そして経営者としての立場も
大いに利用しながら
人生を謳歌したといいます。
ジョンはいい歳になっても、
自分で築いた地位を手放す事ができず、
妻から早く引退してほしいと
懇願されながら、
もう一年、もう一年と
環境を変えることを先延ばしにした結果、
妻に先立てれてしまい、
妻と一緒にゆったり過ごしたり、
旅行に出かけたりといった、
仕事引退後の俗に言うゴールデン期間を
妻と1秒たりとも過ごすことはできなかったそうです。
このジョンをはじめ、今際の際に、
働き過ぎた事を嘆く人は
とても多いと著者は言います。
『あなたはそうならないで。』
と懇願する患者たち。
反対に、
もっとお金を稼げば良かったと
後悔する人は1人も登場しません。
私の場合は、
いつ仕事が引退できるかと
指折り数えてしまう様な人間です。
仕事を愛した人でも、
働きすぎに後悔しているのですから、
今のままで人生最後の日を迎えるなら、
きっと後悔している事でしょう。汗。
答えを知って毎日を過ごすのは、
逆に難しいのかも知れません。
答えを知っていれば行動に落とせる
と言うわけでもないからです。
仕事はある意味その人の人生。
簡単に時間を削れば
それでいいとも思えないのです。
だからこそ、
今この本を読んで、
または、このブログを読んで
大事な人とのひと時や、
愛すべき趣味に興じる時間など、
本当に自分が後悔しない程度には、
重視するべき事が自分にはあるのか?
考えるにはよいチャンスだと
私は思うのです。
もし次に残業をお願いされた時、
今のあなたならどうしますか?
勇気
前項の働き過ぎた後悔にせよ、
友人にもっと連絡すれば良かった
などの他の4つの後悔にせよ、
どの後悔にも言える事は、
その後悔をしないためには
「勇気」
がキーポイントだと言うことです。
死の淵にある患者たちに中には、
勇気こそが後悔を無くす為に
最も必要なものだ訴えかけています。
ありがとうの一言でも
改めて口にしようとすると
なんだか気恥ずかしいもの。
両親ならまだしも、
それが友人となると
私にはちょっと壁が高いです。
尊敬している上司からの残業の依頼を
どうして断ることができるでしょうか?
何十年も続けてきた環境を変えるなんて、
勇気を発揮せずには不可能でしょう。
5つの後悔が
どんなものかを知っていも、
それだけの知識だけでは、
死ぬ前の後悔は
消せないのかも知れません。
5つの後悔を知った上で、
どうやって勇気を発揮するのかを
自分で考えてみることが
何より大事なのではないでしょうか?
勇気と聞いても、
自分にそれがあるかどうか
今ひとつピンとこない所もありますが、
勇気が必要である
と頭の片隅に置いておくだけでも
大分、行動も変わった様に思います。
母の日やホワイトデー、
友人の誕生日など、
イベントデーはチャンスだと
分かりました。笑。
今がチャンスと分かれば、
ふとした瞬間でも勇気は発揮される様です。
「次の機会に」と言う言葉は、
なるべく無くす様にして、
その時にできることは何か?
に集中して勇気を発揮すれば、
実行後の爽快感は、
確かに後悔を消してくれている。
と実感できます。
勇気。
口にすると、
ちょっと照れくさい響きです。
今回の本に登場しなければ、
改めて思い起こすことも
なかった事と思います。
しかしここは一つ、
人生に後悔しないため。と思い直し、
多少恥ずかしくて照れ臭くても、
積極的に発揮していけば、
より良い人生になることは必至です。
感謝日記
著者は感謝日記を
綴っているそうです。
一日の終わりに、
今日あった良いことを3つ書き出す、
と言う「スリーグッドシングス」。
このテクニックにも似ている習慣を
著者はもう何十年も続けているそうです。
良いこと日記にはもちろん、
科学的に認められた良い影響があります。
ポジティブ感情は
無理矢理、頭で考える
「ポジティブシンキング」では意味がなく、
本当に心からポジティブになる必要があります。
日頃から良いことに目を向けられる人は
このポジティブ感情へのアクセスが
とても上手です。
感謝によるポジティブさがあったからこそ、
著者は、死の環境に身を置いても
自分を失うことはなく、
死の淵にある人たちからの懇願、
例えば、
働き過ぎるな、
自分のやりたいことを諦めるな、
気持ちをちゃんと伝えよ
などと言ったアドバイスに対し、
胸を張って
「大丈夫です。私は実行しているし、
これからも皆さんの言葉を実現します。」
と回答できたのだと思います。
著者は、自分が受け持つ患者と
親友と呼べる関係になるまで心を開き、
また心を開いてもらえました。
だからこそ、他の介護ヘルパーでは
聞くことができない、
素晴らしい話を聞けたわけですが、
もし、患者の死に出くわす度に、
打ちひしがれていたのでは、
きっと毎回の仕事を
全うできなかったと思います。
親友の死に毎回対抗できたのは、
日々、感謝できることを見つけては
精一杯の毎日を過ごせているからこそ、
いつ死を迎えようとも、
後悔なくその死を受け入れ、
かつ前に進めたのではないでしょうか。
日々の感謝をしさえすれば、
後悔なく過ごせる充分条件だとは
言い切れませんが、
日々の感謝に救われるということは
あると思えました。
おわりに:
死を迎える患者には
もう何も失うものはありません。
金も地位も名誉も必要なく、
プライドも尊厳までなくなるそうです。
年若いヘルパーに裸を見られ、
下の世話も介助してもらうしかない。
人の尊厳すらなくなると人は何に後悔するのか?
本書の主張はそこにあります。
患者達は
もっとお金を稼げば良かった。
心のうちに秘めた思いを
もっと作っておけば良かった。
とは考えません。
これらの言葉と、
私たちの日頃の行動を照らし合わせれば、
より良い毎日を過ごすことができると
私は信じています。
大樋町
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
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