はじめに:
高いIQ、輝く学歴、
溢れんばかりの自信、
ポジティブ思考、
地道に努力できる忍耐力(グリット)、
などなど。
羨む才能を持つ人は多く、
彼らのような才能を一つでも
自分が持っていれば、
人生違っていたのではと
悲嘆にくれてしまいます。
しかし、
今回の本は、
才能なんてものは曖昧な概念で、
この世で唯一成功に導いてくれる
「才能」なんてものはない。
をあくまで「科学的に」説明し、
その対策を教えてくれます。
そもそも、
成功の法則を見つけ出す方法は、
ドロドロの野菜スープから、
食材を抜き出す作業
の様なもので、
難しいというより、
そもそもが無理なのだと著者はいいます。
ではどうすれば良いのか?
答えのヒントは
「適材適所」です。
才能とは「かたより」である
との概念を学ぶことで、
誰にでも活躍の場は開けます。
今回は、
それが「絶対の法則だ」と
信じてやまなかった
才能達の神話
を明らかにし、
科学的な才能の発揮方法には
どんな事をすれば良いのかを
アウトプットしていきます。
学んだこと:
IQが高いだけでは成功しない
頭がいいことは、
成功を掴むまでには
絶対に役立つものだと
思われていました。
頭が良くて困ることなんてない。
理解が遅いより早い方が
仕事の覚え方や進め方に都合がいいし、
理解度が深ければ、
周りが気づかない様なことに気づき、
より良いアイディアも
湧きそうな気がします。
しかし、
科学の世界では、
IQの高い人はが社会に出ても、
あまり成功しない。
との調査結果があるそうです。
IQが高すぎると、
その頭の良さが災いし、
・上司と衝突する
・周りと意見を合わせられない
・個人プレーに走ってしまう
などの弊害も生んでしまうそうです。
科学の世界では、
IQが高い人は、
社会に出て人間関係で苦しむ人が多く、
人間関係の質が低い。
事がなん度も報告されている。
との事。
かのGoogle社も、
10年も前から、
頭の良さやIQを重視することを
「止めている」そうです。
IQの高さがその威力を発揮するのは
エンジニア、神経外科医、物理学者
など、専門性の高い分野で
活躍できることも分かっています。
がそれは、
頭の良さを発揮できるのは
限定的な世界だけ
とも捉える事ができるでしょう。
忍耐強く、
何事も継続できる
グリット(やり抜く力)を持つ人。
アンジェラダックワース教授が提唱し、
人生の成功を決める要素の一つ
とされていた「やり抜く力」も、
そのまま鵜呑みにはできいない様です。
結論を先に述べると、
グリットは、
学業の成績には関係がなく、
例えグリットが高くても、
仕事のパフォーマンスには
たった3%しか影響しない。
とのこと。
仕事でも私事においても、
自分がコツコツと忍耐強く
努力したところで、
会社の上司、
事故に巻き込まれるかどうか、
他人のミスに巻き込まれる、
などの「環境」は、
自己コントロールできないため、
「やり抜く力」だけではどうにもならない。
というのが、
グリットを鵜呑みにできない大きな原因です。
頑張りを重視する人は、
長い目で見ると、
体を壊す率も高いのだとか。
忍耐強さが不要だ。
とは言えないものの、
その副作用を知っておいても
損はないでしょう。
科学が導き出した結論、
それは、
「人生は〇〇で決まる
と断言できる能力はない」
です。
天才性を発揮していると思われる
パフォーマンスの高い人物たち。
彼らは一様にして
「天才と呼ぶな」
と周りには伝えています。
かの鈴木イチロー選手も、
「努力せずに何かを成すのが天才なら、
僕はそうではない」
との言葉を残していますし、
モーツァルトは天才だった。
という歴史も
今ではやや疑問視されています。
彼は父がスパルタで、
3歳から毎日3時間のピアノの練習
を余儀なくされたといいます。
さらにその父が
誇張した物言いをする性格
だっため、結果、
モーツァルトは神格化され、
意図的に天才にされた
との見方もある様です。
今まで私たちが欲しいと思っていた
「才能」と呼ばれていた概念は
それほど人生を良い方向へは
導いてくれない様です。
ではどうすれば良いのでしょうか。
強みとは「かたより」
起業家の中で、
カリスマ性の塊のように呼ばれている
スティーブ・ジョブズは、
「ディスレクシア」と呼ばれる
文章を理解できない。
という障害を持っていたと言われています。
しかし、
ディスレクシアを障害とは呼ばず、
性質、能力だと捉えることで、
ジョブズは、
斬新な発想力や企画力を発揮、
アップル社を世界に轟く会社に
成長させました。
人生を左右する才能の地図には、
3つのルールがあります。
1 人生とは異能バトルである
2 才能とはかたよりである
3 ルールが曖昧なほど弱者は勝てる
の3つです。
人生とは「異能バトル」である。
これがルールその1。
ジョブズの他にも、
社会性に欠けると烙印を押された
ミケランジェロ。
コペルニクス、バッハ、ニュートン、
カント、レオナルドダヴィンチなどなど。
彼らは子供の頃は
天才でもなんでもなく、
むしろ目立って優秀では「なかった」
と言われています。
ディスレクシアをはじめ、
短気、不安障害、パニック障害など、
今までは一見ハンデだと思われていたことも
現代では、
「強い武器」に早変わりする可能性が
十二分にあります。
そしてルール2が「かたより」です。
ここでは、
英国の経済学者リカードが提唱した
「比較優位」と呼ばれる考え方
が用いられています。
元は、
国家間の分業について説明する理論
であるものを、
才能の観点から見ています。
結論、
人は社会的な動物であるから、
何事もスター選手だけでは立ち行かない。
ということです。
すると、
打ってよし、投げてよしの大谷翔平選手
に対してですら、
私たちが優位に立つこともできる。
というのですから驚きです。
大谷選手は、
野球の能力に特化しているので、
他の作業にリソースを回すのは
極めてコストが大きすぎます。
ゆえに、
私たちが
マネージング能力、
体調管理能力、
家事の遂行力(笑)
などに特化していれば、
大谷選手にすら優位に立てる。
というわけです。
相対的な数値で見ること
により、
どんな人でも優位に立つことは
できるのです。
最後の3つ目のルールは
「ルールが曖昧なほど弱者でも勝てる」
というルールです。
マルセル・デュシャンの「泉」という
現代アートを聞いたことはあるでしょうか。
美術界で、
この泉が発表された際、
かなり話題となりました。
というより、
評価を総なめにしたと言っても
過言ではありませんでした。
なぜなら、
「創作」が主で、既製品は
アートとは呼ばないアートの世界において、
デュシャンの作品は
「ただの便器にサインを入れたもの」
だったからです。
本当になんの加工もしないまま、
男子の小便器がアートだとし、
それをそのまま作品として登録、
驚くことにその便器は
瞬く間に話題を呼び、
高い評価を受けてしまったのです。
アート雑誌の表紙を
飾ったこともありますので、
既知の方も多いと思いますが、
なぜデュシャンはただの便器で、
他のアーティストに圧倒できたのでしょうか。
そもそも、
デュシャンは、
便器を「用いて」アートにしたのであって、
便器を作ったのは他の工人であるはず。
なぜここまでアート界で評判になったのか。
それは本章のポイント、
「ルールが曖昧」であったから。
だと著者は説明しています。
スポーツや音楽などの世界は、
完成されている業界でもあります。
そこにはちゃんとしたルールがあり、
それに沿った勝ち方でないと
評価されないのは当たり前です。
サッカーの世界で、
ボールを手に持ってゴールしても
何それ?と思われるだけ。
しかし、
サッカーのルールを知らない人が見ると、
すごい!点が入った!
と評価する人もいるかもしれません。
色々なルールがあるからこそ、
生かせる能力はどんどん増えます。
欠点が武器に変わるのも、
ルールがあいまいだからこそ。
しかし、
ルールがあいまいだからと言って、
好き勝手にやっていい。
ということではない様です。
現代アートの世界で
便器が脚光を浴びることができたのは
作者のデュシェンが、
破るべきルールを熟知していたから。
とも説明ができます。
アートは既製品からは生まれない。
などのルールを徹底的に調べ上げ、
ルールを破るルール
を発見した最初の作品だからこそ
世界の評価を受けたのです。
※今、現代アートの世界では、
いかにルールを破るか
も評価の基点に加わっています。
かたよりを生かすためには、
「型を知らなければ
型破りはできない」
の格言を覚えておく必要があります。
上司に自分をプレゼンしよう
ここまでの内容で、
才能とはあってない様なもので、
誰にでも活躍の場は存在する。
ことを見てきました。
「かたより」の見つけ方、
生かし方、などは
本書のメソッドを読んでもらうとして。
果たして
自分のかたよりが見つかったところで、
それを会社の上司なり、
周りの友人や同僚なりに
伝えることができなければ、
せっかく見つけた異能の力を
十分に発揮することはできません。
ここでは
周囲へのアピール方法
についてアウトプットします。
自己アピールを進んで実行するなんて、
なんだかナルシストみたいで嫌だ。
と感じている方は、流石の感性です。
自慢ったらしい人間のことや
自信過剰な人間に対して、
嫌悪感を抱く人は多い。
という調査結果があります。
当然ながら、
「私はこんなにすごいんです」
と周りに吹聴するなら、
その結果は、
上司を見直させるどころか、
周囲の人間に嫌われておわりです。
では具体的にどうすれば良いのか。
私が手っ取り早くて
効果的だと感じた方法は、
◯成功の中に失敗談を加える
◯例え良い結果であってもアドバイスを求める
◯先に周りを褒める
※周りに自分をアピールしてもらう
の3つです。
上司にアピールしたいなら、
もちろん相手に自分を売り込むため、
会話を通してアピールするわけですが、
「私の営業成績はNo. 1です。」
と豪語しても、
それは良かったね。
で終わってしまいがちです。
自分なりのかたよりを利用して、
良い結果を得られたなら、
それに至るまでの反省点や、
失敗談も盛り込むと、
相手にはすんなり話が入って行きやすいです。
ネガティブな内容を盛り込むと、
自慢たらしさが薄まり、
相手の好感度も上がる
という調査結果もありますので、
ネガティブな要素はマイナスではなく
プラスになると捉えましょう。
次に、
アドバイスを求める
というものです。
アドバイスシーキング
と呼ばれる技術で、
相手に話をさせること
は相手の好感度を激増させます。
人間とは不思議なもので、
話の聞き手は
話をちゃんと聞いてくれる人
のことを、
「話をするのが上手い人」
だと判断する。
とも言われています。
アドバイスシーキングは、
相手に好感触を持たせつつ、
話し上手だと感じさせながら、
自己アピールを遂行できるわけです。
現状に甘んじることなく
邁進するために、
私に足りないものは
なんだと思いますか?
と一言申し添えてみると効果的です。
最後は、
先に人を褒めておく
というメソッドです。
「返報性の原理」
と呼ばれる「原則」が存在します。
ギブアンドテイクという言葉に
代表されるように、
人間は、
やられたことを相手に返す
という習性があるのです。
先に誰かを褒めてしまえば、
その人の耳に入った時、
褒められた人もまた自分を褒めてくれます。
しかも、
自分自身でアピールするより、
人伝でアピールを聞いたほうが、
聞き手の信頼度は高まる。
との調査結果もあります。
嘘はいけませんが、
影で人の長所を褒め続ければ、
近い将来、
正の連鎖を作り出すことも可能でしょう。
友人や同僚のポジティブなアピールを手伝い、
相手にも自分の自己アピールを
手伝ってもらいましょう。
おわりに:
ユーチューブの世界では、
子供が数億円を稼ぐ時代が
何年も前に既に到来しています。
一体、何をどうがんばれば報われるのか?
毎日不安と戦っている人も多いと
著者指摘しています。
本書を読めば、
少なくても、今目の前で
自分がすべきことに着手
できるようになります。
自分のかたより(才能)については、
常にアップグレードが必要なものの、
本当に必要なのか分からない資格や技術に
不必要に時間をかけたり、
副業に躍起になる必要もなくなるかもしれません。
あなたが目指す、
あなたの世界に必要なかたよりを見つけて
その才能を十二分に発揮してほしいです。
大樋町
読書もいいけど、「聞く」のもおつなもの👇👇👇
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