はじめに:一時的な快楽ではなく自分の美徳と強みを生かす
自分のやりたいこと
を貪れば、
一時的な快楽
は得られても、
幸せにはなれません。
心理実験でも、
チョコレートサンデーを与えられるチーム
慈善活動に参加してもらうチーム
に分けて、
幸福度を調査した結果、
慈善活動チームが感じた幸福度の方が
チョコレートサンデーを遥かに上回っていました。
本ブログでは、
ここ数記事で、
「幸せ」について見てきましたが、
やはりここでも、
長期的な幸福を感じるためには、
短期的、一時的なポジティブ感情だけでは
幸せにはなれないことが述べられています。
管理人の場合、
大好きな本を買い漁ることで
一時的には満足感や爽快感を得られますが、
その後は、
散財したことや
こんなに読めるのか?
と後悔が続くこともしばしば。
では一体
どうすればヒトは幸せになれるのか?
どうするべきか?
管理人が学んだことをアウトプットします。
過去・未来・現在を見直す
ポジティブな感情には
過去・未来・現在
に対するものがあります。
過去が満足がいく人生でも
現在に落胆している人もいれば、
現在には多くの喜びがあっても、
未来には不安が待っているという
人も多いことでしょう。
過去をどうとらえ、
未来をどう展望し、
現在をどう生きるかを見直すこと
で感情を肯定的な方向に導くことができます。
悪い思い出を良い思い出に変える
ここでは過去に対してアプローチします。
過去のつらい感情を、
充足や満足の領域に導く方法があります。
過去の味わいを強化して享受する
感謝の心
と
悪い思い出も書き換える
容認
と呼ばれる方法です。
※スピリチュアル要素は無く、心理学的アプローチです。
メソッド1「感謝の心」
本書には、
今の自分がどれほど
感謝の心
を持っているかを測るワークが準備されています。
ここでは、その値が低かったと想定して
改善策を紹介します。
24時間を振り替えって、
世の中に感謝できることを
5つ
ノートに書き出します。
それを2週間続けて見てください。
自分がどれほど、
感謝すべきことを当たり前に
享受し捉えてきたか。
感謝を伝えるべき人に
ちゃんと感謝を伝えているか。
日々に感謝すること
を習慣にすると、
感謝の心が言わずもがな
醸成されていきます。
感謝なき過去に
幸せはありません。
メソッド2「容認のメソッド「REACH」」で悪い過去を味方につける
過去に自分を傷つけた相手を
もし許すことができれば、
過去の悪い思い出から
自分を解放することができます。
REACHは、
母親を強姦された上で殺害された心理学者
が取り組んだ
許す
ためのメソッドです。
許せない過去に決別して、
過去を容認していきます。
手順は5段階です。
1 思い出す recall
まずは静かな環境に身を置きます。
ゆったりとできる時間帯がいいでしょう。
悪い思い出をなるべく
客観的に思い出します。
「罪を憎んで人を憎まず」
という言葉がありますが、
ここで自己没入してはいけません。
上記の心理学者は、
加害者の立場で物事を考えました。
「いないと思っていた住人が
突然、目の前に現れたらどう思うか」
「これで、俺の人生も終わりか」と思っただろうか
など。
2 感情移入 empathize
加害者の立場から、
なぜ人物が
人を傷つけるか
を理解してみます。
想像の通り、
とても難しい課程です。
加害者に、
罪を犯した理由を聞いた時、
返答されそうな内容を
想像してみます。
3利他的 altruistic
相手に利他的な贈りものをします。
もし自分が罪を犯し
被害者にその罪を
許された時のことを
考えてみましょう。
許され、
相手に感謝する自分
がいると思います。
4容認を公にする commit
加害者に、
「あなたを許した」
旨の手紙を書き、
それを友人や家族に話します。
容認の契約
をして次のステップへ進みます。
5容認を持続する hold
容認とは、
記憶を消し去ることではなく
記憶と結びついたイメージを変えることです。
復讐心を抱いたまま記憶してはいけません。
記憶に浸ってしまうこともよくないです。
自分は相手を許した。
と肝に銘じて、
手紙を読み直すことも良い手です。
誰しも、
思い出したくもない過去
があるかと思います。
悩みの9割は人間関係
と言われるように、
悪い記憶には
誰かしらの影
があるのかもしれません。
加害者を許すことで、
過去から自分を解放してあげましょう。
ずっと幸せになろう
ここでは未来に対してアプローチします。
ヒトは未来に対しても、
楽観的な方が、うまくいきます。
本書には、
自分が
楽観的か悲観的か
を測るワークもあります。
ここでは、
悲観的な正確をどうすればいいのか?
を見ていくことにします。
自分で自分に反論するメソッド
日々の生活を思い出すと、
人に何かを意見すれば、
必ず反論を受けます。(笑)
誰かに自分の自慢話しをしようものなら、
たちまちライバル達に意見されてしまいます。
自分:「昇任が決まったよ!」
ライバル:「あのプロジェクトが成功したのはお前だけの功績じゃないのにな!」
ライバルに意見された時を思い出してみましょう。
心の中では、
さかさずライバルの意見に
反論しているはずです。
自分:「とはいえ、リーダーを努めてプロジェクトをまとめた事実は確かだろ!」
といった具合。
いつもは心の中でしている
他人に対する反論を、
今度は「自分」に対しても行いましょう。
自分自身に対してとなると、
ヒトは途端に反論しなくなるもの。
心の底から出てくるネガティブな意見と
現実のあなたは、決して一緒ではないはずです。
もし自分が自分に対して批判をしてきたら、
会社のライバルに対して反論する様に、
自分から出てきた否定意見にも自分で反論しましょう。
(あなたは得意なはずだ笑)
自分:「あぁ、俺はなんてだめな奴なんだ、ろくに夕食ひとつ作れない。」
自分:「そんなことはない。料理がなんだ、仕事での成果を思い出せ。これから学べばいいだけだ!」
といった具合。
ネガティブ意見を自分で反論していけば
楽観度を上げることができます。
今現在で幸せになる
真の幸福は
一時的な快楽では得ることはできず、
充足感と充実した日々から得られる。
とはアリストテレスの言葉ですが、
ここではまだ「充足感」は出てきません。
ポジティブ感情の科学的解明から、
人生における瞬間的な幸福の量
を増やすこと自体は可能であり、
まずはその方法をご紹介します。
「慣れ」を避けるメソッド
快楽や快感については、
誰よりも自分の方がよく知っています。
自分の生活に
まずは快楽や快感をちりばめておきます。
ポイントは、快楽や快感を
そのまま享受するのではなく、
インパクトを薄めて、
イベントとイベントの間に
間隔を空けてみることです。
チョコレートサンデーを
一口目に食べた時の美味しさを
もう一度味わいたいなら、
二口目までの時間を30秒とってみましょう。
二口目は食べずに
翌日たべるなどでもいいでしょう。
映画を一気に全部見るのではなく、
「午前の部」と「午後の部」で時間を分けてみましょう。
自分の感覚に合っている、
イベントとイベントの間隔
を見つけてみ、日々のイベントに取り入れます。
すると、幸福感が長続きします。
また、
「おどろき」も新鮮さを保つ良い方法です。
帰宅を待って、
同居人の好きな音楽をかけてみる
5分間だけ肩を揉んであげる
など、
ちょっとしたサプライズを
提供しあってみましょう。
自分の強みを生かして幸福になる
ここからが、幸福への真髄。
充足感
へ繋がる方法に入っていきます。
誠実性や勇気、独創性に学習意欲などは
ヒトの強み。
背が高いや絶対音感、容姿の美しさなどは
ヒトの才能。
才能と強みは違うものだ。
と筆者ははっきりと述べています。
才能は与えられたものであり、
育むことは難しいが、
強みは土台から育むことができます。
筆者が示す人間の美徳と強みは
美徳が6種類
これをさらに分かりやすいよう
細かく分けて
強み24種類
があります。
筆者が、
アリストテレス、プラトン、アキナス、聖アウグスチヌス、
旧約聖書、タルムード、孔子、仏陀、老子、武士道、コーラン、
ベンジャミン・フランクリン、ウパニシャッドなど、
200冊に及ぶ哲学書や教典を読み、
時空を経ていながらも
変わらない概念達(美徳6種、強み24種)
を見つけ出しました。
24種類の強みの内、
どれが自分とマッチしているか。
を見つけてみてください。
それでは見ていきましょう。
○なしが6つの美徳
○がついた数字が24の強み
①好奇心と関心
②学習意欲
③判断力・批判的思考・偏見のなさ
④独創性・創意工夫
⑤社会的知性・個人的知性
⑥将来の見通し
⑦武勇と勇敢さ
⑧勤勉・粘り強さ・継続的努力
⑨誠実・純粋・正直
⑩思いやりと寛大さ
⑪愛すること・愛されること
⑫協調性・義務感・チームワーク・忠誠心
⑬公正さと公平さ
⑭リーダーシップ
⑮自制心
⑯慎重さ・思慮深さ・注意深さ
⑰謙虚さと慎み深さ
⑱審美眼
⑲感謝の念
⑳希望・楽観主義・未来に対する前向きな姿勢
㉑精神性・目的意識・信念・信仰心
㉒寛容さと慈悲深さ
㉓ユーモアと陽気さ
㉔熱意・情熱・意気込み
※「超越性」とい言葉は聞き慣れないと思います。
自分を超えて、他人や未来、進化、宇宙に結びつけるもの。
6つの美徳と24の強み、
いかがだったでしょうか。
本書では、
ひとつの強みに対して
2つずつ質問が準備してあり、
10点満点中
何点になるか
というワークが付いています。
皆さんの強みは見つかりましたか?
前述の通り、
国や時代や宗教や人種、
もちろん男女の違いや年齢の違い
これらを超越した、
美徳
とそれを更に細かくした
強み
ですので、
これだ!
というものを是非見つけてみてください。
そしてそれを仕事に生かしてみてください。
一時の快感や快楽ではなく
充足感という幸福を
もたらしてくれるはずです。
おわりに
過去や未来に対する
幸福になるためのアプローチや、
一時の幸福に対しては、
それをできるだけ
長く享受する方法、
中でも、
自分の強みに気づいて
それを生かすことで得られる
充足感こそが
真の幸福
であることを学びました。
僭越ながら、
管理人のとっておきの強みを
ここで告白すると、
純粋さ 寛大さ 慈悲深さ 思慮深さ
という、
神父か!とつっこみを
入れたくなる様な結果でしたが、
とても満足しています。
これらを生かして、
充足感が得られる毎日を目標に
過ごしています。
今回の本
【名称】 世界にひとつだけの幸せ
【著者】 マーティン・セリグマン著
小林裕子訳
【価格】 2,420円(税込み)
【発行】 アスペクト
世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生
本を読むのが苦手な方は「聞く」はいかが?👇👇👇
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